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「稲盛和夫」には日本人が失いそうな精神がある
「思無邪」と書いて、「おもいよこしまなし」と読み下す。薩摩藩の名君・島津斉彬の座右の銘で、鹿児島... 「思無邪」と書いて、「おもいよこしまなし」と読み下す。薩摩藩の名君・島津斉彬の座右の銘で、鹿児島県民なら誰もが知っているという。飾らず偽らない心、といった意味のこの言葉を題にしたのは、同じ鹿児島出身の「経営の神様」稲盛和夫・京セラ創業者の評伝である。筆者の作家、北康利氏に稲森氏をどんな人物とみるのか。 自分にも社員にも猛烈に厳しかった ──過去に多くの実業家の評伝を手がけてきました。今回、稲盛氏を取り上げた理由は。 評伝を書くのは労働集約的な作業で、年に1〜2冊が精いっぱいです。限られた時間で誰を書くか。それは「日本にとって今、何が重要なのか」が基準です。今回は稲盛氏の人生を通して、「人々が一生懸命働かなければ、この国は立ちゆかない」ということを伝えたかった。 稲盛氏はよく知られているように、猛烈に厳しい人です。現役の頃は毎朝洗面所で自分の顔を見て、「昨日は何をやったか。酒なんか飲んでしま
2019/06/23 リンク