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2020年6月6日夕刻、小島氏は小池都知事から突然、電話で呼び出された。約1カ月後の7月5日には都知事選挙が迫っていた。 小島氏は元環境省の官僚で、小池氏が環境大臣時代に「クールビズ」を共に推進。その縁で小池氏が都知事に就任すると都の特別顧問となった。 小島敏郎氏 ©文藝春秋 現職で圧倒的に優位だった小池氏だったが、再選に向けてまだ出馬表明をしていなかった。理由は『女帝 小池百合子』(石井妙子著)が指摘していた問題にあった。 「カイロ大学から、声明文を出してもらえばいいのでは」 〈彼女はうろたえていました。原因は、ノンフィクション作家の石井妙子さんの著書『女帝 小池百合子』です。5月下旬頃から書店に並び、瞬く間にベストセラーになっていた。小池さんの半生が描かれていますが、話題を集めていたのが彼女のカイロ大学卒業の経歴を「虚偽である」と指摘している点でした。(中略)7月の都知事選での再選は間
◆疑惑の火消しに焦る小池都知事から来たメール ◆「カイロ大学声明」を書いたのは日本人の元ジャーナリスト ◆「その手は思いつかなかったわ」と都知事は喜んだ ◆工作を補佐した最側近は千代田区長に就任 「相談したいことがあるの」 その日、東京都知事の小池百合子さんから呼び出されました。向かった先は、都庁近くの新宿のオフィスビルの一室。彼女が創設した都民ファーストの会が、事務所として借りていた部屋でした。 「いったい、何だろう」 そう思いながら、足を運びました。 部屋に入り小池さんをひと目見て、非常に驚きました。憔悴し、途方に暮れた表情をしていたからです。長い付き合いですが、彼女のそんな姿を見るのは初めてでした。小池さんは沈んだ声で、こう切り出しました。 「困っているのよ……」 2020年6月6日夕刻。当時の手帳で確認しましたが、4年前の都知事選の直前です。それが、すべての始まりでした。 小島敏郎
「500万円以上」という基準 まず(1)について。処分の審査対象を500万円以上の議員(2018~22年の5年間の不記載額)とする理由だが、ぴったりの解説があった。4月2日の読売新聞。 『自民 党紀委開催へ 処分の線引き 設定腐心』 党執行部は当初は「1000万円以上」とする案を検討したという。 しかし、 《この場合、対象者は約20人にとどまる。一方、基準を500万円以上に引き下げれば、対象者は倍に増える。》 対象者が倍の「39人」に増えると何かいいことがあるのか?
東山紀之氏が今年2月、BBCによる単独インタビューに応じ、その内容を中心に「捕食者の影 ジャニーズ解体のその後」がBBCニュースで日本時間3月30日に放送された。昨年のBBC番組「J-POPの捕食者:秘められたスキャンダル」で取材に当たったモビーン・アザー記者らは、再び日本を訪れ、この1年で何が変わり、何が変わらなかったのかを取材。番組を見ると、日本のメディアとの違いが浮かび上がってきた。(執筆:ジャーナリスト・上智大学文学部新聞学科教授の水島宏明氏)
「人間の目の動きは、本を読む時とディスプレイ上の文字を追う時とでは違うのだ」 英国の名門パブリックスクール卒業者は、なぜ「本を電子書籍では読まない」のか……? ジョー・ノーマン氏は、英国最古の名門パブリックスクール(中高一貫校)であるウィンチェスター・カレッジで学び、オックスフォード大学に進学。現在は英国名門パブリックスクール専門の受験教師として活躍している。ここではノーマン氏の新刊『英国エリート名門校が教える最高の教養』(文藝春秋)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/前編を読む) 電子画面を見るな 紙の本と電子書籍のディスプレイはどう違うのか。 紙の本は安い。お風呂に落としても問題ない。紙の本でメールは送れない。紙の本に電気は必要ない。現代文明が崩壊しても、紙の本は読める。 一方、電子書籍をリーディング・デバイスやパソコンの画面で読むことの問題は、周りの何か別のものがいつでも目
