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雑学
animationbusiness.info
2024年3月23日と24日の2日間、東京ビッグサイトで開催された「AnimeJapan 2024」パブリックデイが、大盛況で幕を閉じた。主催する一般社団法人アニメジャパンは、速報値として総来場者数が13万2557人になる見込みであると発表した。25日、26日開催のビジネスデイの来場人数はこれからとなるため、それも含めると数字はさらに上振れしそうだ。 AnimeJapanは国内のアニメ業界が、アニメの全てを発信するとして2014年にスタート。毎年3月に東京ビッグサイトを会場に実施される。業界あげての一大イベントとしてファンにもお馴染みだ。 しかし2020年、21年は新型コロナ感染症の影響を受けてリアル開催を中止、22年、23年もその後遺症を避けられなかった。2024年は東京ビッグサイトの東展示場1~8を全て活用し、さらに家族向けの「ファミリーアニメフェスタ」、ビシネスデイのリアル開催が5年
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントは、自社が取り扱う全映像作品のビデオグラム(DVD、ブルーレイ)の制作と販売をハピネットに委託する。2024年3月22日、ソニー・ピクチャーズは、ハピネットの子会社ハピネット・メディアマーケティングと映像パッケージの制作及び販売における包括ライセンス契約締結で合意したと発表した。 この契約ではハピネット・メディアマーケティングはソニー・ピクチャーズがビデオグラム化権を保有するすべての作品について、映像パッケージの制作と販売をする。2024年5月1日より、スタートする。 ソニー・ピクチャーズは、米国ハリウッドの大手映画会社の一角で「スパイダーマン」や「バイオハザード」、「ゴーストバスターズ」といった人気シリーズを数多く製作している。邦画でも『キングダム』といった大ヒット作がある。 そうした作品の制作や販売を含む映像パッケージ事業は、これまでは自社が行っ
東映アニメーションの株式売り出しにあたり、自社保有株を放出するバンダイナムコホールディングスの投資有価証券売却益(特別利益)が411億4200万円になることがわかった。株式の受け渡し日は2024年3月5日となるため、特別利益は2024年3月期に計上される。 これによりバンダイナムコHDは、これまで未確定としていた通期連結決算の当期純利益が980億円になると発表した。今期はオンラインゲーム新作タイトルの評価損、ゲーム開発タイトル見直しによる処分損を大幅に計上したが、この落ち込み分をカバーすることになる。当期純利益は前期比で8%程度多くなる見込みだ。 バンダイナムコHDの東映アニメーション株は、取引関係が深い企業の戦略的持合いとなっている。長年、保有していた株式に加えて、2017年にはビジネス関係をより強固にするためとして株式を追加取得した。この際に持ち株比率が約2%から約11%に上昇して、東
東映アニメーションは発行済株式の約9.2%に相当する389万3300株を2024年3月に売り出す。放出するのは、バンダイナムコホールディングスが保有する311万3300株とソニー・ピクチャーズ エンタテインメントが保有する78万株。 2024 年2月27日から2024年3月4日までに売り出し価格を決定、国内はSMBC日興証券、海外はSMBC Nikko Capital Marketsが引受人となる。2024年2月15日の終値を基準にすれば、総額で660億円規模になる。 売り出しで流通株式は一挙に1.5倍以上に増える見込みだ。株式市場を通じた売却でなく、売り出しを選択したのは、流通株式が短期間に急激に増えることによる株価への影響を考慮したと見られる。 売り出しは、2022年4月に東京証券取引所が打ち出した上場株式の流動性確保のための新基準導入がきっかけになっている。東京証券取引所は市場区分を
名古屋を拠点にする放送局・中部日本放送(CBCテレビ)が、TBS系列28局ネットで放送するアニメシリーズに特化した放送枠を創設する。「アガルアニメ」とブランディング化され、話題のアニメを送り出す。 スタートは2024年4月7日で、毎週日曜日23時半から30分の深夜帯、いわゆる深夜アニメ枠だ。番組第1弾はライトノベルを原作にした『転生貴族、鑑定スキルで成り上がる』で、studio MOTHERが制作。さらに2024年7月からは往年の人気マンガで現在まで続く『キン肉マン』を原作にした『キン肉マン 完璧超人始祖編』が続く。こちらはプロダクション I.Gが制作だ。 CBCテレビは「アガルアニメ」について、“気持ちが「アガる」アニメばかりを放送する”として命名したと説明する。また局の拠点が名古屋にあることから、「名古屋から、日本が、世界がアガるアニメを届ける」をコンセプトにするという。 TBS系列ネ
