平川克美氏の『俺に似たひと』(医学書院)を読む。平川氏の実父の晩年2年弱を介護した記録である。 文章はてらいもけれんもなく、感傷を排して淡々とつづられていく。さながら清澄なせせらぎのように静かに流れていくリズムは、生の時間そのもの、あるいは海底に響く耳には聞こえないクジラの唱のようだといってもよい。 介護や看護の経験のない人にとっては、いつか経験するための覚悟のようなものを教えてくれるが、決して暗くはならない。むしろ苦労や哀しみの中にも、一条の慰めや尊厳の光がすべてをほのかに包んでいる。 これに似た経験を... > このページを見る
最終更新時間:
2012年02月23日23時15分








