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二重写しの視界 - 傘をひらいて、空を
彼のあいさつを聞いて、堂々としている、と私は思った。とても、堂々としている、このひとはまるで、失... 彼のあいさつを聞いて、堂々としている、と私は思った。とても、堂々としている、このひとはまるで、失敗したことがないみたいだ。 彼はずいぶんと名のある企業から、若いうちに裁量を与えられたくて転職してきたというのだった。いかにもさわやかな様子だったので、お酒の席で、久々のヒット、などという女性たちもいた。マキノさんはどう、と訊かれて私はあいまいに笑い、首を横に振った。どうしてと訊かれて、私は、はじらいのない 人は、なんだかいやだ、と思って、でも言えないから、だって、年下でしょう、とこたえた。いくつも変わらないじゃない、マキノさん古いんだから。そう言われて私はもう一度、あいまいに笑った。 ほどなく、彼に関する噂を聞かなくなった。みんなそれに飽きたのだ。でも私は飽きなかった。彼のたたずまいはどこか奇妙な余韻を感じさせた。それは決して快い感覚ではなかった。彼は相変わらず、ひどく堂々としていた。 彼は七
2011/07/26 リンク