■年間興収2221億8200万円、前年比3.9%増 一般社団法人日本映画製作者連盟(映連)は、2024年1月30日に2023年の国内映画興行成績などをまとめた「日本映画産業統計」を発表した。映連は松竹、東宝、東映、KADOKAWAの大手映画会社4社が参加する団体で、毎年発表する「日本映画産業統計」は、映画ビジネスの現状を知る基礎資料として広く活用されている。 産業規模を知るために最も注目される年間興行収入は、2023年で2221億8200万円だった。前年比で3.9%の増加。3年連続で前年を上回り、コロナ禍からの回復が進んでいることが分かる。それでも過去最高であった2019年対比では85%に留まっている。 また2021年以降の興行収入は過去数年に相次いで実施されたチケット代の値上げも反映している。2019年の平均料金1340円に対して2023年は1424円と過去最高であった。 2023年の映
ゲーム大手のコナミデジタルエンタテインメントが、アニメーション制作に本格進出する。2024年2月3日、アニメーション映像制作を目的とした新組織「KONAMI animation(コナミ アニメーション)」の設立を発表した。 KONAMI animationは、これまでコナミがゲーム制作で培ったCG技術やノウハウ、制作環境をアニメーションに注ぎこむ。これまでも同社が開発してきたゲームには多くのアニメーション映像が使われてきたが、これらとは異なる本格的なアニメ作品に乗り出すと見てよさそうだ。 そうなれば気になる作品だが、オープンしたばかりの公式サイトでは、“遊戯王カードゲーム25周年特別映像「Yu-Gi-Oh! CARD GAME THE CHRONICLES」”と“テレビアニメ『七つの魔剣が支配する』オープニング”を紹介している。 「Yu-Gi-Oh! CARD GAME THE CHRON
アニメ大手の東映アニメーションは、2024年1月29日に24年3月期第3四半期の決算を発表した。国内外のアニメ人気もあり、業績は引き続き好調だ。 業績発表に合せて、東映アニメーションはこれまで示していた通期業績予想を上方修正した。連携売上高の見通しを820億円から830億円に修正、営業利益は190億円から205億円、経常利益は200億円から215億円、当期純利益は135億円から155億円にそれぞれ引き上げた。 修正の理由は、前年度に公開した映画の波及効果が継続していること、さらに国内における配信権販売の好調が挙げられている。商品化権販売や商品販売事業も当初見込みを上回っている。作品から派生するビジネスが順調に拡大していると言ってよいだろう。 新しい業績予想でも連結売上高では前期の874億5700万円には及ばず、利益面でも前年を下回る。しかし業績予想を修正した一方で、第3四半期までで売上高の
アニメ事業大手のIGポートの収益力が増している。2024年1月12日に2024年5月期第2四半期の決算を発表したが、利益面での好調が際立った。 連結売上高は52億2900万円(7.0%減)と前年並みであったが、営業利益は5億9800万円(25.5%増)、経常利益は7億4900万円(46.1%増)、当期純利益は5億4700万円(43.0%増)となった。利益率の高い版権事業の伸びが理由だ。 第2四半期までの業績を受けてIGポートは、通期連結業績予想の修正を発表した。売上高は106億3800万円から104億4000万円に引き下げる一方で、営業利益は7億4800万円から8億9100万円に、経常利益は8億1300万円から11億100万円に、当期純利益は6億4600万円から10億900万円に引き上げる。経常利益と当期純利益は過去最高であった前年も上回る見込みだ。 業績を牽引する版権事業の第2四半期まで
北米でヒット中の『ゴジラ −1.0』が、引き続き興行記録を伸ばしている。2023年12月1日公開からすでに1ヵ月を超えるが、いくつもの大作映画が新たに公開されたにも関わらず、2024年1月に入ってもスクリーン数は1000以上を維持する。 1月9日には興行収入は4955万ドルになり、2021年公開の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の記録4950万を上回った。米国で公開された日本映画では、『ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』に続く歴代2位となった。2000年以降に公開された邦画では、過去最高である。 アニメに較べると海外でのビジネスはいまひとつとされてきた実写邦画の評価を覆す歴史的な出来事と言っていいだろう。興行成績だけでなく、シカゴ映画批評家協会の最優秀VFX映画賞やラスベガス映画批評家協会の最優秀国際映画賞を受賞するなどアワードでの活躍も目立つ。興行と高い評価の両方を獲得しているのも注
