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おみそ汁
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近年、「文化の盗用」問題が世界的に注目されているのを知っているだろうか? 「文化の盗用」とは、ある文化圏の文化やアイデンティティの要素を、他の文化圏の人が私物化すること。 たとえば、数年前にアメリカのタレントが、自身の下着ブランドに日本の伝統的衣装である「着物」と同じ名前をつけたとき、「文化の盗用ではないか」といった議論が巻き起こった。 白人の著名人がドレッドヘア姿をSNS上にアップすることや、ハロウィンのコスプレでネイティブアメリカンの衣装やチャイナ服など伝統的な衣装を身にまとうことも、文化の盗用に当たるとされている。 それは、「かっこいいから」「かわいいから」を理由とした無邪気な行為のひとつでしかないのかもしれない。しかし、誰かを傷つけている可能性があるとしたら? 日本でも昨今は、人口減少危機の対応として外国人の受け入れを拡大したり、都市部では帰国子女がクラスにひとりはいるという多様な
2024.02.21 4人に1人の若者が「家に居場所がない」。''寄り添わない''支援で生き抜くための手札を #豊かな未来を創る人 近年、メディアでも度々取り上げられるようになった「親ガチャ」「毒親」などの言葉。自分では選ぶことのできない家庭環境への悩みや生きづらさの実態が、社会的に認知されるようになってきました。 そうした家庭環境の問題を抱えながらも、既存の制度では支援の対象にならない「制度のはざまの少年少女」たち。彼らをサポートするために、デザイナーの奥村春香さんが立ち上げたのは、NPO法人「第3の家族」です。若者たちが本音を吐き出せる掲示板「gedokun」や、新たな居場所を見つけるための情報サイト「nigeruno」を運営しています。 奥村さん自身、グレーゾーンの家庭で育ち、その中で弟の自死を経験した当事者です。「まずは大人になるまでの間、なんとか生き延びてほしい。家以外の安全地帯
2024.02.05 スーパーエルニーニョと暖冬は「異常気象の時代」への入り口? 地球沸騰化がもたらす地球の未来 この冬、「スーパーエルニーニョ」という言葉をニュースで耳にした人も多いのではないでしょうか。エルニーニョ現象が発生する年は異常気象が多くなるといわれています。それに「スーパー」が付いた「スーパーエルニーニョ現象」は、言葉だけ聞くと非常に怖ろしいイメージを持つはず。 では実際、どのような異常気象が起きるのか、そして、それは私たちの生活にどのような影響を及ぼすのか? 今回は、異常気象の専門家である三重大学大学院生物資源学研究科の立花義裕教授にお話を聞きにいきました。 その結果わかったのは、「スーパーエルニーニョ現象」から浮かび上がる、現在の地球の異常な状態です。 「地球はいま、沸騰している」 「日本の海水温は世界で一番高い」 「あと10年で世界は後戻りできない状態になる?」 など、
2024.01.19 カブトムシが世界のゴミ&食料問題を解決!? ''好き''の追求は必ず誰かの役に立つ #豊かな未来を創る人 緑豊かな自然に囲まれた秋田県大館市。ここに今、世界から注目を集める昆虫バイオスタートアップTOMUSHIがあります。立ち上げたのは、大館市で生まれ育った双子の兄弟、石田健佑さん(兄)と石田陽佑さん(弟)です。 幼い頃から、故郷でカブトムシ採集に明け暮れていた二人。カブトムシへのたゆまぬ偏愛が、カブトムシの知られざる能力を引き出す、新たなバイオ技術を生み出しました。そのビジネスを通して対峙するのは、ゴミ問題や食料問題などの社会課題。カブトムシを通して、地球にも人にも優しい循環型のビジネスを目指します。 「自分の"好き"が、誰かに感謝され応援される。そこには、これまでの人生で体感したことのない大きな喜びがあった」と語る二人。どのように"好き"を突き詰めて、そこからどの
