電車に乗り込むという動作には細心の注意が必要だ。動きが不自然に見えませんように。社会に対して後ろめたいところがあると思われませんように。一瞬の油断が僕の社会適応への努力を水の泡にしてしまう。 扉が開いてもすぐに乗り込んではいけない。降車する客が先だ。幸いにして昼下がりの西東京の私鉄は空いている。前方に誰もいないのを確認し、一拍おいてから車内に足を踏み入れる。人類にとっても僕にとっても小さな一歩。下半身が車内に移動するのにつられて上半身も移動。顔面が真夏の外気とクーラーの効いた車内の空気の境界を通り過ぎた次... > このページを見る
最終更新時間:
2007年08月11日08時31分









