サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
会話術
sosososora.hatenablog.com
いつも行く八百屋さんで梅と目があって、たじろぐ。もうそんな時期……。小ぶりの梅に季節の移ろいを教えられる。 昨年は5キロ買って梅干しをつくったけれど、ことしは手をだしません。きっぱりと梅と自分に宣言して、梅の横に置かれている枝豆を手に取る。そういえばスーパーマーケットにはあったトウモロコシが八百屋さんではまだでておらず、スーパーマーケットには置いてなかった沖縄スナックパインが手を振っていた。 季節の変わりめ、旬野菜のではじめは大型店舗と個人商店とで仕入れる野菜が微妙にちがう。そしてそのちがいが、よい。枝豆、サニーレタス、ズッキーニ、小松菜、新ごぼう、スナックパインをもとめ八百屋さんをあとにする。 昨年4月から1年契約ではじまった外での仕事が、思いがけずいまも続いている。そのうえ今年の4月からは出勤日がそうとう増えた。思いもよらない変化であった。きっとこの変化に抗うことはできたのかもしれない
「その方とは、喧嘩をしたから今ではご挨拶もしませんのよ」 こう言ったのは、同じマンションのHさん。八七歳のご近所さんである。 絵が好きだというHさんは白髪のショートへア。八十代の女性にしては背が高く大柄であるが、ここ数年で少しばかり背中が丸くなった。物腰が柔らかく「山梨の美術館は素敵でしたよ」時折、美術館の情報まで教えてくれる上品なお人。 わたしは Hさんの言う「その方」を知らないが「へぇ〜」とか「ほぉ〜」とか言いながら聞いている。で、聞きながら思っているのだ。 人との関わりで生じる行きちがいは、幾つになってもなくならなさそうだ、と。 ご近所同士であっても、かつては仲良く過ごした関係であっても、そして、他人たるもの自分とは違うと知っているはずの大人であっても、心地よい距離感を保つのは相当難しい。 いつの日かわたしも、 「西野さんとは喧嘩したから、今ではご挨拶もしませんのよ」 こう言われる日
6月25日 「もしもし。先日そちらで靴を購入した者ですが、箱に左足が2つ入っていまして……」 この日、午前9時過ぎには家を出ないといけなかった。朝食の片づけをしながらなにを着て行こうか考える。そうだ、靴はあれをおろそう。5月中旬にもとめて、箱のまま物入れに仕舞いっぱなしだった靴を思い出した。 身支度をすませ、箱から玄関のたたきに靴を置いたそのときだ。 んっ?なんだか並びかたが気持ち悪い。形状が左右対象でないような……。なにかがおかしいと思いつつ右足を入れてやっと確信する。両方とも左足だ。 左足が2つ並んだ靴を見て、いくらのっぺりとした表情のない靴だとしても、靴屋のまちがいを疑わず自らの錯覚を疑うのだから、我ながらおかしい。 慌てて履きなれた靴に足を入れ玄関を出る。 夕方帰宅してから冒頭の電話と相成り、交換の手はずをとる。 6月26日 左右揃った靴と交換完了。店の若い女性が申し訳なさそうに詫
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『sosososora.hatenablog.com』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く