筑波大学名誉教授 中 川 八 洋 トランプ大統領は、3月8日(ワシントン時間)、北朝鮮の金正恩と五月末までに首脳会談を行う旨を明らかにした。安倍晋三はこの直後(日本時間、3月9日午前)、トランプ大統領と電話協議を行い、その内容要旨を記者団に語ったが、この時、安倍晋三は肩をがっくり落とし顔面蒼白だった。 トランプ大統領の、金正恩との首脳会談発表は、3月6日に韓国の文在寅が金正恩と首脳会談を(四月末までに)行うとの発表に続くもので、まさしく日米韓三ヶ国同盟における「日本抜き」いや「安倍外し」が確定した瞬間ともいえよう。金正恩は、経済制裁包囲網の中核である日米韓に見事な楔をぶち込むことに成功した。 これはまた、「世界が連携した経済制裁をすれば、北朝鮮を非核化に追い込める」と吹聴し主導した安倍晋三の「経済(経済制裁)オンリー外交は、軍事力に優る」という、余りに幼児的発想が破綻した瞬間だった。安