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NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は2024年4月9日、暗号化されたJavaアプレット領域の一部を顧客に開放したSIMカードの本格提供を始めたと発表した。顧客企業が同領域に決済情報・個人情報・設定情報などを安全に格納できるようにし、IoT(インターネット・オブ・シングズ)などのサービスを展開しやすくする。価格は個別見積もりだが、SIMカード1枚当たり月額100円程度から、管理コンソール機能は同1万5000円程度からを見込む。 同社が「アプレット領域分割技術」と呼ぶ技術により、SIMカード内にあるJavaアプレット領域のうち約300キロバイトを切り出し、顧客企業が独自に暗号鍵を管理して利用可能にした。SIMカード上のCPUやメモリー、OSなどと組み合わせて、認証などのアプリケーションを実行できる。同技術による領域の切り出しはSIMカードの製造時に書き込むソフトウエアにより実現しており、
2024年2月にマイコンボードの「Raspberry Pi 5」が日本でも発売された。読者のみなさんはもう手に入れただろうか。Raspberry Pi 5は様々なメディアで取り上げられているため、基本的な特徴などは既にご存じのことと思う。 そこで今回はRaspberry Pi 5のGPIO(General Purpose Input/Output、汎用I/O)に注目したい。IoT(インターネット・オブ・シングズ)や電子工作に興味がある人は、GPIOをよく使うのではないだろうか。Raspberry Pi 5は、前モデルの「Raspberry Pi 4 Model B」と比べて、幾つか互換性がない点がある。GPIOもその1つだ。 以下ではRaspberry Pi 4 Model BとRaspberry Pi 5に「Raspberry Pi OS」をインストールした上で、GPIOの仕様の違いを確
これまでサポート詐欺は、プリペイド型電子マネーで架空のサポート料金を支払わせるのが一般的だった。だが2023年度には、インターネットバンキングで送金させるケースが確認された。例えばある70歳代男性は、サポート詐欺にだまされて自分のパソコンを偽のサポート担当者に乗っ取られた。 そしてパソコンの修理代として100円をインターネットバンキングで特定の口座に送金するよう言われ、指示に従った。だが送金手続きの途中で遠隔操作により送金額を100万円に変更されてしまった。自分ではパソコンの画面を操作できなくなったため急いで銀行に電話して口座を凍結したが、100万円は既に送金されていた。 別の80歳代男性は、偽のサポート担当者をすっかり信用し、インターネットバンキングのパスワードなどを求められるままに話してしまった。その結果、約200万円が第三者に送金された。1日の送金限度額を50万円に設定していたが、遠
Q.マネジャー昇格試験に合格して、無事にマネジャーに昇格しました。マネジャーだといっても部下はおらず、仕事内容は昇格前と変わりません。目に見える変化といえば、昇格による基本給の改定と名刺の役職名変更、休日出勤手当や残業手当が付かなくなったことくらいです。管理職への昇格って、こんなものなのでしょうか。がっかりです。 企業はマネジャーを職制上の管理職に分類しています。管理職を労働基準法上の管理監督者だとして運用しているのです。管理監督者は、労働基準法の一部が適用除外されます。質問者の休日出勤手当や残業手当(深夜手当を除く)が付かなくなったのはそのためです。 実態として、労働基準法上の管理監督者だとはお世辞にもいえないマネジャーが多いです。マネジャーになっても何も変わっていないという質問者はまさにそうです。世間でいうところの「名ばかり管理職」なのかもしれません。 部下もいないのに管理職への登用を
