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会話術
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出勤先は顧客オフィスがあるビルの1室、隣の席で働くのは顧客、自社に戻るのは月に1度――。初めて聞く人は驚くかもしれないが、顧客の用意した環境で働く「客先常駐」はIT業界では一般的な働き方の1つだ。システム開発や運用業務をITベンダーが担うSES(システム・エンジニアリング・サービス)契約でよく採用される。 働く場所は顧客の隣の席だったり、別のビルにあるプロジェクトルームだったりとプロジェクトによって様々だ。客先に出社する頻度も週5日とする場合もあれば、週2日程度は客先、残りの週3日は自社で作業する場合もある。 なぜこのような働き方がIT業界では一般的なのか。リクルートの丹野俊彦IT・通信業界担当コンサルタントは「(顧客となる事業会社側に)システムを外に出したくないという考えがある」と指摘する。特に金融など重要情報を扱う業界では、データの持ち出しを厳しく制限しているところが多い。本来は社内S
LLM(大規模言語モデル)単体ではなく、複数のLLMに検索システムなどを組み合わせた「複合AI(人工知能)システム」がこれからの主流になる――。そう指摘するのは、データ分析基盤を提供する米Databricks(データブリックス)の共同創業者、Matei Zaharia(マテイ・ザハリア)CTO(最高技術責任者)だ。 ザハリアCTOはカリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)の博士課程に在籍していた2009年に、ビッグデータ分析のオープンソースソフトウエア(OSS)である「Apache Spark」の開発プロジェクトを始めたことで知られる。データブリックスはSparkをベースにしたデータ分析基盤を提供するスタートアップで、ザハリアCTOは今もUCバークレーの准教授を務める。 複合AIシステム(Compound AI Systems)とは2024年2月に、ザハリアCTOがUCバークレーの
ノートパソコンからの買い替えに際し、筆頭候補となるのがミニPCだ。本体は一般的な製品で縦横が11~13cmほど。セパレート型のデスクトップ機や15.6型のノートパソコンと比べると、驚くほどコンパクトだ(図1左)。最近は、本体の縦横が8cmという製品もある(図1右)。あまりに小さいため、まともに動くのかという不安に襲われるが心配無用。こう見えてノートパソコンならハイエンドクラスに匹敵する性能を有するものもある。
オープンソースソフトウエア(OSS)が曲がり角というか、何か変えるべきタイミングに差し掛かっているような気がする。「Netscape Communicator」のオープンソース化やエリック・レイモンド氏の「ハロウィーン文書」が公開されるなどOSSが盛り上がった当初から、付かず離れず的な距離で接してきた。首まで深くどっぷり漬かってコミュニティーに愛された今は亡き同僚のT記者とは異なり、残念ながら筆者の顔は売れなかったがそれなりに気にはかけていた。 OSSは大いに浸透し、今やどこの企業システムをとってもOSSがまったく使われていないということは考えにくい。そもそもアプリケーションを動かすサーバーの多くがLinuxであり、OSSが関わっている。 サプライチェーン攻撃はOSS故なのか 最近、「OSSにとっての危機」と一部で指摘されている事件が起きた。Linuxでよく使われるファイルの圧縮/展開用ソ
ネット企業出身CIOがデジタル部隊をリード 事実、この数年間で日清食品HDが手掛けた数々のデジタル施策は目を見張るものがある。生成AI(人工知能)をいち早く導入し、既に3万時間超の業務を効率化する成果を上げた。ローコード/ノーコード開発ツールを駆使し2年間で350超のシステムを内製。RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)なども活用し、約800の業務を対象に年間17万時間の業務工数の削減も達成した。約40年間稼働したメインフレームの撤廃も完了済みだ。 同社のDX(デジタルトランスフォーメーション)をリードするのが、成田敏博執行役員CIO(最高情報責任者)である。成田CIOはDeNAやメルカリといったネット企業でIT部門のマネジメント職を歴任した後に、その手腕を買われて2019年に日清食品HDへ招かれた。2021年からCIOとしてデジタル部隊の陣頭指揮を執る。
