テクニカルライター/コラムニストの小寺信良さんによる「techな人が家事、子育てをすると」というテーマの連載(隔週木曜日)の第26回(これまでの連載一覧)。今回のお題は「籾殻まで全部使う」。 文・写真:小寺 信良 前回でとうとう籾から精米し、白米を食べるところまで到達した。これでこの話は終わりだと思われたかもしれないがさにあらず、もうちょっと続くのである。 籾を玄米にすると、大量の籾殻が出る。その量7kg。元々の籾の重量からすれば、およそ30%に相当する。ただしその嵩(カサ)だけ見れば、ほぼ元の籾と同じぐらいの体積となる。米1粒に対して、小さな船のような形の籾殻が2つ。中身は空っぽだが、形が潰れないのだ。 籾殻なら植物の枯れたものなんだから、土に撒けば肥料になるだろうと安易に考えてはいけない。籾殻は数年放置しても変わらないほど腐りにくいため、そのまま撒いても肥料にはならない。むしろ船型の凹