みなさんは日々どんなお布団で寝ていますか? 健康において何よりも大事な睡眠。どんな人でも睡眠はとるし、そのために布団は欠かせません。 一口に「布団」と言っても素材やサイズ、厚みや硬さなど、それぞれに十人十色の好みがありますよね。また季節ごとに寝具を買い足したり、使い込んだものを新品に買い換えるものでもあります。 では、役目を終えた寝具はどうなるかご存知でしょうか? 自治体によっても扱いは異なりますが、多くは粗大ゴミとして廃棄されている現状があります。多くの場合、寝具はリサイクル可能な資源として認識されていません。つまり、私たちが快適に眠り続けるために、廃棄される寝具も多くあるということ。ある調査では、一年で廃棄される量はおよそ一億枚にも及ぶそうです。 そんな中、どんな寝具でも回収してくれ、再生素材に変えてしまうサービスがあります。今回ご紹介するサービス「susteb(サステブ)」では、これ
2024.01.11 スマホが使えなくなる!? 2024年に起こりうる「宇宙天気災害」とは #災害に備える 2024年に起こる可能性があるといわれる「宇宙天気災害」を知っているだろうか。宇宙天気災害とは、太陽フレアをはじめとした太陽の活動によって、地球の社会インフラが影響を受けることを指す。太陽フレアは、通信や衛星、電力網などさまざまな領域に影響を与える。インターネットやGPSなど高度な文明の利器に依存する現代社会では、生活全般に影響する大規模災害のリスクがある。2024年頃に太陽の活動が活発化すると予測される中、宇宙天気災害に精通する気象予報士や太陽研究のパイオニアらに、生活への影響から取るべき対策までを聞いた。 社会インフラにダメージを与える宇宙天気「太陽フレア」 宇宙天気という言葉は、聞き慣れない人が多いかもしれない。地球上の天候が晴れ、雨、雪など日々変動するように、宇宙の環境も日々
2023.12.18 「多重下請け」によるしわ寄せをどう改善する?――2024年問題を前に上がる中小物流企業の悲鳴 #令和の人権 2024年4月1日以降、トラックドライバーの時間外労働時間が上限年960時間に制限される。変化が間近に迫るなか、それによって起こるさまざまな問題が「2024年問題」として報道され、常態化してきた「物流業界の理不尽」に光が当たりつつある。多重下請け構造が広がる物流業界においては、しわ寄せは大企業の下請けである中小企業へと向けられる。物流業界を取材してきたライターの橋本愛喜さんと、中小物流企業を立ち上げた麻生よう子さんに話を聞いた。 (取材・文:乾隼人 Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部) 取材協力:橋本愛喜、株式会社デジロジ 中小企業がさらされる、物流業界の「理不尽」 働き方改革関連法のなかで、物流・運送業界にも時間外労働時間の上限が定められることとなっ
2023.12.08 すべての命には存在意義がある。人と「害虫」が共生するための棲み分けとは? #豊かな未来を創る人 オフィスや飲食店において、ゴキブリやネズミなどのいわゆる「害虫・害獣」の駆除を担う会社を営んできた岡部美楠子さん。殺虫剤などを使っての駆除を続けるうちに、そもそもそれらの生き物たちを発生させない「予防」の観点に目が向くようになったと言います。そこで2018年に新たに立ち上げた会社が8thCAL(エシカル)。駆除をする前にできる、害虫・害獣予防のコンサルティングや教育・啓発活動などに力を入れています。 人間の都合で命を奪われる生き物たちの存在意義とは? 人間がすべての命や自然と共生していくための道とは? 小さな生き物たちと対峙してきた岡部さんが抱えた葛藤と気づき、そこから踏み出した一歩を伺いました。 岡部美楠子(おかべ・みなこ) 東京都出身。1960年に創業した害虫駆除を柱と
2023.11.30 俳優が安心してNOと言える環境づくりのために。インティマシーコーディネーター・浅田智穂が目指すエンタメの未来 ハリウッドで#MeToo運動が起こってから6年。絶大な権力を持っていた映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインを失脚させ、ハリウッドの働き方を大きく変えたその告発の波は世界中に伝播していきました。それは現在日本でも少しずつ広がっており、ハラスメント撲滅や働き方の改善を目指そうという動きが業界内で取られはじめています。 とはいえキャスティングや演出を大きく担う監督やプロデューサーと、(特に若手の)俳優の間にはどうしても力関係が生まれてしまうもの。撮影時に事前に想定していなかった性的なシーンがあったり、やりたくないことを強要されても拒否できなかったりと、そこには常にハラスメントの危険性が潜んでいます。ですが、実はそんな俳優たちを守る職業が存在することをご存知
