私はあまり集中力のつづく人間ではない。仕事をしている最中も、頭の中では「早く夜になってビールを飲みたいなあ」などと考えているし、物事に対して意識のすべてを注いで取り組むということがない。とにかく自堕落な人間なのだ。 ただし、世の中の何もかもが嫌で、生きていることそのものに無気力なわけではない。ごく稀に目の前のことに熱中できる瞬間は訪れる。それがほとんど生産性のあることに向かわないのが問題というだけだ。 学生時代の記憶を辿ってみても、およそ変わりはなかった。テストや部活動、運動会や文化祭といった、いわゆる王道のイベントには早々に見切りをつけて、その代わりに自分のこだわりを見つけたら、そこに無限の熱量を注ぎ込んだ。ノートの隅にクラスメイトが登場するパラパラ漫画を描いたり、ホームページを作るためにHTMLのコードとにらめっこしたりと、果たして将来役に立つのかどうかもわからないことに若い時間を費や