著者 クライヴ・ポンティングClive Ponting 1946年生まれ。行政職、ウェールズ大スウォンジー校准教授を経て、現在スウォンジー大の名誉研究員。著書『緑の世界史』が世界的ベストセラーに。先ごろ早期退職し、現在はギリシアの小島で暮らしながら、地中海式庭園を作りオリーブを栽培している
著者 クライヴ・ポンティングClive Ponting 1946年生まれ。行政職、ウェールズ大スウォンジー校准教授を経て、現在スウォンジー大の名誉研究員。著書『緑の世界史』が世界的ベストセラーに。先ごろ早期退職し、現在はギリシアの小島で暮らしながら、地中海式庭園を作りオリーブを栽培している
1 NHKの『ヒューマン』http://www.nhk.or.jp/special/onair/human.html の第2集が投擲武器の話だった。面白かったので、おそらく元ネタであるだろう『飛び道具の人類史』読了。 クロスビーによる、ヒトの3つの特性。 1;二足歩行 2;投擲力 ヒトは他のいかなる動物種よりも、遠くまでより正確に物を投げることができる。 3;火を操る能力 このうち、「投擲力」に注目して人類史を書いたのが本書。 最初の武器としての投石、地上最強の肉食獣に飛躍したのが「アトゥラトゥル(投槍器)wikipedia:アトラトル」の発明。 投擲を主要武器としたことにより、手を離れたものがどうなるのか予想する力を必要とすることから、未来予測の能力が人間に生まれる。 アトゥラトゥルから弓・クロスボウ(弩弓)・カタパルトwikipedia:カタパルト(投石機)・火薬・銃砲・ロケットへ、と
中国で勢い増す「黄帝」崇拝 愛国心鼓舞、少数民族抑圧と紙一重 | どうしんウェブ/電子版(国際) これは割とドン引きさせられた記事なのだけど(中国の少数民族の中には黄帝神話を信じてない民どころかイスラーム教徒もいると思うんですがそれは……),巻き添えで費孝通の評価が落ちたら気の毒ではあるというのと冷静に考えたらこれまで書いてきたことがなかったというのでメモ的なものを。[asin:4894891182:detail] 「中華民族」論自体は費孝通以前の清末民初期から言われているようなのだけれど,人類学に基づいた理論として体系化されたのは1988年の費孝通の著作による。彼の著書『中华民族多元一体格局』は日本語に翻訳されているけれども,人類学の理論を踏まえて,漢族を中心に分かちがたく結合した構造としての「中華民族」の実在性について論じたもので,それなりに説得力のある議論であり,少なくともソ連におけ
リンク Wikipedia 深澤秀男 深澤 秀男(ふかざわ ひでお、1935年1月5日 - )は、東洋史学者、岩手大学名誉教授。 東京生まれ。東京教育大学史学科卒、同大学院東洋史専攻修士課程修了。1958年共立女子高等学校教諭、1966年四国学院大学講師、助教授、1974年教授、1979年岩手大学教授、1999年定年退官、名誉教授。 遊牧民@候選 @Historian_nomad 西太后の出身氏族イェヘ=ナラをエホナラという古い表記にしてるあたりでいやな予感はしてたけどそのあと出るわ出るわの突っ込みどころに古いデータに挙句の果てが研究者としてどうなんだこれっていう誤字・誤解! 一般書で筆が滑ってるときのS御大やO御大のほうがはるかに研究者として誠実だわ! 2014-06-30 22:01:33
出版されたばかりの、船山徹『仏典はどう漢訳されたのか―スートラが経典になるとき』(岩波書店、2013年12月)を読みました。 仏教が中国にはじめて伝えられたのは、前漢時代のことであったようですが、後漢時代、二世紀ごろにもなると、いくつもの仏教経典が漢語に翻訳されるようになります。「漢訳仏典」と呼ばれるものです。本書は、翻訳文献としての漢訳仏典に焦点を合わせた、はじめての本格的な概説書です。 長い歴史を持ち、現代にも生きている漢訳仏典。葬儀や法事で僧侶があげるお経や、『般若心経』の写経などを通じ、日本人にとっても馴染み深いものです。また「縁起」「輪廻」「世界」などのことばも、すべて漢訳仏典に由来します。 そんな親しみのあるものについて、総括的な概説書がこれまでなかったことは、奇異にすら感じられるかもしれません。しかし、漢訳仏典の概説を書くためには、並外れた力量が必要で、インド・中国のみならず
だいぶ時間がかかってしまったけれどナショナリズム論的に興味深い本を読んだ。ロジャース・ブルーベイカーの『集団なきエスニシティ(Ethnicity without Groups)』。ハーヴァード大学出版会から2004年に出版された。モノグラフというよりも論文集という趣が強く,個々の章は独立で読めるものになってはいるが(その多くが他の研究者との共著論文である),全体を通しての大きなテーマのようなものも見えてくる。それは従来学術的に当たり前に用いられてきた概念の再検討ということになろう。Ethnicity without Groups作者: Rogers Brubaker出版社/メーカー: Harvard University Press発売日: 2006/09/01メディア: ペーパーバッククリック: 1回この商品を含むブログ (3件) を見る 本書は次のような章立てからなる。序章(1-6頁)