2023.10.25 あなたが育てたどんぐりが、土砂災害を防ぐ? 被災経験から生まれた森の守り方 #豊かな未来を創る人 家や職場などで、苗木を育てて山に返す「MODRINAE(戻り苗)」。身近な暮らしの中で、誰もが森林保全に関わることのできる、体験型のプロダクトとして注目が集まっています。 これを手掛けるのは、和歌山県田辺市にある林業ベンチャー・ソマノベース。個人や企業に向けた「MODRINAE」の販売や、それにまつわるイベントの企画運営、企業のESG活動のコンサルティングなど、さまざまなサービスを行っています。 代表の奥川季花さんは学生時代、大規模な土砂災害のために、故郷の豊かな景色や友人を失いました。生まれ育った町のため、自分に何ができるのか。それを模索し続けた先に、「土砂災害を生まないための山づくり」というテーマに辿り着いたと話します。 自ら考え行動する中で出会った人やさまざまな課題
食べきれなかったごはんやコーヒーを抽出した後のかす、あるいはお茶を淹れた後の茶葉や果物の皮など。こうした生ゴミをそのまま処分しようとすると、なんとなく抵抗を感じることがあります。食品由来の廃棄物をどう扱うかは、農家さんや食品加工業者さん、カフェやレストランを経営する人たちにとっても頭を悩ませる問題です。 2021年に創業した『fabula(ファーブラ)』は、これまで捨てるしかなかった食品廃棄物という「ゴミ」を道具や建物の素材に変え、新たな活用法を作り出そうとする会社です。規格に合わない農産物や、食品加工の過程で生じる端材などから作られた新素材は、食材の質感や香りを感じられる、独特な魅力のあるものばかり。さらに、種類によってはとても丈夫な性能を誇り、環境負荷の高いコンクリートに代わる新たな建材としての活用も期待されています。 「ゴミから感動をつくる」をビジョンに掲げ、食材がいたずらに廃棄され
アラサー男子、社会人10年目。ポジションが上がり、スキル的にもやれることが増えた。仕事はどんどん楽しくなっている。 そんな僕の最大の悩みは、職場の後輩とのコミュニケーションだ。難しすぎて、困るを通り過ぎて正直怖い。具体例を挙げるなら、たとえばこんな感じだ。 良かれと思って後輩に毎日アドバイスを続けていたら、自分の助言がプレッシャーになってしまったみたいだ。強い言い方をしたつもりはないのだけれど。あれでもパワハラ? 休日返上で仕事に没頭するなんて自然なこと。好きで就いた仕事、好きで入った会社なのだから。なのに「ワークライフバランス」ってなんだ。 どれだけ忙しくたって、仕事終わりにはみんなで飲みに行って、腹を割って話すべき。全人格的に付き合ってこそ強くなるのがチームでしょ。アイデアや成長のきっかけも、そういうところにあると思うのだけれど。 出来ていない仕事について指摘したら、すぐに言い訳を並べ
経済も社会情勢も明るいとはいえず、一寸先の未来ですら想像が難しい現代。そんな時代を生きる中でふと「50年後、高齢化した自分はどう暮らしているんだろう?」と考えて、不安になることはありませんか? とりあえず暮らしの礎になる住まいさえあれば...と思っても、そもそも今ですらフリーランスや低所得の女性は賃貸物件の審査が通りにくい。ということは高齢者になり仕事を辞めたら、さらに部屋を借りることが難しくなるのでは...?と新たな不安も芽生えます。そして、そのときに自分をサポートしてくれる家族や友人がいるかどうかも、正直分かりません。 「正社員として定年まで働き、結婚して家族をもち、住宅を買う」のが当たり前のように言われていた頃から比べると、働き方も、家族や住まいのあり方も、選択肢が広がっています。しかし、その社会の変化に、制度や整備は追いついているのでしょうか。 例えば個人事業主は住宅ローンの審査が
2023.03.17 大人も子どもも、障がいがあっても楽しめる。今増えている「インクルーシブ公園」ってなに? 今、日本の公園が変わりつつある。 障がいの有無や年齢、性別、国籍などを問わず、すべての人が楽しく遊べることを目指したインクルーシブ公園が首都圏を中心にできはじめています。インクルーシブ公園とは具体的にどんな公園なのか、そして公園が変わることでまちはどう変わるのか。 インクルーシブな遊び場が整備されている公園の先駆けである東京都立砧公園「みんなのひろば」に関わる、一般社団法人TOKYO PLAYの神林俊一さんに話を聞きました。 インクルーシブ公園ってなに? インクルーシブとは「みんなが含まれている」という意味。 インクルーシブ公園は、ときに「障がいのある子どもが遊べる遊具がある公園」という意味で誤解されがちですが、神林さんによると「障がいのあるなし、子どもか大人かにも関係なく、すべて
