照明設置のための削孔で露見した八郎山トンネル覆工コンクリートの厚さ不足。設計の1割の3cmしかなく、背後に空洞ができている(写真:和歌山県) 和歌山県は整備中の県道のトンネルで、覆工コンクリートの厚さが大幅に不足する施工不良があったと明らかにした。施工者は厚さ不足に気づいていたにもかかわらず、設計通りに施工したとする完成図書を提出していた。県が2023年7月27日に発表した。 施工不良が判明したのは、紀伊半島南部の那智勝浦町に建設した県道長井古座線の八郎山トンネルだ。浅川組(和歌山市)と堀組(和歌山県田辺市)のJVが20年9月~22年9月の工期で、NATM工法によって施工した。工事費は約20億円だった。