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アカデミー受賞作
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うちの子供が厨二になったけど…… 厨二期の子供がいる知人から、個人的な相談をうけた。 相談の要約: 「子供の厨二的な趣味につきあって、理解したり、共感をしたりした方がいいのかい?」 おいらの返事: 「やめとけ」 「『他人からは理解され難いものがある。でも、自分はその良さを知っている』というのが、厨二期のアイデンティティ。他人が、むしろ親だからこそ、中途半端に理解や共感を示されると、よけいに拗れる」 大人の役割ってものがある サービスで、追加のアドバイス。 「ただし、その趣味を知っておくことは、悪いことではない」 「知っておいた上で、中途半端な共感や理解を示したくなるのをグッとこらえて見守る。それが、親というより大人の役割」 「見守る」って楽じゃない 診療の場面。「見守る」ことが必要な場面でも「見守れない」人が時々いる。 「待つ」とか「見守る」とか、そういった行為は受動的に見えて、ものすごく
原作の感想はこちら(但し、画像) 原作の小説は、少し前に読み終えてた。その時の感想が、こちら。 Netflixにあったので、ようやく映画の方も視聴できました。 容疑者Xの献身 スタンダード・エディション [DVD] 出版社/メーカー: ポニーキャニオン 発売日: 2009/03/18 メディア: DVD 購入: 6人 クリック: 136回 この商品を含むブログ (243件) を見る リンク先は、amazonさんの方だけれど、細かいことは気にしないように。 映画を見て驚いた 予想以上に、良い作品だったので、正直驚いてしまった。原作からの映画化作品としては、満点に近い点数をつけたい。 「理論的/論理的に『正しい』ことに基づいた行動は、常に正しい結果を生む」と信じている人間の悲劇 おいらにとって、「容疑者xの献身」というのは、そういう物語です。 CMで見たり、レビューなどで指摘されている「堤真一
とあるブログ(?)記事を読んで、モヤモヤした気持ちになった 誰のどの記事かは、ご想像にお任せ ものすごく、医療に対する要求が高いのかなぁということだけは感じた。 患者さんや家族とお話をしていても、「勝手に期待して、勝手に裏切られる」思考パターンの人は少なからずいる。自分の場合、「医療に魔法を求める人」というカテゴリーに分類している。 この思考パターンが、「勝手に事実だと信じて、勝手に間違っていると非難する」というレベルまでグレードアップしちゃっている人もいる。しかも、前半部分は自己完結しているから、いきなり後半の「非難する」部分をこちらにぶつけてきたりする。だから、話をしていても、お互いの接点を見つけて妥協して解決方法を探していくという作業がものすごく難しくなる。 こんな風に考えられるのは「自分の中の正しさ」に心の拠り所を置きすぎているんだろうなぁと、勝手に思っている :-p 前から、「い
「認知症」と「うつ病」の鑑別って、よく聞くけれど…… 自分の場合、 「認知症は、器質性精神障害の一つ」 「うつ病は、内因性精神病」 こんな風に捉えている。 だから、「認知症に合併したうつ病」という表現には違和感を覚えてしまう。 「認知症をベースにした精神症状としての抑うつ」はあり。当然、「抑うつ」だけじゃなくて、「妄想」があってもよい。 元気のない高齢者はうつ病? 認知症? 元気が無い高齢者の状態の原因を「脳の器質性病変による自発性低下」と考えるか、「抑うつ」と考えるのか。高齢者の抑うつ(?)を診察する時には、このあたりに注意して診察をしているつもり。 だから、画像検査は欠かせない。時には、脳内の小さな病変が行動に大きく影響を与えることもあったりするから、油断できない。 うつ病の「抑うつ」って、何よ? うつ病の「抑うつ」って、どう説明すればよいのか。時々思い出すのが、10年位前に聞いた、と