サブカル評論家として知られる朝日新聞記者の太田啓之氏が断言! 「世間がジブリに対して『ナウシカ2』を求めている」と言えるのは何故か——。 映画「風の谷のナウシカ」公開40周年 映画「風の谷のナウシカ」が公開40周年を迎えた3月11日、宮﨑駿監督の最新作「君たちはどう生きるか」がアカデミー賞長編アニメーション映画賞を受賞した。受賞直後の記者会見で、「ナウシカっていうのはもう1回なにかやる可能性がありそうですか」と問われたスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーは「ナウシカをもう一度、その続きをやる気があるのかって……その機は逸しましたね」と話した。その一方で、鈴木氏は「君たちはどう生きるか」の受賞理由として、「要するに『時代性』っていうことですよね」「映画の基本は『なんで今のこの時代にこの作品が必要なのか』それをちゃんと考えるところ」とも発言している。この発言に引きつけて言えば「ナウシカ漫画版
被害総額60億円と言われている広域特殊詐欺事件、通称「ルフィ」事件。実行犯となった若者たちはなぜ、日本を震撼させた犯罪に手を染めてしまったのだろうか? ここでは、実行犯たちの素顔に迫ったルポルタージュ『「ルフィ」の子どもたち』(扶桑社新書)より一部を抜粋。「かけ子」として特殊詐欺に加担し、SNS上で「ナミ」と呼ばれていた熊井ひとみ被告。「名士」の子女とされていた彼女が、犯罪に関わるようになった経緯とは――。(全2回の1回目/2回目に続く) ※本文中の敬称等は略し、年齢、肩書などは原則的に事件当時のもの 写真はイメージです ©アフロ ◆◆◆ 「熊井さんちのお嬢さん」と呼ばれていた 寺島と同様に「ナミ」と呼ばれた女がもうひとりいる。 空港で、フラッシュの放列のなか、オーバーサイズのパーカを目深に被り、腹部を気にするそぶりをみせつつ、ゆっくりと歩いていた女、熊井ひとみだ。 東京・三鷹市に生家があ
『アメリカは自己啓発本でできている ベストセラーからひもとく』(尾崎俊介 著)平凡社 億万長者になりたい、ビッグな夢を叶えたい。書店のベストセラー上位の常連分野が自己啓発書だ。だがそれを新聞の書評欄で見ることはない。自己啓発書は好き嫌いが分かれ、距離をとる人も多い。とはいえ、その背景はいったん偏見を抜きにして知りたくはある。 自己啓発書は、18世紀の末にアメリカで発祥した分野。本書は自己啓発書の主なベストセラー書に触れながら、そのルーツや変遷を探求していく。ここでは3つのポイントを抜き出し、本の内容に触れてみたい。 まず、アメリカにおいてセールスマンが特別な存在という指摘が興味深い。自己啓発書の著者にはセールスマン出身者が多い。これは読者が誰かという問題でもある。誰もが歌手やスポーツ選手になれるわけではない。だが有能なセールスマンは、平等に夢が持てる職業。そして、研究者やコラムニストの言う
1990年代から2000年代前半にかけて一世を風靡したコギャルブーム。あれから20年以上が経った今、ギャルブームが再燃し、雑誌やSNSなどでは「小学生ギャル」が登場している。中でもSNSで話題なのが、「小学生ギャルカップル」のりゅあさん(11)とちゅけくん(10)だ。 今回は、お2人とその両親に、小学生カップルとしてSNSで発信し始めたきっかけや令和のカップル事情、SNSに寄せられた心無い声などについて詳しく話を聞いた。(全2回の1回目/続きを読む) ◆ ◆ ◆
無防備な護衛艦いずもを悠々と撮影した、挑発的な中国ドローンの映像 3月26日、中国の動画投稿サイト『bili bili動画』に「我开飞机降落日本航母(不是游戏!!!」(私は飛行機を操縦して、日本の空母に着艦した。ゲームにあらず!)という挑発的な題名の動画が投稿された。 現在は削除され、X(旧Twitter)に転載された動画が残るのみだが、わずか19秒の動画ではドローンが海上自衛隊最大の護衛艦いずもを後部甲板から前部甲板へ飛行したように見えるものとなっている。 もし事実であれば、従前より危惧され、米国でも頻発しているドローンの軍事施設への接近事態が発生したことになる。実は航行中の米艦隊や米本土の空軍基地に不審なドローンが接近する事案が頻発しており、挙句の果てにはエアフォースワンにまで接近された例があるなど、当局も対応に苦慮しているのである。 民生小型ドローンは運搬できる炸薬が少なく、脅威では