2023.02.14 「美しすぎるごみ処理場」はなぜ生まれた? 市民の応援を生んだ''すべてを見せる''工夫 ごみは私たちの暮らしから必ず出るもの。にもかかわらず、なぜか隠したり遠ざけたりとなんとなくネガティブなイメージを抱いてしまいがちです。 しかし、そもそも私たちはごみがどう処理されているか知ったり、考えたりする機会があったでしょうか? そう気づかせてくれたのは、あえて「見せる」ことで人気を博している広島市のごみ処理場「広島市環境局中工場」(以下、中工場)です。
日本は今、大学進学のために、ふたりにひとりが奨学金を利用している時代です。 奨学金については、近年は"負"な側面も含めてさまざまな話題があがります。奨学金をもらえないことで、学生生活がバイト漬けのようになってしまったり、奨学金を借りられても返済の苦しさが結婚や子どもを持つことを躊躇させたりといったケースは、少なくありません。 1990年代は約2割だった奨学金の受給者が、20〜30年で倍以上になった背景には、高等教育の学費高騰や、世帯年収が低下していることなどが挙げられます。今後もニーズが高くなっていくことが予想されるからこそ、ひとりでも多くの学生がよりよい環境で学べるために、奨学金のあり方を見直さないといけないのでは? その必要性にいち早く気づき、デジタルの力で奨学金市場を改革する取り組みをする企業が、株式会社ガクシー。 代表の松原良輔さんにお話を伺うと、現状は、多くの学生・保護者が国内に
中野ブロードウェイのとある書店で本を物色中、気になる案内を見つけた。「せかいビバーク」。なんだろうか。ドイツ語の「ビバーク(Biwak)」は日本語に訳せば「野営」。登山などのシーンで耳にする言葉ではある。 調べてみると、住まいがない、食べるものがない、電話が止まって相談もできない、そんな"詰んだ"状態の人が「今夜を安心して眠るため」の支援スキームという。 都内を中心に、書店や飲食店などに置いてあるビバークセット。中には宿泊チケットや非常食など、一夜をサバイブするのに必要なものがパッケージされている。設定されたいくつかの条件を満たす人が、必要な手続きをすることで利用できるらしい。 運営元は、生活困窮者の支援団体「一般社団法人つくろい東京ファンド」。2021年10月にスタートした「せかいビバーク」は、この1年でのべ250件ほど利用されているという。 しかし、いまいちよくわからない。たったひと晩
2022.12.19 「すべての人たちに、移動の自由を届ける」トヨタがモバイルトイレをつくる意味 提供:トヨタ自動車 行きたい場所に、トイレがない状況を想像したことはありますか? 人は1日に平均5回から7回ほどトイレに行くと言われている中、外出先にトイレがなかったら、外出しづらく、外出先でやりたいことが実現しづらい状況が生まれます。そんな状況が日常的に起こっていたら、人生の選択肢は想像する以上に、限られてしまいます。 実際に、車いすで生活を送っていたり、障がいを抱えていたり、高齢で介護を必要としている人たちは、トイレが理由で行きたい場所でやりたいことができない、だからやる前に諦めてしまうことが少なくないのです。 そういった方々に思いを馳せ、移動の自由、選択の自由をもたらそうと、移動式のバリアフリートイレをつくろうと動いたのが、トヨタの社会貢献推進部。 トヨタは、「移動」がチャレンジするため
2022.12.14 着物から糞尿まで「土に還るまで」使い尽くしていた。江戸時代に学ぶ循環型社会のヒント 自分でパーツを修理・交換しながら使い続けられるスマートフォン。古くなったら返却し、新しい一着に交換できる、リース型のジーンズブランド......ビジネスモデルやものづくりの設計・デザインの段階から、廃棄を出さないことを前提とする「サーキュラーエコノミー」(循環型経済)の実践が、国内外で少しずつ進められています。 大量生産・大量消費・大量廃棄を前提とした従来の経済システムの限界がさまざまな面で表出する中、その突破口の一つとして、サーキュラーエコノミーが昨今注目を集めているのです。例として、オランダ政府は、2050年に100%サーキュラーエコノミーを実現することを目標に掲げているのだとか。 日本国内でも、以前本誌で取材したサーキュラーエコノミー研究家・安居昭博さんをはじめ、さまざまなプレイ
