エレベーターの「閉」ボタンというものは、あれは国により存在していない場合があるそうで、それにからめた文明論のような文章を以前どこかで読んだことがある。細かいところは忘れてしまっていて恐縮なのだが、まず日本では、あれは「閉」ボタンを押すべきものだということになっている。エレベーターに乗ったあと、漫然と扉が閉まるのを待たずに、むしろ一刻も早く「閉」ボタンを押さねばならない。目的階に向かって早く着かねばならないと考えているのだが、海外、某ヨーロッパの先進国ではまったく異なる。人々は、たったそれだけの時間を節約しても仕方がないと考えていて、だからエレベーターには最初から「閉」ボタンなどない。 申し訳ありませんでした確かにその通りで私たちはたった数秒の時間に我慢できないバカでイラチでオッチョコチョイな国民ですごめんなさいごめんなさい、と平謝りに謝りたくなるところだが、まあ、この手の文明論にたいてい言