著名なセキュリティーリサーチャーのpiyokango氏が注目のシステムトラブルをピックアップ。今週の注目ネタは……。 今回取り上げるシステムトラブルは、ワークスタイルテックの設定ミスによる個人情報流出と、埼玉県健康づくり事業団のランサムウエア被害、日本ボディビル・フィットネス連盟の個人情報流出を取り上げる。 アクセス権限の設定ミスが4年間続いていた 人事管理サービスを提供するカオナビの子会社で、労務管理サービス「WelcomeHR」を提供するワークスタイルテックは2024年3月29日、WelcomeHRから個人情報が流出したと発表した。 サービスで利用するストレージサーバーの設定ミスにより、特定の条件下で顧客の個人データを外部から閲覧できる状態になっていた。対象となるデータは16万2830人分で、氏名や住所、電話番号、性別のほか顧客がアップロードした身分証明書などの画像が含まれる。身分証明
大手電子コミックストアの1つである「めちゃコミック」、通称めちゃコミには意外な一面がある。サービス運営会社のアムタスが、大手化学メーカー帝人の情報システム子会社であるインフォコムの100%子会社なのだ。 なぜ化学メーカーの情報システム子会社が、電子コミック事業を手掛けるに至ったのか。本特集の第2回は、インフォコムの悪戦苦闘の歴史を振り返ろう。 日本には大手企業の情報システム子会社が多数存在するが、その中でもインフォコムは異例の存在である。同社は売上高の3分の2を占める電子コミック事業以外にも、外部の企業向けのソフトウエア事業やサービス事業を擁しているため、親会社向けのビジネスが売上高に占める割合は1割に満たないのである。 インフォコムの2023年3月期決算では、連結売上高703億4000万円のうち、電子コミック事業である「ネットビジネス」セグメントの売上高が462億4000万円と3分の2を
「まだ700台も残っているのか」――。富士通と米Amazon Web Services(アマゾン・ウェブ・サービス、AWS)の会見を聞いた筆者の感想だ。両社は2024年3月18日、グローバルパートナーシップの拡大と顧客システムのモダナイゼーション支援を発表した。その中で、富士通の島津めぐみ執行役員副社長COO (サービスデリバリー担当)(現職)が同社のメインフレーム残存数に触れたのだ。 島津副社長によれば、現在約700台のメインフレームと約9400台のUNIXサーバーが稼働しているという。富士通は2030年度末にメインフレームの製造・販売から撤退し、5年後の2035年度末で保守を終える。UNIXサーバーは2029年度下期に製造・販売を終了し、2034年度中に保守を終える予定だ。 脱メインフレームは間に合わない 果たして2035年度末までに700台あるメインフレームをすべて撤廃できるだろうか
NTTデータは2024年4月5日、独立系システム開発企業のジャステックに対しTOB(株式公開買い付け)を実施し完全子会社にすることを目指すと発表した。ジャステックは同日、NTTデータによるTOBに賛同する旨を表明した。 情報サービス産業協会(JISA)によると、2023年12月の情報サービス業の雇用人員判断指数(DI)は77.2と、2022年12月の80.3に次ぐ過去2番目の人材不足水準になった。2社はTOB実施・賛同の理由にそれぞれ「エンジニアリソースの質の向上・量の拡大」(NTTデータ)「IT人材の確保」(ジャステック)を挙げる。業界全体に広がるITエンジニア不足への対策が同業へのM&A(合併・買収)という手法にまで拡大した格好だ。 買い付け代金は約342億円。ジャステック株1株当たり1940円としており、4月5日の終値1410円に対し約38%高い。買い付け期間は2024年4月8日~5
NTTコミュニケーションズとNTT、NTTアーバンソリューションズの3社は、ロボット最適制御技術や無線ネットワーク制御技術などを実証用のロボットに適用し、ロボットによる配送時間の短縮を確認した。 実証は2024年2月5日から2024年3月15日まで1カ月強の期間、東京都港区にある複合施設「品川シーズンテラス」において実施した。まず同施設のビル内のオフィス入居者がオーダーアプリで商品を注文する。ビル内のコンビニエンスストアがその商品を他の階で待つ注文者へ配達するのを、自律走行型サービスロボットが代行する。 ロボット最適制御技術を用いることで、ロボットによる配送時間を約30%削減した。これまでもビル内の混雑状況を基にした走行経路の設定や所要時間の見積もりなどを実証で確認してきた。従来は固定的にルートを設定していたが、ロボット最適制御技術により、競合するロボットを回避しつつ最短経路を選べるように
