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おみそ汁
news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko
タバコが有害なのは周知の事実だが、ポイ捨てされたタバコの吸い殻はどれくらいの毒性があるのだろうか。これまでの研究から考えてみる。 小さくて軽い吸い殻の行方 先日、京都市にある私立水族館で、屋外に置いていた水槽の魚類がほぼ死んでしまったという。水槽内を調べると、タバコの吸い殻が1本出てきたということで、これが原因だった可能性がある。同水族館では一時、展示を中止することにしたそうだ。 海水浴場へ行くと、よくタバコの吸い殻を見つける。シーズンではない清掃前は特にひどい。こうしたタバコの吸い殻は、浜辺で吸われてそのままポイ捨てされたものもあるが、多くは繁華街などの街中でポイ捨てされ、それが排水口から河川を経て海へたどり着き、浜辺に漂着したものだ。 タバコの吸い殻は小さくて軽く水に流れやすいため、雨が降った後などは特に海へ流れ、浜辺を汚染する。喫煙者はよく道路脇の排水口をめがけてポイ捨てするが、その
新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)は、接触感染とともに飛沫やエアロゾルなど空気中のウイルスを呼吸で吸い込むことにより感染することも指摘されている。呼吸の入り口は鼻と口だが、鼻洗浄、いわゆる「鼻うがい」が感染リスクを下げるために効果的という指摘が出ている(この記事は2021/09/03時点の情報をもとに書いています)。 ウイルスは口や鼻から侵入する 新型コロナが感染するためには、我々の細胞上にあるACE2という受容体を足がかりにし、細胞上にあるTMPRSS2という酵素でウイルスのS(スパイク)タンパク質が切断されることが必要だ。パンデミックの当初から新型コロナの初期症状や後遺症の一つとして嗅覚異常があるが、ウイルスはACE2とTMPRSS2が両方とも発現している鼻腔などの呼吸器の表面の細胞(上皮細胞)から侵入し、増殖する場合があることがわかっている(※1)。 ところで、ウイルス性の
たばこ税増税によるタバコの値上げが話題だが、今の税制で紙巻きタバコの場合、2021年10月の増税が最後となる。タバコの価格が上がると喫煙者が減るという研究があるが、今回の値上げでどれくらい喫煙率は下がるのだろうか。 加熱式タバコの価格は据え置き 日本たばこ産業株式会社(以下、JT)は2021年7月30日、「たばこ税増税等に伴うたばこの小売定価改定の認可申請について」というリリースを出した。これによると、2021年10月のたばこ税の増税に伴い、紙巻きタバコ127銘柄、葉巻タバコ18銘柄、パイプ・タバコ3銘柄、刻みタバコ3銘柄、かぎタバコ22銘柄の合計173銘柄の値上げ申請を財務大臣に行ったという。この中に加熱式タバコは入っておらず、葉巻タバコは軽量葉巻(リトルシガー)という廉価版だ。 プルームテック(Ploom TECH、JT)、アイコス(IQOS、フィリップモリス)、グロー(glo、ブリテ
東京オリンピックが敢行される中、全国的に新型コロナの新規患者が激増している。高齢者の割合が少なく重症者や死者が少ないことから楽観視する意見も出始めているが、この状態を放置し続けて大丈夫なのだろうか。 すでに70代、80代も第4波なみ この7月31日、新型コロナの新規患者は、首都圏の1都3県の全てで過去最多となった。一方、東京オリンピックは後半に入り、観客を入れている首都圏以外の会場には選手や関係者、ボランティアを含め、多くの人が集まっている。 今は明らかに新型コロナの「第5波」となっていて、外出自粛や飲食業の制限などの感染対策と東京オリンピック開催というダブル・スタンダードが招いた、ある意味で危惧されてきた状況になっている。 ワクチン接種が医療従事者や65歳以上の高齢者で進み、そのため、感染者の割合は20代から50代までのまだワクチン接種が進んでいない世代で増えているのも事実だ。また、重症
タバコの吸い殻のポイ捨てがなくならない。喫煙者が減っているとはいえ、路上などにポイ捨てされた吸い殻はまだかなり目立つ。タバコ自体、有害物質の塊だが、それが環境中へ放出拡散した場合、どんな影響があるのだろうか。 吸い殻から毒性の強いニコチンが 我々が海岸で見かける吸い殻は、海岸でポイ捨てされたもの以外、そのほとんどは街でポイ捨てされ、下水から河川を通ってやってきた。軽くて小さなタバコの吸い殻は、ポイ捨てされると雨水で流され、風で吹き寄せられるなどして排水溝のスリットから下水へ流れ込む。その後、河川へ流れ、やがて海へいたり沖合で漂流したり海岸へ打ち上げられたりするからだ。 吸い殻には当然だがニコチン、ヒ素、鉛、銅、クロム、カドミウム、発がん性物質を含む多環芳香族炭化水素などの毒性の高い物質が濃縮されている。例えば、ニコチンは殺虫剤に使われるように毒性も強い。ヒトの大人の経口致死量は40〜60m