バンダイナムコグループのアニメ・映像事業会社バンダイナムコフィルムワークスが、子会社でアニメーション制作をするSUNRISE BEYOND(サンライズビヨンド)を吸収合併する。2024年1月9日、バンダイナムコフィルムワークスとSUNRISE BEYONDが、それぞれの公式サイトで告知した。 バンダイナムコフィルムワークスは2024年4月1日付でSUNRISE BEYONDを吸収合併し、同社の事業を継承する。バンダイナムコフィルムワークスは、アニメ企画・製作、制作のサンライズなどを前身として2022年に現在の体制となった。今回の吸収合併で子会社に残っていたSUNRISEの名称は消え、社名としてのサンライズも完全に消えることになる。 SUNRISE BEYONDは、2019年3月にサンライズの子会社として設立された。IGポートのグループ会社であったジーベックのアニメーション制作事業部門を買収
国内で自主制作されたコンピューターやデジタルのアニメーションを上映し、優れた作品を顕彰してきた「CGアニメコンテスト」が、2023年の第32回をもって終了する。長年、コンテストを運営してきたDoGAが、2023年12月に公式X (旧Twitter)にて明らかにしていた。 これを受けて2024年1月7日に「さよならCGアニメコンテスト =入選作品全部見せます!=」が開催され、YouTubeで配信された。配信イベントには関係者や過去の入賞作家も出演。それぞれの時代を代表する作品を解説や過去の入選作品全564本を紹介した。 「CGアニメコンテスト」は、1989年、国内のアニメーションのほとんどがアナログであった時期にスタートした。制作の情報や交流の場、さらに作品を鑑賞する機会も少なかったなかで、CGアニメの文化の盛り上げに大きな役割を果たした。 また映画祭やアニメーションコンテストの多くがアート
■国内2大アニメチャンネルがノジマへ ソニー・ピクチャーズ ジャパン(SPEJ)が、傘下の2つのアニメ専門チャンネル「アニマックス」と「キッズステーション」を家電量販店チェーンのノジマに売却する。2023年12月19日、両社が発表した。 アニマックスとキッズステーションは、国内アニメ専門の2大チャンネル。それぞれ契約世帯数は約730万と約700万、合計で1430万となっている。また現在、SPEJはアニマックスの66%、キッズステーションの67%と過半数の株式を保有している。この全てをノジマの関連会社に譲渡する。 譲渡の仕組みはやや複雑だ。事業譲渡に先立って、SPEJはまず新会社AKメディアを設立する。このAKメディアにアニマックスとキッズステーションの全株式と従業員を承継させる。そのうえで新会社の株式をノジマの孫会社であるAKエンタテインメントが買収する。AKエンタテインメントはノジマの子
一般社団法人Japanese Film Project(JFP)は、2023年12月12日に「実写映画・アニメ映画・演劇の制作現場における日本映画界のジェンダー調査2023」を発表した。映画や舞台作品の製作や制作における男性と女性のギャップや環境を明らかにする調査で、2021年、2023年に続き3回目になる。 1回目、2回目では実写映画だけを対象にしてきたが、今回はアニメ映画と演劇を新たに対象に加えた。より幅広いエンタテイメント領域を調査することで、社会全体の状況を明らかにすると言えるだろう。 実際に今回の調査からは、映画業界と同様の傾向がアニメや演劇にもみられる。特に目立ったのは、監督やプロデューサーなど意思決定の大きな職種では、全体の割合より女性の比率が低くなることだ。 例えば2022年に公開された興行収入10億円以上のアニメ映画では、女性アニメーター数は全体の58%と過半数を超えたが