国内外のプラットフォーマーや大手出版社がひしめく電子コミック市場。その中で大手の一角に食い込む「めちゃコミック」には、意外な一面がある。サービス運営会社のアムタスが、大手化学メーカー帝人の情報システム子会社であるインフォコムの100%子会社なのだ。 インフォコムは帝人や大手商社の双日の社内情報システムを手掛ける一方で、売上高の3分の2を電子コミック事業が占める。情報システム子会社が電子コミックの会社になった波瀾万丈(はらんばんじょう)の「転生物語」は、親会社依存からの脱却を目指す情シス子会社や、新規事業の開拓に悩む日本の老舗企業にとって参考になるだろう。
日本のITエンジニア人材が逼迫し大きな問題となるなか、IT業界は賃上げのニュースに沸いている。日経クロステックが複数のSIerに2024年春の賃上げ状況を聞き取ったところ、妥結済みまたは交渉中の賃上げ率(総額)は、5%を超えている。改善の兆しは明白だ。だが、本当にITエンジニアは、自身が生む価値に見合う給与を手にしているのだろうか。安月給に甘んじ、実は「不遇」をかこっているとは言えないか。 本特集では日本のITエンジニアの給与をさまざまなデータから読み解き、ITエンジニアが置かれている状況を「処遇」の観点から明らかにする。初回である今回は、まず日本のITエンジニア給与の国際比較を中心に見ていく。 日本のITエンジニア(ソフトウエアエンジニア)の平均年収は3万6061ドル(1ドル=150円換算で約540万円)で世界72カ国中26位。中国は3万6574ドル(約550万円)で日本の順位を上回った
リコーは日本語の処理性能を高めたLLM(大規模言語モデル)を開発し、同LLMを顧客ごとにカスタマイズして提供するサービスの販売を2024年4月から開始した。独自開発のLLMを起点に生成AI(人工知能)関連事業を拡大することで、複合機の販売からデジタルサービスの提供へ、ビジネスモデルの転換を加速させたい考えだ。 LLMのパラメーター数は130億規模。リコーは米Meta(メタ)の「Llama 2」をベースに開発した。学習データの選定やデータクレンジングにより、正確な日本語の文法で精度の高い回答を出すことに成功したという。日本語の文書を要約したり、日本語のFAQ(よくある質問)を自動で生成したりする用途を想定する。 「日本語ベンチマークツール『llm-jp-eval』で他のLLMと性能を比較したところ、評価スコアの平均値が最も高かった」とリコーの梅津良昭デジタル戦略部デジタル技術開発センター所長
人月商売のITベンダーの親玉であるSIerには、コンサルタントを徹底的に嫌う技術者や経営幹部がいまだに大勢いるというから驚いてしまう。ご用聞き故のコンプレックスか、仕事や客を取られることへの恐怖か、はたまたコンサルティング会社に下請け扱いされることへの屈辱か知らんが、本当に愚か者としか言いようがないな。コンサルタントをばかにしている暇があったら、自分たちもコンサルティング能力を身に付けたらどうか。でないと、客に愛想を尽かされ確実に滅びることになるぞ。 コンサルタント嫌いの人に「なぜ嫌いなのか」と聞くと、大概は似たような答えが返ってくる。「(客の)社長に口八丁でうまく取り入りやがって」とか「(システム開発や運用などの)現場を知らないくせに偉そうなことを言いやがって」とかの類いだ。もちろん私にそんな話をする場合はもっと丁寧な言葉遣いだが、本質的にはこの程度の内容。要するに、ビジネスパーソンの発
2024年3月21日、鉄道総合技術研究所(鉄道総研、東京都国分寺市)と伊豆箱根鉄道(静岡県三島市)が報道公開した「超電導き(饋)電システム」。その際に公開されたモニター画面には、超電導ケーブルに流れる電流と両端の電圧の時間変化を示すグラフがあった(図1)。