長く使えるパソコンを選ぶ際には、インタフェースにも目を向ける必要がある。使い勝手を重視するなら「USB PD」[注1]と「DP Alt」[注2]をサポートしたUSB Type-C端子は必須といえる(図1)。
iPadをiPadOS 17以降にアップデートすると、映像信号をUSB経由でやり取りする「USB Video Class」(UVC)規格に対応する。iPadに特別なドライバーをインストールしなくても、ゲーム機やパソコンの外付けディスプレーとして使えるようになる。 今回はこのUVCを使って「12.9インチiPad Pro」を「Nintendo Switch」(以下、Switch)の外付けディスプレーにする方法を紹介しよう。 HDMIキャプチャーボックスが必須 iPadOS 17以降では、ゲーム機やパソコンのHDMI端子から出力された映像信号を、iPadのUSB Type-C端子に入力できる。前述のように特別なドライバーは不要だが、「HDMIキャプチャーボックス」(以下、キャプチャーボックス)と呼ばれる装置が必要になる。 HDMIキャプチャーボックスは安いもので3000円程度、高いものでは数万
千葉県流山市のデータセンター(DC)の建設計画が、地域住民の反対で頓挫した。東京都渋谷区に本社を置く「流山綜合開発K」という企業が、流山市役所の目の前にある1万2877平方メートルの土地で進めていた、地上4階・地下1階建てで高さ28メートルのDC建設計画だ。流山綜合開発KはこのDC開発のために設立した特定目的会社だ。 開発区域はもともと「飛地山」と呼ばれていた場所で、2018年ごろにマンションの建設を目的に整地された。しかしマンション建設は周辺住民との交渉がまとまらず、用地は流山綜合開発Kに売却された。 流山綜合開発KはDCの建設を進めるため、用途地域の変更を要望する都市計画提案書を2020年11月に流山市へ提出した。その結果、2022年1月にこの土地はそれまでの第一種住居地域から商業地域に変更され、建ぺい率は60パーセントから80パーセントに、容積率は200パーセントから400パーセント
総務省は2024年4月16日、富士通Japan製システムを導入した高松市において住民票の写しが誤って交付された件で、親会社の富士通に対して行政指導を実施したと発表した。富士通に原因究明と再発防止策の徹底、その実施状況の報告を求めた。富士通Japanは高松市に提供したコンビニ証明書交付システム「Fujitsu MICJET コンビニ交付」で、申請者と異なる住民の住民票を発行したことを同日明らかにしている。 富士通広報によると、誤交付が発覚した経緯は以下の通りだ。2024年4月4日に高松市が「コンビニ証明書交付システムでエラーが発生している」と富士通Japanに問い合わせた。高松市がエラーの対象となった住民を特定し、事態を確認したところ、住民票が誤交付されていたことが発覚した。富士通広報が把握している限り、誤交付はこの住民向けの1件だけであるという。 誤交付の原因として富士通Japanは「複数
米Google(グーグル)といえば、生成AI(人工知能)やクラウドサービスで派手な技術を打ち出す印象が強い。ただサイバーセキュリティー分野では、派手さはないが実用的な技術やサービスをしばしば発表していて、筆者はひそかに楽しみにしている。以前にも「グーグルがオープンソースソフトウエア(OSS)にお墨付きを与える」という渋いサービスを取り上げたことがある。 そんなグーグルが2024年4月2日(米国時間)、また渋いセキュリティーの新技術を発表した。同社が「デバイス・バウンド・セッション・クレデンシャルズ(DBSC)」と呼ぶ技術である。まだあまり注目されていないが、「クッキー泥棒」ともいうべきサイバー攻撃への対策の決め手になる技術かもしれない。そう感じ、サイバーセキュリティーの専門家に取材することにした。 「ログインできるクッキー」が狙われている クッキー泥棒とは、ユーザーのWebブラウザーに保存