A トロントは居心地のいい場所のようです 前回のこの欄で周庭さんについての質問に答えたときは、実は周庭さんに会う直前でした。テレビ東京での独占インタビューのためにトロントに行く直前で、それ自体を秘密にしなければならなかったので、その時点で回答できるギリギリの文章になってしまいました。実際に会えたので、そのときの様子を答えますね。 彼女がいるのはカナダのトロント。行ってみてわかったのですが、トロントの街は実に多様な人たちが住んでいます。とりわけ目立つのが中国系とインド系でした。多くの中国系の人たちが行き交うので、周庭さんが街を歩いていても目立たないのです。これは意外でした。街の人たちは周庭さんに気づきませんし、周庭さんも「気づかれることはありません」と話していました。トロントの街は彼女にとって居心地のいい場所のようです。
▶高市早苗&小林鷹之 新旧経済安保相が連続告白 「私はLINEを使いません」 ▶「自治体や議会では機密書類も」証拠入手 ビジネス用LINEは中国で開発されていた! ▶ソウル郊外で謎企業4つ発見!“韓国隠し”の核心 ▶報酬韓国人役員は48億円、日本人社長は12億円 ▶セキュリティ担当元警察庁幹部が役員を電撃辞任の訳 ソウル中心部から車で30分、京畿道城南市のベッドタウン盆唐(プンダン)。富裕層に人気の再開発エリアで、新築の高層マンションやオープンテラスのレストラン、ベンチャー企業のオフィスなどが立ち並んでいる。 その一角に聳えるのは、「グリーンファクトリー」と呼ばれる地上27階建ての巨大なビル。昨年4月からリニューアル工事に入り、今夏に完工予定だ。以前は、受付で日本でも「スタンプ」でお馴染みの熊やウサギの可愛らしいキャラクターが顔をのぞかせていた。隣に建つ真新しい第二社屋は「ロボットと人間が
たとえば、あなたの会社の業種には、ライバル会社がいるでしょう。なぜその会社でなく我が社を選んだのか聞いてみましょう。とりわけライバル会社の方が人気だったりすると、「なぜ我が社なのか」と問い質したときに本音が出ますよ。 「もしあなたが小林製薬の社員だったら…」 いまだったら、「もしあなたが小林製薬の社員だったら、どうしますか?」とか、「あなたが内定をもらった会社が、入社直前に小林製薬のような問題が発覚したら、あなたは内定を辞退しますか、それとも、それでも入社しますか?」とか。 ※写真はイメージ ©beauty_box/イメージマート こういう質問をすると、きっと相手は「初志貫徹で入社します」と答えるでしょう。そうしたら、「問題が発覚した企業なのに入社するというのは、果たして誇れることでしょうか?」と聞いてみてください。きっと相手は動揺するでしょう。相手にそういう質問をするというのは、結局はあ
個人情報が相次いで漏洩した問題を受け、総務省から韓国企業との資本関係を含む経営体制の見直し要請を受けた「LINEヤフー」(東京都千代田区)。経済安全保障上の問題にも発展しかねない今回の問題を巡り、高市早苗経済安全保障担当相(63)が「週刊文春」の取材に対し、自身の見解を示すとともに「LINEを使用していない」と明言した。 2021年に続く利用者の信頼を大きく失う不祥事 LINEヤフーの資本構成は複雑だが、韓国IT大手「NAVER」と携帯事業会社「ソフトバンク」が折半して出資する中間持株会社が同社株を約64%保有している。2021年にヤフーと経営統合するまでは、LINEの親会社がNAVERだった。