エンタテイメント企業IGポートのグループ会社マッグガーデンと出版契約を結んでいたマンガ家ヤマザキコレ氏が契約を清算し、ブシロードワークスに移籍する。IGポートはブシロードワークスと合意書を締結し、契約清算の補填金2億円をブシロードワークスより受け取る。 IGポートは2024 年5月期第3四半期にこれを特別利益に計上する。また2023 年7月に公表した中期経営計画では、ヤマザキコレ氏のヒット作である『魔法使いの嫁』は休載を前提に計画していた。このため出版事業への業績への影響は軽微になる。 ヤマザキコレ氏は2013年にマンガ家デビュー。マッグガーデンのマンガ誌「月刊コミックブレイド」で連載開始した『魔法使いの嫁』でブレイクした。累計部数は1000万部を超えるヒット作だ。主な活躍の場をマッグガーデンの雑誌やウェブサイトとしていた。 2016年にはOVAとして初アニメ化され、IGポートグループが出
東宝グループでフィルム現像や編集などを行ってきた株式会社東京現像所が、2023年11月30日に全事業の終了を報告した。1955年に設立の老舗企業が68年の長い歴史を閉じた。 事業終了の理由は、映像技術の大きな変化だ。東京現像所が長年、主要事業としてきたフィルム現像は、映像のデジタル化と共にほぼ姿を消している。劇場上映用デジタルデータ(DCP)制作や編集、ポストプロダクション、デジタル映像による色彩調整(DI)などに事業の軸を移したが、東宝グループの中では他企業と重複する部分もある。そこで現在の事業の多くを終了し、または関連企業に移管することで再編することになった。 DCP制作は、2023年3月31日にすでに終了している。そして映像DI事業、映像編集事業は11月30日で終了、12月1日よりTOHOスタジオに移管される。 そのなかで大きな関心が集めていたのが、東京現像所が顧客から預かっていたフ
日本のアニメやマンガのカルチャーを世界に届ける企業である株式会社Tokyo Otaku Mode(トーキョー・オタク・モード)が、出版大手の小学館のグループ会社になった。2023年11月21日、小学館はTokyo Otaku Modeの発行済の全株式を取得、同社を完全子会社化したと発表した。 これに合せて小学館代表取締役社長の相賀信宏氏が、Tokyo Otaku Modeの取締役会長に就任する。このほか取締役1名、監査役1名が小学館より派遣される。同社の創業メンバーである代表取締役社長の小高奈皇光氏、取締役副社長の安宅基氏は現職にとどまり、引き続き経営に携わる。 小学館、Tokyo Otaku Modeとも非上場企業のため株式取得価額やTokyo Otaku Modeの業績については開示されていない。また株式取得先についても言及はない。 Tokyo Otaku Modeは2011年3月に立
11月2日に発表された2024年第2四半期決算でアニメ事業の好調ぶりが際立ったKDOKAWAだが、今後の事業拡大でもアニメ重視を強く打ち出す。11月2日には、2024年3月期から2028年3月期に向けた中期経営計画も発表されたが、このなかでアニメを成長ドライブのひとつに位置づけている。 KADOKAWAは世界的な映像配信の普及によりアニメIPの需要は拡大を続けており、さらにそれがマンガや小説、商品、イベントといったアニメ周辺分野の世界的な需要も広げているとする。そこで海外でもメディアミックス展開をすることで、この分野の事業拡大を目指す。 一方でメディアミックスからの収益となると、より幅広い分野でアニメ作品の窓口権を持つ必要がある。そのためには、製作出資にもこれまで以上に多くの金額を投じることになるだろう。 実際にKADOKAWAは今回の中期経営計画で、権利ビジネスの強化を打ち出した。まずは
アニメの大手東映アニメーションの2024年3月期の業績が当初予想を上回りそうだ。2023年10月24日に東映アニメーションは、連結業績予想の第2四半期と通期の見通しを変更しした。いずれも今年5月に発表した数値を上回る。 第2四半期は連結売上高は390億円から461億円に18.2%引き上げ。営業利益は97億円から113億円、経常利益は98億円から138億円、当期純利益は65億円から102億円に、それぞれ引き上げられる。 さらに通期連結売上高は720億円から820億円に、営業利益は175億円から190億円に、経常利益は178億円から200億円に、当期純利益は120億円から135億円に見通しを変更した。通期については、第2四半期に較べて変更幅は小さくなったより慎重な予想になっている。 24年3月期の予想は、『ONE PIECE FILM RED』や『The First Slam Dunk』の大ヒ