これは読まずにはいられなかった。成文社はいい仕事をするなあ。ロシアのオリエンタリズム―ロシアのアジア・イメージ、ピョートル大帝から亡命者作者: デイヴィド・シンメルペンニンク・ファン・,浜由樹子出版社/メーカー: 成文社発売日: 2013/06メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る 原書は,David Schimmelpenninck van der Oye, Russian Orientalism: Asia in the Russian Mind from Peter the Great to the Emigration (New Haven: Yale University Press, 2010)*1。こんな分厚い専門書が原書発売から3年で邦訳されるとは,訳者も出版社も実にすばらだと言うほかない。 なお訳者は以前同じ出版社から『ユーラシア主義とは何か』(成文社,
正式発表から既にフライイング気味で話題の『ニセチャイナ』ですが、ようやく完成しました! カバーは以下の様な感じに仕上がっています! 多少、扇情的ですが企画の本質を表しています。旭日旗の中に中華民国の青天白日旗が入っている訳ですが、中華民国臨時政府、中華民国維新政府、中華民国南京政府、共に日本占領域で出来上がっていきました。 『ニセチャイナ』という書名に対して「中国を刺激しないのか?」という意見が寄せられていますが、むしろ中国の現政権、中華人民共和国としては日本が造った傀儡政府は「偽政府」なので、ネーミングとしては合致しています。 かと言って、著者も編集者も特に中華人民共和国支持者という訳ではありません。この本の内容や記述は、イデオロギー的には中立です。考えてみるとこれからこの書名を毎回説明していかないといけないのかと思うと、少々面倒ですが、単なるダジャレとして受け取って貰えれば幸いです。
著者の広中一成氏は対日協力政権の専門家。私の留学時代の飲み友達であり(飲んでいるのはもっぱら私だったが)、本サイトにも『ニセチャイナ』についての紹介文を寄稿してくれている。 (関連記事:忘れさられた「ニセ政権」とは=日本の傀儡政権を総ざらい、広中一成『ニセチャイナ』) ■迷走を生み出す“ずれ”を丹念に拾う誠実さ 本書は500ページの読み応えのある一冊。各対日協力政権の誕生から滅亡までの流れを追う本文に加え、地図、図表、写真、コラムもたっぷり。それぞれの政権の歴史を追う読み方もできるし、あるいは6つの対日協力政権を通してみることで、別の角度から見た日中戦争通史として読むこともできる。細かく小見出しがついているので、興味あるトピックを拾い読みする読み方も可能だ。 さまざまな読み方を可能にしてくれるのだが、その一因ともなっているのが本書のちょっと不思議な構成だ。いわゆる「はじめに」「おわりに」が
もう3月に入ってしまったということが信じられないが(ついこのあいだ年が明けたばかりだというのに!),このタイミングで去年出た東欧および隣接する諸地域の歴史についての日本語書籍の中でわたしがチェックし得たものを紹介してみようと思う。 以下のエントリで取り上げた本については取り上げないのであしからず。 「帝国」の想像力――『オスマン帝国と立憲政』『ロシア・シオニズムの想像力』の射程 - Danas je lep dan. ヨーグルトが育むナショナリズム――マリア・ヨトヴァ『ヨーグルトとブルガリア』について - Danas je lep dan. 『ハプスブルク君主国1765-1918』『「イタリア」誕生の物語』読書メモ - Danas je lep dan. 『西洋史学の先駆者たち』『英連邦』読書メモ - Danas je lep dan. スターリン期の大量死の評価をめぐって――ノーマン・ネ
年末ということで気温だけでなくお財布も寒くなる時期だけれど,面白い本が出版されたので紹介。ヨーグルトとブルガリア: 生成された言説とその展開作者: マリアヨトヴァ,Maria Yotova出版社/メーカー: 東方出版発売日: 2012/11/15メディア: 単行本クリック: 2回この商品を含むブログを見る 著者はその名からわかるようにブルガリア人。本書は日本の総合研究大学院大学に提出された博士論文が元になっている。ブルガリアといえばヨーグルト,と,日本ではすっかり定着した「ブルガリアヨーグルト」。「明治ブルガリアヨーグルト♪」というあのCMのフレーズは日本社会に長期間生きたことがあるならどこかで耳にしたことがあるのではないだろうか。本書は,「ヨーグルト」がブルガリアにとってどういう意味を持ったのかを明らかにしようとしている。 もともとヨーグルトは旧オスマン帝国支配下のバルカン地域で広く食さ
ここ1,2年、中国は独自の発展モデルを持っているとか、ワシントンコンセンサスから北京コンセンサスだとか、いや中国を初めとしてこれからは国家資本主義の時代だとかいった議論がかまびすしい。しかし、本書はそのようなその時々の情勢に影響された時論や、あるいは現政権の正当性を追認するだけような底の浅い議論が吹っ飛んでしまうような重量級の実証研究である。 汲古叢書99 明清中国の経済構造 作者: 足立啓二出版社/メーカー: 汲古書院発売日: 2012/02/10メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログを見る 著者の足立氏はよく知られるように、1998年に出版された『専制国家史論―中国史から世界史へ (叢書 歴史学と現在)』が話題となった際に、西尾幹二氏や坂本多加雄氏といった人々−端的に言えば「新しい歴史教科書をつくる会」関係の人々−にその議論が積極的に評価される、ということがあった。そ
