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装丁を味わう
fujinumayasuki.hatenablog.com
地域医療において,複雑度の高い,対応の難しいいわゆる困難事例に対応することは,地域基盤型プライマリ・ケア担当総合診療医=家庭医としての重要な仕事です。 この何年かの間に様々な地域や集まりで,地域の難しいケースに関して,家庭医として相談にのることががありました。で,医師や医師グループの知識,技術,態度,価値観,慣習などにより事態が複雑になっているというパターンをかなり発見しました。いくつかの類型に分類し,これらを医師誘発性困難事例と密かに呼ぶようにしています。 医師誘発性困難事例のパターン 1.健康問題が複数で,つまり多疾患併存状態で,それぞれの疾患に対して担当医がいるポリドクターの状態。情報が散逸して,しかもだれが最終的にまとめ役になるのかがはっきりしない場合 2.現在の担当医が訪問診療を行っていないため,「通院することがリハビリになる」という謎の論理を主張し,在宅ケア移行を先延ばしている
医師誘発性困難事例についてのエントリーとは逆のベクトルのエントリーです。では、困難の元にならない医師の体質を考えてみます。 このことを考えるときに、真っ先に思い浮かぶのは、ロチェスター大学家庭医療学教授のRonald Epsteinが1999年にJAMAに発表したMindful Practitionerに関する論文です。現代において、マインドフルネスというと、ややスピチュアルな印象を持たれるかもしれないですが、この論文は違います。当時医療事故防止はどちらかというとシステム論やFool's Proofという、まあ、事故はシステムの問題で個人の問題ではないという流れがはじまったところでした。しかし、Epsteinは、事故をおこしにくい体質の医療者をどうそだてるかということで、Mindful Practitionerというコンセプトを提示したのでした。おおよそEpsteinのいうMindful
ふたたび、家庭医ってなんですか? いいかげんもう定義云々はやめにしたいが、日本では今後おそらく以下の仕事をする医師が家庭医と呼ばれることになるだろう。 *診療所あるいは病院において非選択的プライマリ・ケア外来診療を行う *在宅ケアチーム及び地域包括ケアチームに属し医学的管理を行う *地域ベース、あるいは一定の限られた人口集団に対して保健予防活動を行う 上記3つは家庭医療の実践表現型である。 そして、いま議論されている「総合診療」がもしジェネラリストが行う医療(generalist medicine)の総称するとするなら、家庭医療は総合診療の派生型のひとつといえるだろう。ちなみに日本において総合診療の英語名として、general practiceやgeneral medicineが使われることがあるが、諸外国では前者は家庭医療、後者は総合内科を示す用語であることは知っておきたい。 それで、家
*まず、はじめに 中年以降~初老期にどんなスタイルのプライマリ・ケア医や家庭医になるかについて、意識的にならないとヤバい医者になりかねない。こうした感覚は実感としてわかる。 勢いだけでUptoDateが保てなくなってきた年齢からが、ほんとうのプロフェッショナルとしての勝負どころだと思う。以下すこし自戒もこめて記述してみる。 注:なお、この文章は2015年8月号に雑誌「治療」寄稿した内容に加筆訂正を加えたものである。 *ヤブ化とは 藪医者になること、「ヤブ化」の定義はむずかしい。が、現象面ではいくらでもあげることができる。たとえば、「風邪症状にかならず抗菌薬を処方する」「多弁で症状の多い患者にベンゾジアゼピン系薬剤をやたらに処方する」「製薬企業の宣伝(MRなどを経由)にしたがって新薬を発売直後から使うようになる」「症状がみなれないものだったり、経過がいままでの経験と違ってきたりすれば思考停止
地域医療研修を担当する現場の指導医のDrへの具体的な指導のコツをいくつか紹介します。 はじめに 新臨床研修制度第1期生が研修を修了してから、約7年が経過した。コア・カリキュラムとしての地域保健医療研修に関しては、見学中心のプログラムは不評であり 、積極的に診療や、チーム活動に参加するプログラムは好評のようである。これは成人教育原理からすれば当然のことであろう。この論考では、診療所を中心とした研修において、よく耳にする指導上の疑問を取り上げ、アドバイスを試みてみる。さらに地域保健医療研修の意義を高めるための視点を提示する。これらは、診療所研修においても保健所研修においても適応可能である。 疑問1「将来循環器外科医になる予定の研修医が診療所に1ヶ月やってきますが、診療所医療には関心が無いようです。何を教えればいいのでしょうか?」 学習者は、自分の将来像に直結するような課題には、熱心に取り組むも
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