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おみそ汁
azusa-blog.com
寝て起きたら3月である。今日の東京の最高気温は20度を超えている。正月のインフルエンザが完治して、これでやっと健康で文化的な本年度を始められるぞ、と意気込んだのも束の間、今度は原因不明の高熱を出して1週間寝込んだ。 脳がグツグツ煮える音が聴こえそうなほどの激しい頭痛に襲われ、10年振りに救急車を呼び、救急外来と町医者と総合病院と、合計3回も医者にかかって、結局、原因は分からずじまいである。医者は相変わらず「原因不明では対処出来ない」というスタンスで、診察室の椅子でうなだれる私の悲痛な訴えが聴こえているのか、いないのか、毎度、解熱剤だけ処方する。永遠に続くかに思われた高熱は、3回目の医者で処方された「特殊な解熱剤」によって解熱された。最初に熱を出した日から実に8日が経過していた。 今思い返してみても、まるで夢だったかのように記憶のはっきりしない1週間であった。最近会う人会う人は皆、決まってひ
JR総武線を千葉方面に走っていると、御茶ノ水駅を出たところで、川の向こうにビリヤード場が見える。20時ごろ、最近知り合った歳の近い友人と2人、並んで吊り革を握り、真っ暗の車窓に映る自分たちと、その向こうに流れる都会の明かりとをぼんやり眺めていたら、御茶ノ水を発車したところで、そのビリヤード場が見えた。ちょうど他に街灯は無く、暗闇にビリヤード場の白い蛍光灯だけが煌々と浮かび上がり、数十メートル離れたこちらからでも、店内のビリヤード台とキュー・スティックがはっきり見えたので、私は、ほんの世間話のつもりで、「ビリヤードって、面白いんでしょうかねえ」と呟いた。友人は驚愕の面持ちで、「面白いです。やったこと無いんですか」。曰く、学生時代、都内で夜通し遊ぶには、カラオケか、ダーツバーか、ビリヤードの3択であったと言う。 私は、3つの内ではカラオケしかやった事がない、そもそも、夜通し街で遊ぶようなことが
20代の内に持つべき物は何か。所有品、購入品とは、限りなく個人の趣味趣向に基づいた物であって、そこに「べき」を用いること自体が不粋であるというのは重々承知の上で、どうしても、ひとつ、強く提案したい。招き猫である。招き猫とは、あの招き猫である。ラーメン屋の券売機の上に置かれていたり、定食屋のレジに座っていたりする、アレである。なぜ、店を持つわけでもない個人の、さらには20代前半の私が招き猫を持たねばならなかったのか。それを説明するには、まずは招き猫という「日常の特異点」について語る必要があるだろう。 私が生まれて初めて小説を書いたのは、15歳の時である。愛読していた推理小説に憧れて、1000文字程度の短いミステリーを書いた。作中には読者の先入観を促すような表現を入れ込んで、全体を通して「語り手は誰か」という問題を提示した。愛読書を真似た、私なりの叙述トリックであった。そして、答えを言ってしま
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