世界のコミックスとマンガ市場は、依然と成長を続けているようだ。米国のポップカルチャービジネスの調査会社ICv2は、ニューヨークコミコンの開催に合わせて2022年の北米のコミックスとグラフィックノベルの売上げ推計を発表した。 ICv2の調査によれば2022年のコミックスとグラフィックノベル(日本マンガを含む)の売上げは21億6000万ドル(約3200億円)で、前年から4%増加した。これは21年の20億7500万ドルを超えて過去最高の水準となる。 2022年の伸び率は小さいが、2021年は前年比62%増と急成長した後だけに、引き続き高水準を維持してさらに拡大したと言っていいだろう。北米のコミックス/グラフィックノベル市場の好調を印象づけるものだ。 2021年の市場の高い伸びは、コロナ禍での巣籠り需要が大きな理由されている。ICv2は2022年の堅調について、この時期の新たな消費者が引き続き購入
『いきものさん』の製作で多くの人が驚いたのは、東映アニメーションがそれを担当することだろう。世界的なアニメーション作家である和田淳さんと巨大なアニメ製作会社はいかに結びついたのだろう。 作品を担当した東映アニメーションの高田伸治さんと企画を持ち込んだニューディアーのプロデューサー土居伸彰さんに、『いきものさん』が制作された理由、作品の反応などを伺った。 [聞き手:数土直志] ――『いきものさん』の企画がなぜ成立したのか、なぜ作品が作られたのか、そういった話をお伺いできればと思います。最初に『いきものさん』を企画・制作をされているニューディアーとはどういう会社か教えてください。 土居伸彰(以下、土居) アニメーションに関して、配給や製作、映画祭運営や執筆などさまざまなかたちで“紹介”を行う会社と僕は言っています。2015年に海外アニメーションをする会社として立ち上げたのですが、現在は日本の面
バンダイナムコフィルムワークスは、2023年9月1日にマンガ投稿プラットフォームの運営や縦スクロールマンガの制作のエコーズを完全子会社化すると発表した。バンダイナムコフィルムワークスはこれまでもエコーズに出資しており、今回は同社がエコーズの残りの株式を追加取得した。 株式譲渡は8月31日付で完了し、完全子会社とした。また9月1日付でバンダイナムコフィルムワークス常務取締役の佐々木新氏が新たに代表取締役社長に就任した。これまで代表であった塩谷寛氏と芹田治氏は取締役として、引き続き経営に携わる。 エコーズは2012年に、クリエイションとマーケティングを融合させたIPプロデュースカンパニーを掲げて設立された。2013年にスタートしたマンガ投稿サイト「マンガハック」が成功し、オリジナルマンガの投稿数で日本最大規模になっている。 2019年にバンダイナムコグループが実施したスタートアップ企業のビジネ
2023年12月15日、スタジオポノックの6年ぶりの長編映画・百瀬義行監督の『屋根裏のラジャー』が全国公開される。『メアリと魔女の花』で日本の長編アニメの王道を示したポノックだけに、その最新作は待望と言っていいだろう。 当初は2022年夏としていた公開予定をよりじっくりと作るためとし1年半の公開延期もした本作、いったいどう仕上がるのか。そんな気になるなかで8月21日、東京・千代田区の帝国ホテルで、製作報告会見が開催された。 まず挨拶に立ったのは、プロデューサーを務める西村義明氏と百瀬義行監督。企画と作品完成目前までの苦労などを語った。 『屋根裏のラジャー』の原作は英国の作家A・F・ハロルドの『The Imaginary』である。主人公のラジャーは少女アマンダが生み出した空想の少年で、アマンダの想いがなくなると消えてしまう運命にある。 西村プロデューサーは『メアリと魔女の花』完成後に、本作に
マンガ原画・関連資料の保管を目指す新団体「一般社団法人マンガアーカイブ機構」の設立が発表された。団体は2023年5月1日にすでに立ち上げられており、本部は秋田県の横手市増田まんが美術館内に置かれている。 代表理事を横手市増田まんが美術財団の大石卓氏、業務執行理事を京都精華大学の吉村和真氏、そして理事を熊本大学の鈴木寛之氏と講談社の森田浩章氏が務めている。出版社、美術館、大学と広い連携を取る。 マンガアーカイブ機構の目的な、国内の商業マンガの雑誌・単行本、その原画や関連資料を保存し、次世代に継承していくことだ。こうした資料が近年、散逸しつつあることへの危機感が背景にある。出版社やマンガ関連施設が協力することで、収蔵スペースの早急な拡大を目指す。 機構では「アーカイブ有識者会議」を設置し、原画収蔵と整理を実施する。また秋田県横手市の建造物を活用することで原画収蔵能力を強化する。さらに京都におい