「モデル2」の開発を断念か──。米Tesla(テスラ)が現行の電気自動車(EV)のラインアップよりも価格を抑えた車種について開発を中止したという報道が流れている。いわゆる2万5000米ドル(約380万円、1米ドル=152円)以下の量販型EVだ。一部のメディアで「モデル2」などと呼ばれ、Teslaが2030年に年間2000万台の販売を目指すと述べていた車種である(図1)。 同社のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は報道内容をX(旧ツイッター)上で否定。そのため、現時点で真偽は不明だが、Teslaが開発を中止したとしても全く不思議はない。開発中止が事実だとしたら、その理由は容易に想像がつく。量販型EVは自動車メーカーにとって、もうからない領域のクルマだからである。 Teslaはこれまでプレミアム領域、すなわち高級EVに特化して販売を展開してきた。最も価格が低い「モデル3」でも3万9000
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増え続けるセキュリティー人材の需要に対し、供給が追いついていない。2023年のサイバーセキュリティー関連求人数は2014年比で24.3倍に増加。一方、セキュリティー関連業務への転職者数は2014年比で3.62倍にとどまる。リクルートが2024年3月15日に発表した調査結果で明らかにした。 セキュリティー関連の業務内容は多岐にわたる。調査では求人サイト「リクルートエージェント」に掲載された求人の中から、タイトルまたは業務内容に「セキュリティー」と表記があるものを抽出。この中から「セキュリティー経営」「セキュリティー統括」「セキュリティー監査」「脆弱性診断・ペネトレーションテスト」「セキュリティー監視・運用」「セキュリティー調査分析・研究開発」に関わる職種を選別した。 最も求人が多いのは運用・監視の業務だという。事業会社のセキュリティー部門の募集が増えているほか、セキュリティーベンダーでパッケ
ELYZA(イライザ)が国内勢として現時点での最高性能をうたうLLM(大規模言語モデル)を開発、同モデルを活用した生成AI(人工知能)サービスを2024年春に始める。「ELYZA LLM for JP」の名称で、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)経由で同モデルの機能を提供する。
半導体大手の米NVIDIA(エヌビディア)が2024年3月に開いた年次開発者会議「GTC」で、参加者が長蛇の列をなしたセッションがあった。あまりの人気ぶりに参加者の入場・着席が間に合わず、開始時間が約15分遅れたほど。同社によれば約900あったセッションで最も人を集めたという。 セッションの題目は「AI(人工知能)の変革(Transforming AI)」。深層学習に大きな進展をもたらしたとされるアーキテクチャー「Transformer(トランスフォーマー)」の論文「Attention Is All You Need(必要なのはアテンションだけ)」の著者が一堂に会し、エヌビディアのJensen Huang(ジェンスン・ファン)CEO(最高経営責任者)が司会を務めた。伝説的な論文の著者の話を聞こうと、数百人の参加者が会場に詰めかけたわけだ。 2017年に発表されたトランスフォーマーは革命的な
千葉県流山市のデータセンター(DC)の建設計画が、地域住民の反対で頓挫した。かつてDCは都心部の商業地域や工業地域に建てられることが多かった。ところが近年は大規模DCが住宅のある郊外地域に作られるようになったことで、住民から「迷惑施設」扱いされている。立地に細心の注意を払わなければ、今後もDC建設は頓挫しかねない。 千葉県流山市:第一種住居地域だった土地に大型DCの建設計画 2023年12月に頓挫したのは、東京都渋谷区に本社を置く「流山綜合開発K」という企業が、流鉄流山線流山駅の駅前、流山市役所の目の前にある1万2877平方メートルの土地で進めていた、地上4階・地下1階建てで高さ28メートルのDC建設計画だ。流山綜合開発KはこのDC開発のために設立した特定目的会社だ。 開発区域はもともと「飛地山」と呼ばれていた場所で、ある企業の保養所が建てられ、山は樹木に覆われていた。2018年ごろにマン