過去十数年にわたって自殺者総数こそ減少傾向にあるものの、日本ではいまだ10歳~39歳までの死因1位は「自殺」となっている。先進国の集まりであるG7の中でも、若者の死因第1位が自殺なのは日本だけ。異常な状況はなぜ生まれてしまったのか。 ここでは、若者の声を政治に反映させる「日本若者協議会」代表理事を務める室橋祐貴氏の著書『子ども若者抑圧社会・日本 社会を変える民主主義とは何か』(光文社新書)の一部を抜粋。日本で最も自殺者が少ない町に見られる、他の町との違いについて紹介する。(全2回の1回目/続きを読む) ◆◆◆ 自殺の少ない町の予防因子とは 子どもの自殺は、2022年に500人を超えて過去最多となった。なぜここまで自殺する子どもが増えているのだろうか。通常、増加要因を分析していくのが一般的だが、これまでそれによって成果が出ていないことから、今回は逆に、自殺の「少ない」地域の特徴を見ていきたい
結成から約100年が経つ、国内最大の暴力団・山口組。誰もが一度はその名を耳にしたことがあると思うが、組織の歴史や活動内容を知っている人は意外と少ないのではないだろうか? ここでは、山口組の歴史と組織の全貌をわかりやすく解説した、フリーランスライター・山川光彦氏の著書『令和の山口組』(新潮社)から一部を抜粋。“日本一有名なヤクザ”と呼ばれた3代目組長・田岡一雄について紹介する。(全2回の1回目/2回目に続く) 3代目・田岡のもとで日本最大組織に 山口組が息を吹き返すのは、終戦後の1946年に田岡一雄が3代目を襲名してからです。田岡は1913年に徳島県の寒村に生まれました。幼くして両親と死別し、見かねた神戸の親戚の家にひきとられます。初等教育を修了後、造船所の工員として働きはじめますが、生来の短気がもとで上司を殴り、職を離れてしまいます。 以降、クスボリと呼ばれる愚連隊のような生活を送る中で、
河野太郎さんが先導役であったエネルギー問題を議論する内閣府「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース(以下、再エネTF)」で、今回構成員の自然エネルギー財団の大林ミカさん提出の資料に中国国営の国家電網公司のロゴが入っていたという事件が勃発してしまいました。 折しも、国家機密を中国など外国に漏らさない仕組みである「セキュリティ・クリアランス」が法制化に向けて検討が進み、また国民の払う電気代に上乗せされる『再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金単価)』の値上げで問題になってるところだったんですが。 なんでまた、よりによって中国国営企業の介入が疑われる痕跡を残してしまったのでしょう。残念だなあ。 あまりにも無理があり過ぎた、ロゴ混入釈明のストーリー 騒動が勃発した3月23日(土)、河野太郎さんがX(旧Twitter)上で素早く反応し、呼応するように内閣府規制改革推進室アカ
なぜ男子大学生は「ヒグマの保存食」にされてしまったのか…ここでは2023年10月に起きた、ヒグマが消防士を襲撃した北海道の事件を紹介。宝島社による新刊『アーバン熊の脅威』より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/後編を読む) 「人の味を覚えた熊」はどうなってしまうのか? 写真はイメージ ©getty ◆◆◆ 「保存食」として隠していた遺体 2023年10月31日の午前10時半頃、北海道松前郡福島町の大千軒岳(標高1072メートル)を登っていた消防士3人のグループがヒグマに襲われ、2人が首などにケガを負った。 登山道を一列に並んで歩いていた時に最後尾の男性が襲撃され、先頭の男性が刃渡り5センチのナイフで熊の目元と喉元を狙って応戦し、熊は首にナイフが刺さったまま逃げていった。襲われた2人は運よく軽傷で済んだが、この時にすでに犠牲者が出ていた。 登山道の入り口に車が置き去りになっており、持ち
いまから116年前、まだ14歳(満年齢。当時の表記では16歳)の市長令嬢が「日本初の全国ミス・コンテスト」とされる美人写真の公募企画で日本一となったものの、それを理由に学習院女学部を退学させられる「事件」が起きた。 背景には当時のメディアや学校の事情、さらに女性が置かれた社会的な位置の問題が介在していた。「美人日本一」をめぐる騒動の実体はどんなものだったのか。関係した人たちはどんな言動を見せたのか。本人はどう考えていたのか――。 当時の新聞記事は見出しはそのまま、本文は現代文に書き換え、適宜要約する。文中いまは使われない差別語、不快用語が登場するほか、一定期間を経過した歴史的人物の敬称は省略する。(全2回目の2回目/はじめから読む) 当時あった全国紙・時事新報が主催した「美人写真コンテスト」で1等となった末弘ヒロ子の写真(『幕末・明治 美人帖愛蔵版』より) ◆ ◆ ◆ 1908(明治41)
