2月25 サーキュレン 有機化学では数限りない分子を取り扱いますが、中でもベンゼン環は基本というべき存在であり、これがあることでこのジャンルはぐっと奥深さを増しているといえます。このベンゼン環をつないだだけの分子も、すいぶんたくさん作り出されています。 ベンゼン環の六角形が辺同士でつながり、全体として環になった分子を「サーキュレン」と称します。多角形を、ベンゼン環がぐるりと取り囲んだ分子と表現することもできるでしょう。サイズを表現するときには、ベンゼン環の数を先頭につけて、[n]サーキュレンという書き方をします。 20世紀中に合成されたサーキュレンは、n=5,6,7,12の4種類です。ベンゼン環5つのものはコランニュレン、6つのものはコロネン、12個のものはケクレンという名がついています。これらは、何度か本サイトでも取り上げています。 この後しばらく、サーキュレン類の新顔は登場していなかっ