アクセンチュアは顧客のDXを支援するため、新しい発想を生み出しやすい雰囲気の施設やオフィスを有している(写真提供:アクセンチュア) アクセンチュアが大手ユーザー企業のIT子会社に共同出資する形式でDX支援を進めている。何を目指し、どんな取り組みを実践しているのか。アクセンチュアが仕掛ける「新型IT子会社」の実態を探る。
HOYAのシステム障害を受け、大手をはじめとするレンズメーカーで納期の遅れが全国的に発生していることが日経クロステックの取材で2024年4月4日までに分かった。プラスチック特注レンズなど一部レンズで影響が出ており、通常の納期から東海光学で2日、ニコン・エシロールで3日、日本レンズ工業で4日程度の遅れが生じる見込みという(いずれも取材時点)。 HOYAでは3月30日未明に製造システムで障害が発生。その後、眼鏡店などからHOYA以外のレンズの注文が急増し、レンズメーカー全体の納期の遅れにつながっている。ニコン・エシロールはあくまで同社の場合と断った上で、「HOYAのシステム障害発生後に商品が流れていなかった数日間、販売店側は状況を様子見していた。その数日間でたまったオーダーを一気に日曜日(3月31日)から週明けくらいにかけてシフト発注したため」(広報)と分析する。同社は納期の遅れを3日としたが
早稲田大学の研究グループが、制約のある組み合わせ最適化問題を量子コンピューターによって高精度で解くための新しい手法を開発した。制約を満たさない解を満たす解に変換する「制約適合処理手法」と、従来の手法である「変分法」を組み合わせた量子アルゴリズムを開発し、有効性を確認した。 今回の研究は早稲田大学理工学術院の白井達彦講師と戸川望教授らの研究グループが2024年3月14日に発表した。この量子アルゴリズムは、量子アニーリング方式と量子ゲート方式の両方の量子コンピューターに適用可能だ。従来の変分法だけを使用する手法に比べて、値が小さいほど解の精度が良いとする評価指標である「残留エネルギー」を、量子アニーリング方式で平均85%、量子ゲート方式で平均87%削減したという。 組み合わせ最適化問題は、膨大な選択肢(解)の中から、与えられた制約を満たしつつ、目的関数が最小値または最大値となるような解を求める
基幹系システムのような社内システムにおいても、オープンソースソフトウエア(OSS)の利用が増えてきた。クラウドサービスを使う場合や、開発担当者と運用担当者が連携する開発手法DevOpsを採用する場合など、OSSの利用を避けられない。 そんな中、OSSを採用した当初は想定していなかった誤算に直面するケースが浮上している。商用ソフトウエアに比べサポート期間が短かったり、脆弱性が見つかってもパッチが提供されなかったりといった課題だ。ユーザー企業は安易に初期費用だけを見てOSSを採用するのでなく、長期間の運用・保守も含めた体制の検討が求められる。 「OSSの採用がここ数年で基幹系にも広がったことで、同じバージョンのソフトウエアを長期間使いたいというユーザー企業の要望が増えている」。OSSのデータベースソフト「PostgreSQL」のサポートサービスを提供するNECの担当者は、最近のユーザー動向につ
NTT東西がメタル回線の代わりに携帯電話回線を活用した「ワイヤレス固定電話」サービスの提供を2024年4月1日に始めた。現時点で提供エリアは限られ、山間部や離島などメタル回線による固定電話サービスの提供が著しく高コストな地域が対象となる。対象エリアの利用者は全国50万世帯にとどまる。 ただしNTTは固定電話に用いるメタル回線の老朽化と維持費の高騰が進み、「2035年にメタル回線が設備限界を迎える」(NTTの島田明社長)と訴えている。島田社長は、固定電話サービスを維持する将来制度を提言した際に、ワイヤレス固定電話の活用を挙げた。その言動からは、メタル回線の代替として、無線技術の活用をより増やしたい考えであることが読み取れる。固定電話サービスを維持するために老朽化したメタル回線をどのような技術で置き換えていくか決断すべき時期が迫っている。 基本料は同じ、通話料は若干安い NTT東西のワイヤレス