2022.11.19 子どもに意見させるとワガママに育つって本当?「世界子どもの日」をきっかけに子どもの権利について考えよう 11月20日は「世界子どもの日」です。この日が存在すること、そしてどんな意味を持つ日なのか、知っていますか? 「世界子どもの日」は、世界中の子どもたちの相互理解と福祉を向上させること、またすべての子どもたちが生まれながらに持っている権利について考え、認識を高めることを目的として国連が制定した記念日です。 子どもが持つ権利については、国連で1989年に定められた「子どもの権利条約」にまとめられています。全54条に及ぶ内容は「命を守られ成長できること」「子どもにとって最もよいこと」「意見を表明し参加できること」「差別のないこと」の4原則に照らし合わせることができ、大人と同じ権利が子どもにもあるのだと認めつつ、子どもとして大人に守られる権利もあることが記されています。 世
「性別ないです」ーー。Twitterのプロフィール欄でそのように記しているモデル・井手上漠さん。身体と戸籍は男性。でも心は男性でもあり、女性でもある。そんな漠さんは、島根県・隠岐の島で生まれ育ち、高校生のときにジュノン・スーパーボーイ・コンテストで「かわいすぎるジュノンボーイ」として注目を集めました。現在は性別を超えて、メディア出演やSNSでの発信、フォトエッセイの刊行、ファッションブランドのプロデュースなど、活動の場を広げています。 性別という枠組みから自由となった漠さんは今、多様な生き方が許される社会を作るために「理解」は要らないと話します。一人ひとりが固有の存在として、それぞれの道を胸をはって生きていくために、私たちはどう在るべきか伺いました。 井手上 漠(いでがみ・ばく) 2003年1月20日、島根県隠岐郡海士町に男性として生まれる。2018年、高校1年生で第31回ジュノン・スーパ
2022.10.05 本業は壮大な金魚すくい!? 「楽しい」から続けてきた、人と魚をつなぐきっかけ作り #豊かな未来を創る人 岸壁幼魚採集家として、SNSや書籍、イベントなどで幼魚にまつわるさまざまな発信をしている鈴木香里武さん。まだ寝返りも打たない0歳の頃から、魚好きだった両親に連れられ、何度も漁港を訪れてきたと言います。そして、足元の海面を見つめる中で出会ったのが「幼魚」でした。 幼魚の観察を続けて30年、その存在を少しでも多くの人に知ってもらうため、そして彼らの暮らす海が心地よい場所であり続けるために、香里武さんは人と魚、人と海をつなぐ"きっかけ作り"を行ってきました。 "楽しい"や"好き"を入り口に、漁港の足元から身近にできることを模索し続けてきた香里武さんのこれまでと、活動の先に思い描く未来について話を伺いました。 鈴木香里武(すずき・かりぶ) 1992年3月3日生まれ、うお座。
最近、「土」を触ったのはいつでしょうか? とりわけ都市部に暮らす人々の多くにとって、日常の中で土と接する機会は稀でしょう。かくいう筆者(横浜在住)も、日々のなぐさめに育てている観葉植物の世話をするとき以外は、ほとんど土には触れません。 思い返せば、川崎出身の自分でさえ、小さな頃は公園や近所の野山で土や泥にまみれることもしょっちゅう。学校の授業でも畑仕事をしばしば体験していましたが、気づけば土はとても遠い存在になってしまいました。 ......しかし、実はこの土、わたしたちが生きていく上で「なくてはならない」そうなのです。 例えば、実は毎日の食べ物の95%は土からとれたものだとか。もし地球上から土がなくなったら、ほとんど何も食べられなくなってしまいます。それから毎日何時間も触っているそのスマホの材料も、実は土からできているといいます。 さらに、土の取り合いが戦争に発展することもあり、昨今厳し
SDGsという言葉がテレビやメディアで飛び交うようになり、大企業を中心に多くの企業がSDGsを経営に取り入れるようになってきました。 ですが、いざSDGsを紐解いてゆくと......ゴールが17個もあり、その内容は環境問題から、貧困、ジェンダー平等と多岐にわたり、日々の生活であまり実感のない課題もあります。もしあなたが中小企業を経営していたり、中小企業で働く人だったら「うちには関係ないんじゃない?」「余裕がある大企業しかできないことでは?」と思ってしまうのも、無理はないかもしれません。 そんな疑問に対して「中小企業こそ積極的に、楽しくSDGs経営をすべき」と言うのは、SDGs経営の入門書『やるべきことがすぐわかる!SDGs実践入門 〜中小企業経営者&担当者が知っておくべき85の原則』の著者である、小樽商科大学大学院准教授の泉貴嗣さん。 泉さんによると、中小企業がSDGsへの対応をしなくては
