自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件をはじめ、「政治とカネ」の問題が永田町で後を絶たない。2019年参院選広島選挙区での大規模買収事件を巡っても裏金疑惑が浮上しており、パーティーの事件と同様の問題が横たわる。なぜ裏金が横行するのか。出どころはどこなのか―。記者が追った。(「決別 金権政治」取材班) 5年前。2019年参院選で全国有数の激戦区だった宮城選挙区。衝撃の出来事は選挙戦3日目の7月6日に起きた。 密室ともいえる車の中。自民党公認候補だった愛知治郎(54)の後援会幹部男性は、応援演説に来てくれた自民党の大物政治家に代理で応対していた。愛知本人は別ルートで遊説中だったためだ。「はい、これ。お役立てください」。丁寧な口調で語りかけられた。 <関連記事>甘利氏、全国に「裏金」提供か 政策活動費が原資の可能性 端緒は河井元法相の大規模買収事件 慣れた手つきで 慣れた手つきで差し出されたのは