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雑学
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図形の合同がテーマの対戦パズルゲーム「ゴドマチ」を考案した2018年1月19日(金)から、約2か月。年度末の3月25日(日)に、また別の数学ゲームを考案しました。 ゲームの名前は「陣目取(じんめとり)」。囲碁や五目並べに似たゲームで「線対称」がテーマになっています。対称性を意味する英語「シンメトリー(symmetry)」をもじって名付けました(漢字表記はみらいけん数学デー常連Tさんの考案です)。 ルールはとても簡単なのですが、深い読み合いが要求されます。安易に攻めると守りが薄くなって大逆転されたりします。囲碁のセット「碁盤と碁石」、あるいは「方眼紙とペン」があればどこでも気軽に遊ぶことができる、楽しいゲームです。
を読んでいると、見覚えのある数列が出てきた。基本三角形との関連で紹介されている、スターンの二原子数列。高校時代に有名なフラクタル図形、シェルピンスキーのギャスケットのことを調べていて、同じ数列に出くわしたことがあるのだ。基本三角形は、基本平行四辺形の半分なので、こじつければ模様と無関係ではないかもしれないのだが。 『格子からみえる数学』とは違う方法で、このスターンの二原子数列を構成してみよう。パスカルの三角形から始める。 いつも見るのと違うかもしれないけれど、左端を揃えてあるだけで中身は変わらない。中の数はどれも、左上の数と真上の数の和になっている。 よく知られている事実だが、パスカルの三角形からフィボナッチ数列を作ることができる。 こんな感じにパスカルの三角形の斜めのところを足し算すればよい。赤い数字の列を縦に読めば、前二項の和が次の項になっていることが確認できるだろう。 ところで、パス
3種類のひし形(を組み合わせた正14角形)ができる。 辺の長さが等しいひし形の組合せなので周期的な平面敷き詰めが可能なのは当たり前なのだが、非周期的にも平面敷き詰め可能だろうか。 昔webの通販で、これと同じひし形を使った外国製の玩具を見かけたことがあった。そのせいだろう、これまでペンローズタイルの拡張、つまり平面を非周期的に敷き詰め可能だと思い込んでいた。実際のところは、どうなのだろう。私自身は怠慢・無能力の故に確かめていないのだけれど。 今度は正9角形。
一方、ペンローズタイル自体を折紙作品の展開図だと思って折ってやると、何ができるだろう。もちろん、そのまま(ひし形のタイルのまま)では上手く折れないので折り線を足す必要がある。試行錯誤。トライしてみると、案外きれいに折れて面白かった。 前例がないかどうか、三谷純さんに聞いてみたら「聞いたことがないですので、面白い試みですね」とのお返事を頂き、これは有望かもしれないぞと嬉しくなってしまった。折る前の原紙はこれである。 どういう経緯でこれを思いついたのか。私の所属するパズル懇話会の会誌の編集を今回仰せつかったのだが、この会誌、モノクロ印刷である。表紙に使えるいい模様はないかと、過去のブログ記事を読み返していたら「ペンローズタイルの作り方」の途中段階、二等辺三角形タイリングの状態が二色で塗り分けできることに気が付いた。 ここで、ふと折り紙の「二色定理」を思い出した(平坦に折り畳める折り目で区切られ
2018年1月19日(金)ひとつの数学ゲームを考案しました。ゲームタイトルは「ゴドマチ」。図形の分割を楽しむ、ターン制戦略パズルゲーム「合同を待ちながら」の略称です。ちょっとだけ石取りゲーム(ニム)に似ています。 ルールはとても簡単なのですが、深い読み合いが要求され、終盤一気に緊張感がアップ。方眼紙とペンがあればどこでも気軽に遊ぶことができる、楽しいゲームです。 神保町のみらい研究所で毎週火曜日に開催されている「みらいけん数学デー」の来場者を中心に人気を博しており、「第3回 日曜数学会 in 札幌」など、プレイヤーの輪が広がり始めています。これまでゲームを考案したことはなかったのですが、色々な人から色々なアイデアを頂き、お蔭様で一人前のゲームに育ちつつあります。
