鮨だねとしても人気の高い「ウニ」。ウニの産地といえば「北海道」のイメージが強いですが、「今は特定の産地ではなく、技術が高い加工業者が手がけた箱ウニが人気になった」と、鮨評論界の第一人者であり、著述家の早川光氏は言います。早川氏の著書『新時代の江戸前鮨がわかる本 訪れるべき本当の名店』より、詳しく見ていきましょう。 3大ブランドに見る、高級ウニの進化 ウニもまた、ここ10年の間にすごく変わった鮨だねのひとつです。10年前に全国のウニの中でナンバーワンの評価を受けていたのは北海道の利尻島、礼文島で獲れるキタムラサキウニ、エゾバフンウニでした。どちらも夏に漁期を迎えるウニなので、ウニの旬は夏というイメージが浸透していました。 ところが今は利尻島といった特定の産地ではなく、技術が高い加工業者が手がけた箱ウニが人気です。こうした加工業者は北海道のさまざまな地域から上質なウニを取り寄せ、それをさらに選