国内最大手のアニメ制作会社東映アニメーションが、中国現地法人を通じて中国向けの新作アニメの製作に乗り出した。製作にあたっては、中国の大手IT・エンタメ企業テンセントと手を組む。 2023年8月8日に上海で開催された「Tencent Video Animation Festival 2023」で製作発表されたのは、中国語のタイトルで『花仙子之魔法香対論』。1970年代、80年代の世界で人気を博した『花の子ルンルン』からインスパイアされた作品となる。 製作は東映アニメーションの中国現地法人の東映動漫(上海)とテンセントグループの映像配信プラットフォームのテンセント・ビデオ(Tencent Video)になる。 東映動漫(上海)は2020年に、中国に根差したコンテンツ開発を目的に、東映アニメーショングループが80%、中国の上海東今企業管理諮詢有限公司が20%の出資で設立された。『花仙子之魔法香対
2023年7月28日、東映アニメーションは2024年3月期第1四半期の決算を発表した。連結売上高は198億8400万円(10.1%増)と第1四半期としては再び過去最高を記録した。 好調だったのは版権事業と商品販売事業で、いずれも前期に大ヒットした『ONE PIECE FILM RED』、『THE FIRST SLAM DUNK』、『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』などの劇場映画関連の影響が大きかった。版権事業は売上高97億9300万円(2.4%増)、商品販売は24億100万円(348.7%増)だった。 映像製作・販売事業は、5.2%減の72億8300万円。大型映画の公開がなかったこと、テレビアニメの作品数が減少したことで、劇場アニメとテレビアニメの売上が落ち込んだ。海外向けの映像販売でも映画『ドラゴンボール超スーパーヒーロー』の海外上映権販売の反動減があったが、映画『THE FIRST
『CLANNAD』や『AIR』などビジュアルノベルの分野で多くのヒット作を持つビジュアルアーツが、中国の大手ゲーム会社テンセントの傘下に入ることになった。2023年7月27日、ビジュアルアーツの公式サイトにて、同社代表取締役の馬場隆博氏が明らかにした。創業者の馬場家が保有する株式をテンセントに譲渡、テンセントはビジュアルアーツの全株式を取得する。 ビジュアルアーツは1991年に大阪市で創立、33年の歴史を持つ。ビジュアルノベルと呼ばれるストーリー性を重視したゲームを得意とする。「Key」ブランドを軸に『Kanon』、『AIR』、『CLANNAD』、『Angel Beats!』など数々のヒット作を生み出してきた。作品の多くはアニメ化もされ、熱烈なファンを多く持つ。現在はアニメーションやキャラクターなど幅広い分野に進出する。 株式譲渡に伴い現社長の馬場氏は社長を退き、当面の間は相談役としてサポ
映画会社の東宝は、2023年8月1日付で映画マーケティング・宣伝の株式会社ガイエを完全子会社化することと明らかにした。7月18日に経営会議で決議、19日には株式譲渡契約を結んだ。 現在、ガイエの株式は、ITメディア企業のカカクコムが全て保有している。東宝は全株式をカカクコムから取得する。譲渡価格は非公表。 ガイエは1997年設立の宣伝会社で、映画やテレビ番組を中心にエンタテインメント分野を得意とする。特にオンラインメディアやSNSなどのインターネット分野に強みをみせる。国内外のアニメーション作品のプロモーションも多く手がけてきた。 経営的には、2018年に複数のオンラインメディアを保有するカカクコムの子会社となっていた。映画情報メディア大手の映画コムとのシナジーも期待したものだ。 2023年3月期の売上高は9億4500万円。営業利益は4200万円、当期純利益は3900万円。22年3月期、2
アニメやマンガ、ゲームグッズの大手流通チェーン アニメイトが、2023年夏に米国ロサンゼルスに新店舗をオープンする。animate USAが、このほど明らかにした。詳しいオープン日時は、調整中とのこと。 場所はロサンゼルス郡の南西部、トーランス地区にあるショッピングモール「デル・アモ・ファッションセンター」になる。トーランスは治安がよく、日本企業や日本人が多いことでも知られている。 デル・アモ・ファッションセンターは広さ23万㎡と、全米有数の巨大ショッピングセンターとして知られている。メーシーズやノードストロームといった百貨店をはじめ、数多くの有名ショップが軒を並べる。人が多く集まる地域での相乗効果も期待することが出来そうだ。 アニメイトは1987年創業のアニメやマンガ、ゲーム、キャラクター関連グッズ販売の最大手だ。国内に120店舗以上を持ち、年間売上高は650億円にもなる。アニメファン、
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