「自分本来の状態」とは…… (軽)躁状態を経験した人は、それが「自分本来の状態」と思ってしまう。 その時期の自分が病的であると説明されても、否定されたようにしか感じられない。 受け入れられない。 当然、医療者の言うことを信じることができない。 だから、治療への導入が難しくなる。 moberg trusts nobody / dickuhne 上手くいかないと抑うつになる (軽)躁状態を経験した人が、本当の定常状態になった時。 調子が良かった(と思っていた)時に比べて「上手くいかない or できない」と自己評価を下す。 その評価に、自分で落ちこむ。 落ち込むから、自分は抑うつであると判断する。 「抑うつ状態を脱する薬」を欲しがる。 こういった時に「抑うつ状態とは何か」という話し合いが必要になる。 「『抑うつ状態』とは何か」という答えが自分の中に無いと、余計に話し合いは難しくなる。 Two L
ちょっと気になったブログ blog.livedoor.jp 昨日、自分のTL上で話題に取り上げられることが多かったブログ。簡単にまとめることもできないので、未読の人は一度読んでみて欲しい。わりと「正しい」内容で、よく考えられている。 もし、自分がこの相談相手だったら…… ブログ記事で取り上げられている投稿を書いた、息子の行動に悩むの母親の相談に対応する立場であったらどうなのか。目の前の母親に向かって、どんなことを語るのか。 これは、簡単な話ではない。 「正しく」考えるのは必要なんだけれど、「正しさの運用」についても考えないと…… 「正しさの運用」 忘れちゃいけないのは、まだ高校生の息子を支えるのも、家族であるという点。 「正しい理論」で叩きすぎて、親も周囲の人間も「私はダメな母親(父親)だから何もできません」と認識し過ぎちゃったら、この家庭全体はどうなっちゃうのか。 もう少し自分の立場に寄
「考える」人は追いつめられる 「ものすごく考える人」の思考って、刃物に例えると、むちゃくちゃ切れ味の鋭い剃刀とか、鍛え上げられた日本刀とか、それくらいの破壊力(?)がある。ところが、一般的な生活の範囲では、100均のハサミやカッターくらいの刃物で十分事足りてしまう。というわけで、そんな破壊力があっても、完全にオーバースペック。 Straight razor / rpscott123 「ものすごく考える人」は、一生懸命使えるようにした威力のある道具を思うがままに使えない不自由さに耐えなければいけない。 元々、「考える」人は、自分の感じる不自由さを打破するために思考を鍛えあげることを選んだ人だったりするから、この不自由さのストレスは半端なモノじゃないはず。 この自己矛盾というか、自縄自縛というか、とにかく苦しい状況が、「考える」人を追いつめていく。 「考える人」を助ける 「考える」人を追いつめ
「その薬で、私を眠らせるつもりなんでしょう」 精神科の治療場面。状態の悪い患者さんに、薬を飲むように話をすると「その薬を飲んだら、眠たくなりますか?」、「眠たくなる薬は困ります」等々、「眠たくなる」という理由で敬遠されたり、拒否されたりする。 いや、「眠ってもらうために」薬を飲んでもらうんですけれど…… 強い症状で困っている患者さん。その頭の中は、猛烈に考えている。 このレベルで「考えている」と、頭の中にかかっている負担は、普通に考える以上の負担が頭の中にかかっている。診察しながら、精神状態を見立てている間にも、負担に耐えかねた頭の悲鳴が伝わってくる感覚さえ覚える。 だから、無理矢理にでも考えることを一旦中断させようと、治療として考える。それには、「薬を飲んで眠ってもらう」のが一番。 眠らせる目的の薬物療法は、必要なものであり、十分に妥当なものだと信じている。 いわゆる大うつ病のような病態
始まりは、このツイートから 最近、「相棒」シリーズを最初から見直している。右京さんって、結構キレているよね。ちょっと、そんなことを思い出した。 : キレない大人になるために http://t.co/3XqEurCzdH— psykoma (@psykoma) 2015, 3月 23 他の精神科医の人が書いているブログを読んで、ちょっと思いついたことをツイート。 杉下右京さんのキレかたというのは、理性で抑え込んだ感情が処理しきれずに爆発しているという印象。曖昧なものを、きっちりとした枠にはめ込んでいく作業の中でのストレス。右京さんは頭が言いだけに、正確できちんとした枠を作ろうとするから、枠自体は緻密なんだけれど、サイズが小さい。— psykoma (@psykoma) 2015, 3月 23 ちょっと言い足りないような気がしたので、自分自身の頭の中で補足したことを、もう一度ツイート。 今日も
