本研究では、太陽一地球系と太陽一火星系のラグランジュ点(L1、L2)まわりのハロー<br />軌道から派生する軌道群(マニフォールド)を用いた、ハロー軌導を起点・終点とするエ<br />スケープ・キャプチャー軌道の解析を行った。そして、地球・火星表面近傍の近点でイン<br />パルス軌道変換を行なうことで、低コストなハロー軌道間の惑星間移行の実現可能性を検<br />討した。また、これらの軌道を利用し、地球・火星のハロー軌道上に配置した宇宙港を経<br />由して惑星間を往復する輸送システムを提案し、その有効性を示した。<br /> 太陽一地球系のラグランジュ点は、太陽と地球それぞれの重力と宇宙機に作用する遠心<br />力が釣り合う平衡点である。特に太陽と地球を結ぶ線上にあり、地球からおよそ150万km<br />離れた地球重力圏境界に位置するL1、L2は、重カポテンシャルの観点から内・