ガガンボという昆虫がいる。最近、ネット上でガガンボの取れやすい脚が話題になっていたが、その脆弱さ、種類、生態などについて調べてみた。 その巨大さにびっくり 夜間の照明がLEDになったせいか、昆虫が網戸に衝突してきたり、街路灯の周囲を飛び回ったりするようなことが少なくなってきた。ガガンボもそうした昆虫の一種で、以前は夜間によく室内へ飛び込んできて、バタバタと壁にぶつかったり、家族の間にちょっとした騒動を引き起こしたりすることがあった。 俳人の高浜虚子(1874-1959)にはガガンボの句がいくつかある。「障子打つ ががんぼにさへ 旅心」は、室内に飛び込んできたガガンボが外へ出ようとバタバタしている様だろう。 外へ放り出そうと、ガガンボをつまむと細長い脚がすぐにホロホロと取れてしまい、体長が数センチになる大きさに似合わない脆弱さに驚かされることもあった。再び高浜虚子の句に「ががんぼの 脚の一つ
アイコス(IQOS)などの加熱式タバコの喫煙者が増えているようだ。タバコ会社は、加熱式タバコの有害性が低いように主張しているが、それは本当だろうか。最新の研究からその真偽を探ってみた。 タバコ会社自身も認める有害性 加熱式タバコもタバコ製品の一種で、日本ではJT(日本たばこ産業)だけが独占的に製造販売できる。フィリップ・モリス・インターナショナルやブリティッシュ・アメリカン・タバコなどの海外のタバコ会社の製品は、海外で作られたものが輸入され、許可を受けて国内で販売されている。ちなみに日本政府(財務大臣)は、JTの株を33.35%所有する筆頭株主だ。 タバコ製品なので、日本の「たばこ事業法」などの国内タバコ関連法とタバコ規制の国際的な条約(FCTC)の縛りがあり、加熱式タバコのタバコ・パッケージの50%以上の面積に「注意表示」を表示する義務がある。日本も加盟批准するFCTCの第11条に「たば
新型コロナの影響で駅前などの公衆喫煙所も閉鎖され、いわゆる「喫煙所難民」という人が各地の公園などでタバコを吸い、新たな社会問題になっている。喫煙者に対するアンケート調査から、タバコと喫煙所、喫煙者の心理を探ってみた。 コロナ禍のタバコ問題 2020年4月1日に改正健康増進法が全面施行され、原則として複数の人が集まる屋内が禁煙となった。また、新型コロナの感染防止対策として感染の場になる危険性のある喫煙室や喫煙所が閉鎖されている。 改正健康増進法の目的は受動喫煙の防止だ。タバコの副流煙(吸い込んでいない時のタバコから立ち昇る煙や喫煙者が吐き出す煙)は、濃度など同条件の場合、主流煙よりも毒性が強い(※1)。日本では毎年、1年間に受動喫煙関連で約1万5000人が死んでいるとされ(※2)、新型コロナを重症化させる心血管疾患、呼吸器系の疾患、糖尿病などは、受動喫煙でも発症することが知られている(※3)
受動喫煙防止対策を盛り込んだ改正健康増進法が2020年4月1日に全面施行された。新型コロナの感染拡大が進む中、タバコを吸う人の喫煙環境が大きく変化したことになるが、やはり「喫煙所難民」の問題が大きくクローズアップされている。 議員の喫煙と「喫煙所難民」 この数ヶ月、議員や職員が議会や議員会館などでタバコを吸う問題がマスメディアに大きく取り上げられている。例えば、立憲民主党の枝野幸男党首が国会の議員会館の議員室(事務所)で喫煙して謝罪し、北海道では一部の道議が喫煙室のない北海道新庁舎で喫煙したことなどだ。 国会の議員会館には各階に喫煙専用室があるが、そこ以外での喫煙は違法だ。また、北海道議会がある新庁舎には喫煙所が設置されておらず、鈴木直道・道知事も喫煙所の設置を認めていない。だが、国会議員会館での禁煙対策の徹底について国会議員自身が及び腰だし、道議会の喫煙問題は新庁舎内の喫煙所設置をめぐっ
加熱式タバコのアイコス(IQOS)の販売手法が法令違反(有利誤認)として、消費者庁は同製品を国内で販売しているフィリップ・モリス・ジャパン合同会社(PMJ)に対し、合計5億5274万円の課徴金の納付を命じた。景品表示法違反としては過去最高額の課徴金となったが、PMJに限らずタバコ会社は嘘と欺瞞の固まりだ。 タバコ会社の違法な広告宣伝 2019年6月に同社は消費者庁から行政処分を受け、その課徴金として今回、命令が下されたことになる。消費者庁が違反を指摘したのは、アイコスに関する2016年1月から2018年3月の値下げキャンペーン広告の内容で、コンビニエンスストアのレジ横などにポップ広告を掲示し、値下げ期限を過ぎても繰り返し、これが消費者に急いで買わせるための煽るような広告表示と判断した。 これに対し、同社ホームページには、2020年6月25日の時点で謝罪を含めて何のアナウンスもない。もっとも