映像作品のキスやセックスなど性的シーンの撮影に、「インティマシー・コーディネーター」が加わることが増えている。今や、アメリカの映像業界では当たり前に存在する職業だが、日本でこの肩書きを持つのはわずか2人。それだけに、彼らの役割や必要性について、まだまだ理解されていない部分も多い。そもそもインティマシー・シーンとは? 現場ではどんな仕事をしているのか? 日本初のインティマシー・コーディネーター、浅田智穂さんに聞いた。(全2回の1回目/続きを読む) ◆◆◆ 俳優が「NO」と言う演出は行わない、が基本 ――最初に、インティマシー・コーディネーター(以下IC)とはどんな役目を担う仕事なのかを教えてください。
『笑っていいとも!』が放送終了を迎えてちょうど10年目を迎える。なぜ長寿番組として人気を集め、今も熱烈なファンがいるのだろうか。ここでは『「笑っていいとも!」とその時代』(集英社新書)より一部抜粋。フジテレビの横澤彪プロデューサーが、当時“夜の番組にしか出れないアヤしげな密室芸人”としてカルト的な人気を集めていたタモリを抜擢し『笑っていいとも!』を立ち上げるまでを辿る。(全3回の1回目/#2、#3を読む) ©文藝春秋 ◇◇◇ 「知性の欠如への不満」が『いいとも!』スタートの理由だった 元々フジテレビには、昼の生放送による帯バラエティ番組の伝統があった。たとえば1960年代には、前田武彦やコント55号が出演した『お昼のゴールデンショー』(1968年放送開始)が人気だった。 この番組は、東京・有楽町にあった東京ヴィデオ・ホールからの生放送。前田武彦は放送作家出身で、『夜のヒットスタジオ』(フジ
近年「ルッキズム」への批判もあってミスコンには風当たりが強い。さまざまな見直しが行われ、中止になったものもある。いまから116年前、まだ14歳(満年齢。当時の表記では16歳)の市長令嬢が「日本初の全国ミス・コンテスト」とされる美人写真の公募企画で日本一となったものの、それを理由に学習院女学部を退学させられる「事件」が起きた。 背景には当時のメディアや学校の事情、さらに女性が置かれた社会的な位置の問題が介在していた。「美人日本一」をめぐる騒動の実体はどんなものだったのか。関係した人たちはどんな言動を見せたのか。本人はどう考えていたのか――。 当時の新聞記事は見出しはそのまま、本文は現代文に書き換え、適宜要約する。文中いまは使われない差別語、不快用語が登場するほか、一定期間を経過した歴史的人物の敬称は省略する。(全2回目の1回目/続きを読む) 「美人写真」の募集を告げる時事新報の見開き案内記事
コロナ禍でアルバイトができなくなり、経済的な打撃を受けた大学生のなかには、生活のために体を売る選択をした女子大生も少なくないという。彼女たちは、なぜ風俗嬢となったのだろう。そして、どんな厳しい状況に置かれているのだろうか? ここでは、ノンフィクションライターの中村淳彦氏が、女子大生の貧困と性産業の関係に迫った書籍『ルポ 女子大生風俗嬢』(宝島SUGOI文庫)より一部を抜粋して紹介する。(全2回の1回目/2回目に続く) 新型コロナで死に体の下層風俗嬢 緊急事態宣言が続き、大塚のピンクサロンも、20時までの時短営業だった。20時になるとピンサロを含む、すべての店は電気を消して閉店準備となる。ピンサロ街の方向から女性が続々と駅に向かう。おそらく仕事を終えたピンサロ嬢たちだ。彼女たちの疲れた後ろ姿は、もの悲しかった。 20時15分頃。大塚駅前にピンサロの仕事を終えた加藤恭子さん(仮名/21歳)がや