著名なセキュリティーリサーチャーのpiyokango氏が注目のシステムトラブルをピックアップ。今週の注目ネタは……。 今回取り上げるトラブルは、日本信用情報機構へのなりすましによる情報開示と、日水コンのWebサイトへの不正アクセス、お茶の水女子大学への研究用サーバーへの不正アクセスを取り上げる。 スマホアプリを使ったなりすましの申し込みに16件開示 貸金業に関連する個人信用情報を取り扱う日本信用情報機構(JICC)は2024年4月1日、信用情報の開示サービスにおいて偽造された本人確認書類を使った申し込みに対して個人信用情報を開示したとして、謝罪した。 開示したのはスマホアプリを使った申し込みに対してで、発表時点までに16件確認されたという。 JICCは2024年3月最終週の数件の開示申し込みにおいて、本人確認に偽造書類を使われていることを確認した。これらの申し込みについては情報開示を防げた
ユーザー企業のCIO(最高情報責任者)やCDO(最高デジタル責任者)を輩出する日本IBM。CIO/CDOとなる人材が成長した背景には、米IBMも含めたグループ全体の「継続的な学び」「キャリア自律」という組織文化や、それを支える研修制度があった。 「『学ぶことが当たり前』という文化が全社的にある」――。日本IBMの山田淑子テクノロジー事業本部セールス・イネーブルメント部長はこう話す。米IBMの初代社長、トーマス・ワトソン・シニア氏は「教育に飽和点はない」と述べ、人材育成や社員の学びに力を注いだ。このことがIBMのDNAになっているという。2013年、当時の最高経営責任者(CEO)であるジニー・ロメッティ氏は、社員に年間最低40時間の学習を求めるスローガン「Think40」を掲げた。 例えば、WatsonやIBM Cloudを駆使した「Your Learning」というオンライン学習プラットフ
NECやNTTなど、国内大手ITベンダーが手掛ける大規模言語モデル(LLM)サービスの概要が見えてきた。米オープンAIの「GPT」や米グーグルの「Bard」など海外勢と比べ、国産LLMはパラメーター数が小さいのが特徴だ。「小さいLLM」が見いだす勝算を探る。 国内大手ITベンダーが2024年、ついに大規模言語モデル(Large Language Models:LLM)サービスの提供を始めた。NTTは2024年3月に「tsuzumi(つづみ)」を発表。NECも2024年春ごろに「cotomi(コトミ)」をそれぞれ提供する予定だ。さらにソフトバンクも2024年内にLLMを開発するとしている。 NTTやNECが提供する国産LLMはいずれも、「大規模」言語モデルとはいえ米オープンAIの「GPT」などに比べるとコンパクトだ。実はこの規模を選んだことこそが、2社それぞれの見いだした勝ち筋でもある。
パブリッククラウドサービスのコスト削減が多くの企業にとって課題の1つになっている。Microsoft Azureのような海外クラウドの料金はドル建てで、円安・ドル高が進むほど支払額は増える。Azureでのシステム開発や運用保守の経験が豊富なパーソルプロセス&テクノロジーのスペシャリストが、Azureコストの削減の要点を伝授する。今回はクラウドの中核ともいえるVM(仮想マシン)とデータベースのコスト削減を取り上げる。 サイズ適正化の実態 Azureに限らずクラウドは従量課金制であることが重要な要素の1つであり、オンプレミス基盤と比較した際のコスト面における大きな特徴であった。オンデマンド=「必要なものを必要な分だけ」という思想のもと、性能変動に合わせて設定を変更し、コストを最適化した状態で運用するつもりでクラウドを導入した企業は多いだろう。 実際、サイズの適正化にはコスト削減の余地が極めて大