■ブックレビュー:梶谷懐『「壁と卵」の現代中国論 リスク社会化する超大国とどう向き合うか』人文書院、2011年■ *梶谷懐著『「壁と卵」の現代中国論: リスク社会化する超大国とどう向き合うか』。書影クリックでamazonページへ。 ■テーマ選びの秀逸さに驚嘆 「すごい本が出た」というのが率直な感想だ。現代中国を知るためにも、日本人として中国とどう向き合うかを知るためにも必読の一冊と言えるのではないか。 何がそんなにすごいのか。 本書を貫くテーマ(後述)も確かに面白いのだが、中国屋としての自分の目から見れば、最大の魅力はテーマ選びのセンスが傑出していることにある。全11章から構成されているが、そのすべてが急所を押さえたものばかり。しかも一つ一つの解説がきわめて深いのである。 これ一冊で現代中国の重要テーマがすべて分かる、と言うとさすがに誇大広告となるが、中国語ニュース翻訳の仕事をしている自分
中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史 作者: 與那覇潤出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2011/11/19メディア: 単行本購入: 12人 クリック: 193回この商品を含むブログ (113件) を見る この本は最近店頭に並んだばかりだが、早速ネットなど多くの人が感想を論じている話題の書である。古代以来の日本の歴史を「中国化」と「脱中国化=江戸化」という二つの異なる統治原理の間を揺れ動きながら形成されてきたものとして捉えつつ、現代の政治・経済的な混迷を世界が「中国化」する中で日本がうまく対応できないところにあると診断する、明確な視点に貫かれた刺激的な日本社会論ということになるだろうか。 本書で使われている「中国化」とは、具体的には貴族の特権を廃し皇帝一元支配が確立した宋朝中国の統治原理を一般化した概念を指す。それは、権威と権力の一致、政治と道徳の一体化、社会的地位の一貫性、経済
アファーマティヴ・アクションとは、アメリカの歴史や政治で使われる用語である。 差別に苦しめられてきたエスニック集団の人びとを優遇する政策のことだ。著者は、ソ連こそ世界史上初めて少数民族のためのアファーマティヴ・アクションを実現した国家と考える。地元民幹部の積極的登用や民族語の公用語化などがその具体例である。 レーニンやスターリンは、ナショナリズムの巨大な力を見抜き、これを社会主義に利用するために民族の枠組や形式をつくることで、反革命を団結させるナショナリズムの力を骨抜きにしようとした。ナショナリズムの武装解除を、民族らしい形式を整えながら実現しようとした戦略こそ、「アファーマティヴ・アクションの帝国」だったというのだ。 ナショナリズムは動員力のある極めて危険なイデオロギーであり、階級を超える結束をもたらしかねなかった。レーニンたちは、民族意識も歴史が通過すべき一段階であり、非ロシア人による
アヘン戦争後の内憂外患から辛亥革命へ。近代国家へと生まれ変わる中国に生きた啓蒙思想家であり、祖国のために「富強」を追求した厳復の姿を、同時代に富国強兵への道を歩んだ日本を… 厳復(げんふく)―富国強兵に挑んだ清末思想家 [著]永田圭介 厳復――その偉大さを日本人にわかりやすく伝えるためか、本書の帯に「中国の福沢諭吉」の文字が躍る。トマス・ハクスリーの『進化と倫理』をはじめ、ハーバート・スペンサーの『社会学研究』やアダム・スミスの『諸国民の富』、モンテスキューの『法の精神』などを翻訳し、西洋近代思想を中国に紹介して、国の富強への道を模索し続けた中国近代啓蒙(けいもう)思想家である。 しかし、その名の浸透は、日本の一万円札に印刷された福沢諭吉に遠く及ばず、外国人はおろか、現代中国においても教養階層にとどまっている。この現象こそが、中国はいまだに政治の近代化を実現できていない所以(ゆえん)を語っ
梶谷懐 KAJITANI Kai @kaikaji 吉澤誠一郎氏の『清朝と近代化』岩波新書には、通俗的な「停滞」イメージに反し19世紀後半の清国経済は国内流通の整備と一次産品の輸出増大、海外からの華僑送金で活性化し成長していたと書いている。ただこれはむしろ18世紀前半の「大分岐」により生産力に差がつき一次産品に比較優位を持つように 2011-11-20 22:52:23 梶谷懐 KAJITANI Kai @kaikaji (続き)なったことと、世界的な金本位制への流れで銀貨が下落を初め、銀を本位通貨とする清朝に長期的なインフレ圧力が働いたことの効果でかなり説明が可能だと思うのだが。数量経済史などではこの点は強調されていないのだろうか。 2011-11-20 22:54:01 梶谷懐 KAJITANI Kai @kaikaji 18世紀前半→19世紀前半の誤りです RT 吉澤誠一郎氏の『清朝
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