新生児医療の発達に伴い、経管栄養やたんの吸引などの医療的ケアを日常的に必要とする子供が増えている。手薄だった支援の拡充が急務だ。 厚生労働省によると、「医療的ケア児」は約1万7000人と推計される。10年前の約1・8倍に上る。重篤な病気を持って生まれても救命できる医療技術が広まってきたからだ。 問題なのは、新生児集中治療室などから退院した後のサポート体制が整備されていないことだ。 医療的ケア児には、重い身体障害と知的障害を併せ持つ重症心身障害児が多く、その受け入れ施設は大幅に不足している。 加えて、近年は運動機能や知能の発達に遅れがない医療的ケア児が「見過ごされた障害児」として注目されている。重症児とみなされず、施設利用が制限される場合がある。重症児以外が通う施設も、ほとんど受け入れていない。 医療の進歩に制度が追いついていないのは明らかだ。 保育所や学校現場での支援も乏しい。たんの吸引な