「システム刷新はIT部門の都合でしょ。別に我々が頼んだわけでもないのに、付き合わされて大変なのだから、せめて新システムは現行通りにすべきだろ」 ある大企業のIT部門が、計画中の基幹系システム刷新について利用部門に説明したところ、利用部門からそんな声が飛んだという。読者が技術者などIT関係者なら、この発言をどう思うだろうか。おそらく「全社的に取り組むべき課題なのに、何て勝手なことを言っているのか」と怒りすら感じることだろう。 だが私は、この利用部門の人の意見はある意味、もっともだと思う。この企業の基幹系システム刷新の主たる目的が、いわゆる「技術的負債の解消」だったからだ。 技術的負債とは、長年にわたり場当たり的な保守作業を続けた結果、ソフトウエアが複雑化していく状況を示す表現だ。システムの老朽化ともいう。本物の(金銭的)負債と同様に、放置していると技術的負債も膨らみ続け、いずれ大きな代償を支
iPadをデジタルノートとして使う際に覚えておきたい標準アプリ「メモ」、および「iPadOS」に備わっている便利機能を確認しておこう。 iPadの標準「メモ」アプリの基本機能をおさらい 「iPad」の標準アプリ「メモ」は、シンプルに見えて実は奥が深い。デジタルノートとして使う際に役に立つ機能も多く備えている(図1)。「手書きメモ」機能は初めて搭載された頃よりもペンツールの種類が増え、ペンの太さや色もより細かく設定できるようになった。ユーザーインタフェースも改善され、それぞれのツールにアクセスしやすく進化している。 図1 標準アプリの「メモ」はテキストや手書き、ファイル、表などが扱え、1つのメモ内に混在できる。フォルダーやタグでメモを管理でき、手書きメモの検索にも対応。情報の格納場所としても優秀なアプリだ 従来からある「テキスト入力」や「表の挿入/編集」では、複雑な編集こそできないものの、必
不登校をAI(人工知能)で予測する――。こんな取り組みが2024年3月末まで埼玉県の戸田市で行われていた。2023年11月に戸田市内のパイロット校で試行を始め、同年12月から同市内の公立小学校12校、同中学校6校の計約1万2000人の児童生徒のデータを分析対象に、「不登校予測モデル」構築の実証をした。事業はこども家庭庁の「こどもデータ連携実証事業」として戸田市が受託し、内田洋行、PKSHA Technologyグループとともに進めたものだ。 不登校リスクモデルの目的は学校現場での「プッシュ型支援」につなげること。いち早く不登校の兆候がある児童生徒を把握し、教員が事前に支援する。自らSOSを発信できない児童生徒に対しても、先手を打って手を差し伸べる。経験の浅い教員でも支援のきっかけを得られる。 一方で個人の、それもネガティブと捉えられる傾向を予測する取り組みは、データの取り扱いだけでなく判定
「半導体マスクパターンの最適化設計にイジングマシンが適していることを見いだした。試したところ、効果を確認できた」との連絡を記者は受け取った。イジングマシンは、量子コンピューター(量子的な振る舞いを活用するコンピューター)の一種である。生成AI(人工知能)ブームに押されて最近やや影が薄くなっている量子コンピューターだが、現在のコンピューター(いわゆる古典的コンピューター)にはない潜在力を持つ。先端半導体はトランジスタ数が膨大であり、その設計は複雑だ。新たなコンピューティング技術の活用は重要である。 本題に入る前に、量子コンピューターとイジングマシンの関係を簡単に見ておく(図1)。量子コンピューターには量子ゲート型と量子アニーリング型がある。前者は、汎用性は高いが実用化は当分先。一方、後者は組み合わせ最適化問題に特化しているが、すでに商用マシンがある。ただし、扱える問題の規模は大きくない。量子
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