児童虐待、DV、ハラスメントなどが起こる背景には、加害者の過去の「トラウマ」が影響しているのではないか――。そう語るのはノンフィクションライターの旦木瑞穂さんだ。 2023年12月に刊行した『毒母は連鎖する~子どもを「所有物扱い」する母親たち~』(光文社新書)などで、家庭内で起こる“タブー”を調べていくうちに、親から負の影響を受けて育ち、自らも「毒親」となってしまう「トラウマの連鎖」こそが、現代を生きる人々の「生きづらさ」の大きな要因のひとつではないかと考えたという。 今回は、自身の“モラハラ加害者”の過去に向き合いながらカウンセラーとして活動する中村カズノリさん(44)に、「トラウマの連鎖」を断ち切るための日々を尋ねた。(全3回の3回目/最初から読む) ◆◆◆ ファシリテーターの裏切り 妻の不貞行為が忘れられず、ついに感情を爆発させてしまった中村さん。実家に帰ってしまった妻から勧められた
『ブギウギ』は「歌」で語りかけてくるドラマだった。その時々の人物の気持ちを必要以上に台詞にせず、歌に乗せて、あるいは表情で物語ってきた。「さよならコンサート」での「東京ブギウギ」に回想シーンなど乗せなくても、このドラマを愛した視聴者ならば、各々の心に自然とこれまでのスズ子の人生が浮かび上がってくる。 「画力」で語っていた 「映画は『画力(えぢから)と音力(おとぢから)』で語るもの」、「ドラマは『台詞力』で語るもの」などとしばしば言われる。映画学校出身で助監督を経て、数々の映画に脚本として携わり、自ら映画監督も務める足立紳氏がメインの脚本を担当するドラマだ(本作は全26週中、17週を足立氏が担当、9週を櫻井剛氏が担当した)。足立氏の作劇に引っぱられて、おのずと作品全体が映画的アプローチに寄っていったことは想像に難くない。 その顕著な例で、なおかつ出色の出来だったのが、第10週「大空の弟」だ。
「すぐに『はい! やります!』とは思えなくて」 ――デビューを決断した背景には、これまで、芸能活動を続けてきたなかでの手詰まり感のようなものがあったのでしょうか。 矢埜 そうですね。あと、20代後半になったし、また新しいことをやってみたい気持ちになっていたタイミングでオファーをいただいたので、セクシー女優の道を考え始めました。 ただやっぱり、受け入れるまでは時間がかかったといいますか、すぐに「はい! やります!」とは思えなくて、半年くらい考える期間を設けさせてもらったんです。 その間、声をかけてくれた事務所の方と週に1回くらいの頻度でメリット・デメリットを何度も話し合って、次第に前向きに考えられるようになった感じですね。 ©文藝春秋 ――前向きに考えられるようになった一番の要因は何なのでしょうか。 矢埜 いまはセクシー女優さんが本当に幅広い仕事をされている時代じゃないですか。このままグラビ
「連日、長谷川氏の対応に追われ、みな疲弊している。誰も倒れていないのが不思議なくらいの職場です」 そう告発するのは、長谷川岳参議院議員(53)の地元・北海道札幌市の市役所職員、A氏だ。 長谷川岳(自民党HPより) 「愛知県出身で、小学校時代に戸塚ヨットスクールに入校したことも。北海道大学時代にYOSAKOIソーラン祭りを中心メンバーとして立ち上げたのが自慢です。中央でこそ目立ちませんが、菅義偉前首相と近く、道内では影響力が大きい。一方、吉が告発したような横柄な態度は地元では有名。イニシャルを取って『HG』という隠語で呼ばれ、恐れられています」(地元紙記者) 2010年に初当選した長谷川氏。参院1期目から「横柄な態度」は見られていた。
演歌歌手・吉幾三が自身のYouTubeで「飛行機内での横柄な態度」を告発し、物議を醸している自民党の長谷川岳参議院議員(53)。 そんな長谷川氏の地元・北海道札幌市のGX(グリーントランスフォーメーション)担当部署で、長谷川氏への対応が続き、職員らの残業時間が月100時間超になっていることが「週刊文春」の取材で分かった。月100時間超の残業は、厚労省の「過労死ライン」を優に超えており、札幌市は小誌の取材に対してGX担当部署の残業が月100時間超になっていることを認めた。
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