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19、以下、新型コロナ感染症)の流行が止まらないが、感染しないさせないためには、いわゆる「3密」が重なる環境を避けることが重要とされる。最新の研究報告では、エアコンの対流によるエアロゾル感染が報告され、新たなリスクになりそうだ(この記事は2020/04/20の情報に基づいて書いています)。 広州市に広がった新型コロナ感染症 新型コロナ感染症の感染拡大を防ぐためには、多くの人が密閉、密集、密接のいわゆる「3密」を回避することで感染しにくくなり、感染者が感染を広げない効果があるとされる。 ただ、この3つが重ならないようにすべきというが、それぞれ1つだけでも感染する危険性があるのは当然だ。そのため、室内環境では空気中のウイルスの濃度を下げ、エアロゾル感染を防ぐため、定期的な換気も重要とされる。 ところで、新型コロナ感染症は中国の武漢を
(提供:Alissa Eckert, MS; Dan Higgins, MAM/CDC/ロイター/アフロ) 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19、以下、新型コロナ感染症)の感染拡大が止まらない。このウイルス、いったいどれくらいの時間、環境中に残存し続けるのだろうか(ウイルスは「半生物」なので生存ではなく残存を使った。また、この記事の内容は2020/04/12までの情報に基づいています)。 接触感染からの経路とは 厚生労働省のホームページによれば、新型コロナウイルスの感染の経路は、大きく飛沫感染と接触感染が考えられるとしている。 飛沫感染は、感染者の飛沫(くしゃみ、咳、唾液など)と一緒にウイルスが放出され、それを感染者以外の人が口や鼻から吸い込むことで感染する。これが、感染者との接触を防ぐために可能な限り外出を控え、いわゆる「3密」を避けることが感染予防のために
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19、以下、新型コロナ感染症)は依然として収束の気配を見せないが、喫煙との関係について世界中の医師や専門家からメッセージが出ているので紹介したい(この記事は2020/03/20の情報に基づいて書いています)。 喫煙と新型コロナ感染症の関係 新型コロナ感染症と喫煙の関係が取り沙汰され始めたのは2020年2月半ばのことだ。中国の約8000例を調査した査読の付かない論文(Preprint、※1)の中で男性の患者のほうが多く(約55%)、合併症で重症化する割合も男性が高く(61.5%)、致死率も女性に比べて男性が3倍以上(1.25%:4.45%)ということがわかった。 このPreprintはすでに撤回されていて数字を見ることはできないが、高齢の男性の致死率は約10%という高さということもあり、なぜこれほどの性差があるのかという論評が行わ
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19、以下、新型コロナ感染症)が世界中で猛威をふるっているが、このウイルスはSARS(SARSr-CoV、重症急性呼吸器症候群)と同じ人獣共通感染症(Zoonosis)だ。こうしたウイルスの自然宿主(最初にウイルスにかかった生物)はコウモリとされているが、なぜコウモリ起源のウイルスがこんなに多いのだろうか。 コウモリが感染させるウイルス 人獣共通感染症はヒトの感染症の60%以上を占める。世界で毎年約10億人が病気になり、数百万人が死ぬ病気だ。人獣共通感染症では、野生生物を自然宿主にしていた病原体(ウイルス)が、家畜などの脊椎動物や昆虫などの無脊椎動物を経由し、あるいは直接にヒトへ感染して広がっていく。 ウシから天然痘や結核、ブタやアヒルからインフルエンザ、ヒツジやヤギから炭疽症、ネズミ(齧歯類)からペスト、主にイヌ(ネコやコウモ