4月から新年度を迎え、部署を異動した人や新入社員など、職場に新顔が増える時期になりました。異動や退職、入社には、業務の引き継ぎがつきものです。就業してある程度の期間を経た人の多くが、引き継ぎをしたりされたりといった経験を持っていると思います。引き継ぎの首尾は、後任の担当者の働きやすさに影響します。悪くすると、後任の在職期間が短くなってしまうこともあるのです。 人材派遣営業として約10年働いてきた筆者は、引き継ぎ期間の最中や終了後、早期に退職を希望する派遣スタッフをたびたび見てきました。派遣スタッフ当人に原因があるケースもありますが、引き継ぎをする側――つまり派遣先の企業や前任者の配慮不足を感じるケースも珍しくありません。引き継ぎで今後の仕事に不安を抱いた派遣スタッフが、ほどなく退職してしまうのです。 自社に「派遣スタッフがすぐ辞めてしまう」「なぜか新入社員が定着しない」といった部署があった
技術者、特に人月商売のIT業界で多重下請け構造に絡め取られ苦吟してきた技術者にとっては、人生を変える最大のチャンス到来だな。人生を変えるとは多少オーバーだが、要するに転職の好機がようやく巡ってきたのだ。この機を逃す手はないと思うぞ。それに、人月商売のIT業界はまもなく構造不況に陥り「死滅」に向かう。これは日本にとってめでたいことなので私は大歓迎だが、技術者にとっては地獄が始まる。だから、転職を急ぐべし。 何をもって今が転職の好機といえるのか。もはや説明するまでもないと思うが、いまだにぐずぐずしている技術者の背中を押すために少し書いておこう。何点かある。まず景気が完全に良くなったとはいえないものの、ましにはなった。少なくともモノやサービスがどんどん安くなるデフレ経済は一掃された。日本の「失われた30年」などといわれた頃は、人員の削減や非正規雇用の増加といった暗い話題ばかりだったが、今は空前の
認証を含む開発においてトヨタ自動車が管理を強化すれば不正の再発を防止できると捉えているように思える。ところが、識者からは不安視する声が上がる。(出所:日経クロステック) 「率直に言って、心配な船出だ」──。ダイハツ工業とトヨタ自動車が、ダイハツ工業による不正の再発防止に向けた新たな体制について発表(図1)。その組織変更の図を見た自動車技術に詳しいアナリスト(以下、自動車系アナリスト)の第一声がこれだ。「この図を見ても、なぜ不正の再発を防止できるのかが分からない。ダイハツ工業を不正とは無縁のまともな自動車メーカーに変えたいのであれば、一目で世間の人々がそう理解して納得できる図を見せるべきだ」と手厳しい。 両社がメディアに示した組織変更は、両社にまたがる「新興国小型車カンパニー」からダイハツ工業を切り離し、トヨタ自動車だけで「コンパクトカーカンパニー」をつくるというもの(図2)。これが製品企画
中国・上海市で開催された世界最大級の家電見本市「AWE(Appliance & Electronics World Expo)2024」(2024年3月14~17日)を取材していると、中国Haier Group(ハイアールグループ)のブースで不思議な展示を見つけた。同社の冷蔵庫「DELICACY」シリーズの新型モデル「Boguan 660」のチルド室に、2個の方位磁石が設置されていたのだ(図1)。
日本IBM出身者が、ユーザー企業のCIO(最高情報責任者)やCDO(最高デジタル責任者)などデジタル部門のトップに就任する例が増えている。化学や保険、商社など業種を問わず起用されている。経済産業省と東京証券取引所などが選定する「DX銘柄」に選ばれた旭化成や双日など、DX(デジタルトランスフォーメーション)先進企業として認知されている企業も多い。アシックスのように日本IBM出身CDO・CIOが社長に就任するケースも出てきた。日本IBM出身のCIO/CDOによるDXの先導を期待する日本企業が増加しているようだ。 「人を動かす力のある人材を意識的に育ててきた結果だ」。IT業界の動向に詳しい調査・コンサルティング会社アイ・ティ・アール(ITR)の内山悟志会長兼エグゼクティブ・アナリストは、日本IBMがCIO/CDOを数多く輩出している背景をこう分析する。 上の表は、近年、日本IBM出身のCIO/C