2022.08.30 「自分も加害者だったんじゃないか」ライムスター・宇多丸に聞く、映画が問い直してくれる問題 私たちにとって映画は、とても身近な芸術でありエンターテインメントです。その映画の本場──ハリウッドやアカデミー賞で知られるアメリカでは近年、人々の多様なあり方や多様な文化を反映していく動きが活発化しています。 たとえば、アカデミー賞を主催する 映画芸術科学アカデミー は2020年9月に、2024年からの作品賞受賞の新基準に「主要キャストにアジア人やヒスパニック、アフリカ系アメリカ人などを起用すること」や「ストーリーの中心に女性やLGBTQ+といった人たちを置くこと」などを含めた4つの基準を設け、うち2つを満たすことが受賞の条件と発表しました。 人種や民族グループ、女性、LGBTQ+、様々な障がいを抱える人などに向き合い、人権問題を解決していこうと変化していくアメリカ映画界から、私
2022.08.15 何でもポイ、ゴミ袋代も節約。ベランダにも置ける生ゴミ処理機「キエーロ」が便利すぎる 「キエーロ」というめちゃくちゃ便利な生ゴミ処理機をご存じでしょうか? キエーロは、土中にいる微生物の働きで生ゴミを分解するもので、木箱のなかにぎっしり黒土がはいっており、日光と風を通すために、透明な樹脂製の屋根が斜めにかかっているのが特徴です。 庭土の上に直接木枠を置くタイプと、上記の画像のように、足のついた木箱を設置するベランダ用があります。 いま、全国のさまざまな自治体で各家庭への導入が進んでいるプロダクトで、我が家も市の助成金を使ってベランダ用のキエーロを購入しました。 最後に乾いた土で蓋をするように覆う。 これだけです。その後はとくにすることもなく、夏場なら5日、冬場なら2週間程度で生ゴミは土に還ってなくなっています。 生ゴミの水分が土中の微生物の動きを活発にし、目に見えない小
2022.05.31 「水田からのメタン抑制で地球温暖化を防ぐ」 米どころ・新潟県がリードする、農業界の温室効果ガス削減モデル そんな農業県・新潟は、県をあげて脱炭素化(カーボンニュートラル)の取り組みに力を入れています。 実は、農林水産分野が排出する温室効果ガスは、日本全体の温室効果ガス排出量の約4.0%(※1)ほど。数字で見ると決して大きな比率ではありません。 一方で、農業をはじめとする農林水産分野はさまざまな産業の中でも数少ない、CO2の「吸収」が可能な産業です。同時に、温室効果ガスによる地球温暖化の影響を直接的に受ける産業でもあります。 数多くの産業が「排出量削減」の取り組みを進める中で、1次産業がどのようにカーボンニュートラルに取り組んでいくのかを示すことには、大きな意味があります。 "農業県"の威信をかけ、「農業界の温室効果ガス削減モデル」になることを目指して活動に取り組む新潟
女性の子宮頸がんをはじめとした感染症を予防する、HPVワクチン。その定期接種の積極的な勧奨が2022年4月から9年ぶりに再開されました。また、情報がなかったために接種機会を逃した平成9年度~平成17年度生まれの女性への3年間限定のキャッチアップ無料接種も開始されました。 HPVワクチンは、日本では『女性のみが接種するもの』と思われがちなものです。しかし実際にオーストラリアでは15歳の男女の接種率が80%を超えており(*1)、アメリカ、イギリスなどの多くの先進国でも男女共に接種することが主流になっています。 「子宮頸がんは女性の病気なんじゃないの?」 「男性は関係ないのになぜ?」 そこで、横浜市立大学医学部産婦人科学教室の主任教授である宮城悦子先生にHPVワクチンについてお聞きしました。 すると、決して男性も無関係ではいられない事実が次々と出てきます。 「HPV(ヒトパピローマウイルス)に感
2022.05.26 国内最大級の産廃事件。傷ついた''ごみの島''にアートがもたらした変化と、変わらぬ価値 瀬戸内海に浮かぶ、外周約20km・人口約760人ほどの小さな島「豊島(てしま)」。 湧水が豊富で、古くから稲作や農業が営まれてきた。近年では瀬戸内国際芸術祭の舞台となり、会期中には14万人ほどの人が訪れる「芸術の島」としても有名である。
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