煮干しにフグが混じった画像がネット上にアップされ、食べても大丈夫かと議論になっている。フグのサイズと食べる量にもよるが、結論からいえば食べないほうが無難だ。 強力な致死性の神経毒 フグの旬は寒い時期とされているが、てっちり、てっさ、唐揚げ、ひれ酒と美味しいフグは魅力的だ。もちろん、フグには部位によって猛毒があり、フグの調理には都道府県によってそれぞれ定められた免許や資格が必要となる(全国統一の制度ではない)。 厚生労働省の「安全なフグを提供しましょう」というホームページによると、フグによる食中毒の1年間の事件数は、ここ3年(2016〜2018年)で20件弱ずつ、死者数は3年間に1人もいないが、過去には1〜3人ほどが亡くなっている年もある。事件や死者のほとんどは家庭で発生しており、フグを釣ってきて自分で調理したり近所に配るなどして起きているようだ。 フグの毒はテトロドトキシン(Tetrodo
最近、BREATHER(ブリーザー)という企業から、カフェイン(Caffeine)を吸うデバイスとカフェイン入りカートリッジが発売された。気化させたカフェインを吸う製品だが、健康への悪影響はないのだろうか。 ヘロインとの親和性 依存性薬物であるカフェインは、その薬効をうたえば医薬品と処方され(日本薬局方)、同時に薬効をうたわなければ食品添加物として使うことができる。だが、世界的にカフェインを添加したエナジードリンクが問題視され、未成年者への販売が規制対象になっている地域もある(※1)。 そのため、厚生労働省や農林水産省は、カフェインの過剰摂取に注意を喚起し、食品安全委員会も食品中のカフェインについて情報提供を行っている。従来と異なる方法、アルコールと一緒の摂取、多量の摂取には、特に注意して欲しいとうったえている(※2)。 カフェインはヘロイン(Heroin)と親和性が高い。健康へ悪影響を及
加熱式タバコに関する生理学的な研究が徐々に増えてきている。最近、呼吸器を含む様々な細胞を使ってアイコス(IQOS)のタバコ煙からの影響を調べたという研究が出たので紹介する。 少しずつ出てきた研究結果 アイコスは、世界的なタバコ会社フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)が製造販売する加熱式タバコだ。PMIの2019年第3四半期の資料によれば、アイコス・シリーズは世界の51市場で売られている。 だが、一国全土でアイコスが売られているような国はほぼ日本だけだ。ほとんどの国で地域限定した販売許可しか出ていない。日本がアイコスに代表される加熱式タバコの実験場といわれるゆえんだが、日本でアイコスのユーザーは確実に増えている。同じPMIの資料によると、全タバコ製品における同期の日本市場でのシェアは17%で前年同期に比べて1.5ポイント増加しているという。 アイコスの健康への悪影響に関しては、製
タバコ増税の方法については議論があり、日本のタバコ税には謎も多いが、2020年度の税制改革で新たなタバコに対する増税案が浮上している。タバコ会社はあの手この手で課税から逃れ、タバコ価格の上昇を回避しようとするがどうなるだろうか。 リトルシガーとは何か 日本には世界でも珍しい「たばこ事業法」という法律がある。この法律は、タバコ産業の「健全な育成」を目指すために作られた。また、タバコの製造や販売、価格などが細かく決められ、国内でタバコを製造するのは実質的に日本たばこ産業(JT)しか認められず、外国製タバコの輸入販売も登録制となっている。 タバコ製品については、2018年度の税制改正により、たばこ税が見直され、2018年10月から2022年10月までの5カ年間で紙巻きタバコは3段階、加熱式タバコは5段階のスライド式増税が課せられている。 加熱式タバコの課税方式は、従来の重量と小売価格(紙巻きタバ
環境省は2019年10月21日、東京港の青海ふ頭においてヒアリ(Solenopsis invicta)の働きアリ300個体以上、羽を持つ女王アリ20個体、幼虫10個体を確認したと発表した。2017年6月に初めて国内で確認されて以降、現在まで14都道府県で45事例が報告され、繁殖可能な女王アリが広範囲に飛び散った危険性がある。世界各国で外来害虫になっているヒアリだが、そのせいで研究も多く駆除の方法もいろいろなものが模索されている。 アジア諸国にもすでにヒアリが侵入 米国テキサス州では1956年にヒアリが侵入し、その生育域拡大を防げなかったため、現在では1年に1300億円以上の対策予算が投じられるようになっている。ヒアリは、在来の昆虫の生態系に影響を与え、地上に営巣する鳥類も甚大な被害を生じることが知られている。すでに米国各地にヒアリは定住しているということだ。 アジアでもヒアリが広がりつつあ
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