「ワイヤレス固定電話」は、メタル回線の替わりに無線技術を使ってNTT東日本とNTT西日本が提供する固定電話サービスである。2024年4月から一部地域でサービスが始まった。現在のところはメタル回線を維持しにくい不採算地域に限って提供する。制度の見直しにより、将来は提供エリアが広がる可能性がある。 無線技術には携帯電話事業者から借りた携帯電話用の回線を使う。NTT東西は固定電話回線と携帯電話回線の間で音声信号を変換する専用アダプターを開発。サービスの利用者は、固定電話機にこのアダプターをモジュラーケーブル(電話線)でつないで使う。 2024年4月時点で料金体系はNTT東西の既存の固定電話に準じているが、一部で違いもある。基本料金は1級・2級取扱所の住宅用で月額1760円(税込み、以下同)など、住宅用と事務用ともにNTT加入電話と同一である。通話料金は全国一律3分8.8円と固定電話の同9.35円
NTTとNTTデータグループは2024年4月12日、英国と米国の国内で実証実験を実施し、NTTグループが所有する約100キロメートル離れたデータセンター(DC)間を1ミリ秒以下の低遅延で接続することに成功したと発表した。同社の次世代ネットワーク構想「IOWN(Innovative Optical and Wireless Network、アイオン)」の光通信インフラ「オールフォトニクスネットワーク(APN)」を利用して実現した。 実証実験の結果、400Gbps(ギガビット/秒)の通信において両DCを1ミリ秒未満の遅延、1マイクロ秒未満の遅延ゆらぎで接続できたという。英国ではへメル・ヘムステッドとダゲナムのファイバー長で89キロメートル離れたDC間で、米国ではバージニア州アッシュバーンにある4キロメートル離れたDC間で実証実験を行った。いずれもNECのAPN機器で接続し、両DC間の往復遅延と
2024年3月、米OpenAI(オープンAI)の「ChatGPT」に強力なライバルが出現した。それが米Anthropic(アンソロピック)の「Claude 3」だ。Anthropicは、複数のベンチマークテストで「ChatGPT」や米Google(グーグル)の「Gemini Ultra」よりも高いスコアを出すとうたっている。 筆者は「ChatGPT Team」を1人で使っているが、あまりにも「Claude 3」の評判がいいので契約してみた。ここでは「ChatGPT(モデルは主にGPT-4を利用)」と「Claude 3」の使い勝手を比較してみたい。 小説を要約してみる Claude 3には3つのモデルがある。無料で利用できるモデルが「Sonnet」だ。他には月額20ドルの有料版で利用できる「Opus」と「Haiku」がある。Opusは高い推論力を駆使して回答し、Haikuは高速に回答が可能だ
生成AI(人工知能)を含む最新のAI研究動向を知るため、世界中の研究者やエンジニアが参照しているのが、米コーネル大学が運営する論文速報サイト「arXiv(アーカイブ)」である。米OpenAI(オープンAI)や米Google(グーグル)などAI開発を主導するIT企業の多くが、研究成果をarXivに競って投稿している。 arXivは査読前の論文を掲載するプレプリントサーバーのため、信頼性は査読付きの学術誌に劣るが、速報性では随一である。成果を検証できるプログラムコードやデータを同時掲載しているケースもあり、arXiv論文の掲載を契機に実装やサービス化が加速する例も少なくない。 今回はそんなarXivの投稿論文から、SNSのX(旧Twitter)で最も多く言及されたAI分野の注目論文を紹介する。調査には米Meltwater(メルトウォーター)のSNS分析ツールを利用した。調査期間は2024年2月
大規模言語モデル(LLM)をマルチモーダル化し、ロボットの行動生成AIとして応用しようとする動きがここ1~2年相次いでいるが、驚くべきことにその商用化が突然やってきた。 この領域では米Google(グーグル)が活発な取り組みを見せており、世界の中でトップランナー的な立ち位置にあったが、今回、商用化一番乗りを遂げたのはこのグーグルではない。ロボット機械学習の世界的な権威で、本誌でも度々解説しているスター研究者、Pieter Abbeel氏が創業したロボットAIスタートアップ、米Covariantだ(図1)。