「躁状態」という評価 「躁状態」という評価は、安易に使われやすい。 調子を崩しかけて言動のコントロールが効かなくなってきた統合失調症の患者さんに対して、コメディカルの人が、わりと「躁状態になってきてます」と評価する。 「この患者さんは、いつから躁鬱病になったのか?」と突っ込みたくなる気持ちをぐっと堪える。(自分が指導する立場にある研修医が相手ならば、かなりツッコミ倒すのだが……) そう評価している人は、過活動(傾向)に対する評価として「躁状態」という言葉を使っている。「躁状態」の根本には、「気分の高揚」が根底にあるはずなんだが。 もちろん「脱抑制」的な振る舞いと、「気分の高揚」を区別するのが難しいのも確か。ただ、素人が評価しているんじゃないんだから…… 安易に「躁状態です」なんて言われるより、「他の患者さんに絡むことが多くて、落ち着きがありません」とか、「以前に比べて、よく話しかけてくるん
IQ170の少年 アスペルガー症候群で「アインシュタイン」を超える14歳のIQ170少年 記事によると、この14歳の少年は大学院で量子物理学研究の研究に励み、企業活動、著作活動も行っているとのこと。これだけみると、IQ140の能力を活かした、素晴らしい人生を送っているようにみえる。 一方、記事の後半にはこういった記述も…… リンク先の記事からの引用 母親であるクリスティン・バーネットさんは、ジェイコブくんはすべてを簡単にこなしているように見えるかもしれないが、決してそうではないと語っている。アスペルガー症候群を克服するために、毎日一生懸命努力しているのだという。 あぁ、そうなんだろうな。むしろ、自分が知りたいのは、彼が「毎日一生懸命している努力」の内容だったりする。 低くても、高くても…… あえて、ざっくりとした話にする。 診断基準では、IQ70未満から精神遅滞と診断することになる。 IQ
堺雅人が精神科医のドラマが始まる 堺雅人、天才精神科医に!日テレ連ドラ初主演で「花子とアン」脚本家とタッグ - シネマトゥデイ 上記記事からの引用 堺演じる大学病院に勤務する41歳の主人公・日野倫太郎は、内閣官房長官を常連患者に持ち、コメンテーターとしてテレビ出演もこなすスーパー精神科医。本作は、あらゆる病める心を解きほぐしてきた倫太郎の前に、どうにもこうにもコントロールできない心を持った女性が現れ、地位も名誉も財もある何不自由ない倫太郎のこれまでの人生が狂っていくさまを、笑いと涙と恋愛を交えて描き出す大人のエンターテインメント。 この短い文章の中だけで 「常連患者」 「スーパー精神科医」 「あらゆる病める心を解きほぐしてきた」 「地位も名誉も財もある何不自由ない、41歳の大学病院勤務の精神科医」 ……、どう考えても嫌な予感しかしない…… この文章を考えたのが、脚本家ではないことを祈るばか
「共感」と「傾聴」に関するヤンデル先生のツイート 「何かつらいことがあった人、大変なことがあった人」に向けて、「わかります!」となぐさめの言葉をかけているのをよく見るが、「わかります!私も~~」となった瞬間「なんでこっちが辛い思いしてんのにてめぇのめんどくさい過去まで共有しなきゃいけねぇんだよ!」となるのが普通の人の感情です— 病理医ヤンデル (@Dr_yandel) 2014, 12月 24 辛い人を慮って声をかける場合、その人の「話を聞く」ことこそが第一であり全ての基本 自分の経験を相手にぶつけて「共感は、ありまぁす!」なんて「出しゃばってしゃべり始める」のは下品で下世話な行為だと、もっと多くの人が気づいた方がいいと思う— 病理医ヤンデル (@Dr_yandel) 2014, 12月 24 相変わらず、情報量も多くて、切れ味もあって、考えさせられるツイート。「共感」と「傾聴」について、
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