キヤノンの半導体露光装置事業がかつての勢いを取り戻している。ArF液浸露光装置やEUV(極端紫外線)露光装置を事業化できず、オランダASMLやニコンとの開発競争に敗れた同社。ところがここにきて、生成AI(人工知能)を支える先端パッケージング向けの市場を総取りしている。ナノインプリントリソグラフィー装置を発売し、微細化の最先端にも返り咲く(図1)。フルラインナップで王者ASMLに対抗しようと、かつて撤退したArFドライ露光装置も開発を続け再参入の機会をうかがう。 半導体露光装置の金額ベースの市場シェアは、経済産業省の資料によれば足元でASMLが9割強を占める。同社は台湾積体電路製造(TSMC)や韓国Samsung Electronics(サムスン電子)、米Intel(インテル)などの最先端工場に欠かせないEUV露光装置(波長13.5nm)市場を独占。露光波長別で1つ前の世代に当たるArF液浸
ギガワット規模の蓄電池を併設 米国の南西部に位置するアリゾナ州というと、グランド・キャニオンの切り立った渓谷や広大な砂漠の風景が思い浮かぶ。そんな雄大な自然を擁するアリゾナ州で、2024年3月、同州で最大規模のエネルギー貯蔵設備が稼働した。 このエネルギー貯蔵設備は、出力260MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)に併設されており、1GWhもの電力量を充電することができる(図1)。
日本のITエンジニア(ソフトウエアエンジニア)の年収は2023年に世界26位。円安の影響があるものの日本のITエンジニアの給与水準は中国にも抜かれ、国際的に「安月給」になっている。なぜ日本のITエンジニアの賃金は上がらないのか。今回は日本国内のITエンジニアの賃金事情を探る。 日本のITエンジニア(ソフトウエアエンジニア)の給与水準が2023年に世界26位になったのは円安のせいで、一時的ではないか――。2024年の春闘などを見て、そう思える。IT業界だけでなく日本全体が賃上げムードなのは間違いない。 だが残念なことに、日本におけるITエンジニアの給与の伸び率は海外諸国に見劣りする。人材派遣会社のヒューマンリソシアが推計した「ITエンジニアの給与の増減率(2023年)」によると、各国の現地通貨ベースで比較した給与の伸びであっても日本は0.4%と低い水準だ。 主要国を比較した場合、フランスは3
この連載で以前、「プログラマーは不要になるかもしれない」というコラムを書いたことがある。米GitHub(ギットハブ)が2023年11月発表した新サービス「Copilot Workspace」では、コード生成以外にも実装のための計画作成やテスト実行、プルリクエスト送信など、ソフトウエア開発に必要な多くの作業を生成AI(人工知能)が行う。 もっともCopilot Workspaceは「Copilot(副操縦士)」という名前が示すように、あくまで人間を補佐するというスタンスだ。ここにきて、AIによる自律型のソフトウエアエンジニアも登場した。米Cognition(コグニション)が2024年3月に発表した「Devin」だ。先のコラムでは「AIによるサービスが進化すれば、いずれはプログラマーを置き換えるのではないか」と考察したが、早くも現実になりつつある。 Devinは、解くべき課題を人間が与えるだけ
本籍地以外で戸籍証明書などを取得できる戸籍の広域交付制度が始まった。ところが施行初日の2024年3月1日から証明書が発行しにくいトラブルが起きた。市区町村が法務省の戸籍情報連携システムにアクセス。対象の戸籍情報を検索する際の負荷が高まったことが原因だ。法務省の想定と市区町村の現場での運用に乖離(かいり)があった。 「法務省のシステムが十分稼働できなかった。おわびを申し上げたい」――。小泉龍司法相は2024年3月5日、広域交付制度の開始初日から続くトラブルを受け、こう謝罪した。 改正戸籍法の施行に伴い、本籍地以外の市区町村で戸籍証明書などの交付を受けられる「広域交付制度」が始まった2024年3月1日。全国の市区町村で戸籍証明書などを発行しづらくなるトラブルが起きた。市区町村の職員が、対象者の戸籍情報を取得するため法務省の「戸籍情報連携システム」にアクセスした際の処理に時間がかかったり発行でき
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