Mizusumashi's Art & Craft Notes / geometric patterns blog・幾何学模様・タイリング・タイル張り・平面分割・敷き詰め・埋め尽くし・リピート・伝統文様・紋様・柄・結晶群・シンメトリー・接合せ・パッチワーク・金襴・緞子・縮緬・地紋・格子・準結晶・テセレーション・パターン・テキスタイル・デザイン・エッシャー・ペンローズ・フラクタル・平面充填・壁紙・対称性・万華鏡・アラベスク・モザイク・寄木細工・組子・切子・刺し子・キルト・小紋
この記事は 日曜数学 Advent Calendar 2016 の21日目の記事です。昨日、20日目の記事はキグロさんの「√2が無理数であることの別証明」でした。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1 はじめに 早いもので、昨年の日曜数学 Advent Calendar2015から1年が経ってしまいました*1。この1年間わたしは何をやっていたのだろう。 相変わらず、数学イベントには色々と参加しています。今年度4月から9月までの半年で36件のイベントに参加しました。年間72件ペース。昨年度の年間45件という記録を塗り替える勢いのハイペースです。日曜数学会では何を発表したのだったか。2016年に入ってからで数えるとウィア=フェラン構造の話とか、板東さんの夢のタイル張り定理の話とか、十字手裏剣の求積問題とか、1種類のタイルによる敷き詰め模様の話とか
黄金比の一般化としては、たとえば貴金属比というのが知られている(白銀比、青銅比など)。でも、ここで考えたいのは、別の方向への拡張だ。 黄金比は正5角形と関係が深い。正7角形や正9角形、一般の正n角形で黄金比に相当するものは何だろうか。この辺りのことがわかると、ペンローズタイルの拡張を考えるのに役立ちそうだ。少し難しいけれど、やってみよう(なお、ペンローズタイルをご存知ない方は、過去の記事「ペンローズタイルの作り方」を参照頂きたい)。
ご存知ない方に自己紹介。私は模様を愛する総務のおじさんです。パズル懇話会と日本折紙学会の会員です。日曜数学会や数学カフェに出没しています。今年、日本科学未来館で開催されたサイエンスアゴラでは 日曜数学100連発 に登壇し「幾何学模様の不思議な世界」と題して発表を行いました。 今日は模様の分類について書きます。美しい幾何学模様は眺めているだけで心が躍ります。世の中には模様の図鑑がいろいろあります。ただ、すこし不満なことがあります。多くの図鑑では歴史的・地理的な模様の分類が行われているのですが、模様そのものの持つ性質によって数学的に分類されていたら、もっと楽しいのにと私は思うのであります。 模様にはふた通りあります。周期的な模様(繰り返し模様)と、そうでない模様です。周期的な模様とは平行移動によって、自分自身と重ねることができるような模様のことをいいます。平面上の周期的な模様、いちばん普通の模
今年、図形パズル研究所というチームで探索を行い、Lee Sallowsさんの発見分以外に21種類のSelf-tiling tile setsを発見した(私も3種類発見した)。このたび図形パズル研究所+秋山久義さんの許可を得て、パズル懇話会の会誌(こんわかい・NEWS Vol.37 No.4)より記事を転載する。詳細、次のリンクを参照頂きたい。
最近凸五角形タイリングで大発見があった。なんと15番目のタイリングType15がアメリカの大学のチームによって発見されたのだ。14番目を発見したのはドイツの大学院生ロルフ・シュタイン(1985年)だったそうで、今回のタイリングは、じつに30年ぶりの新発見である。
いわいまさか さんとのコラボ。今回も幾何学アニメだが、テーマはフラクタルから離れる。合同な凸五角形による平面充填である。 平面充填できる凸五角形には少なくとも14種類のタイプがあるらしい。http://katachi-jp.com/paper/26(2).pdfの4ページ目に記載がある。この14タイプの内、自由度がちょうど1の(パラメータ1つで描ける)ものは、9種類。この9種類は、パラメータを時間とともに変化させることで、自然にアニメーションにすることができる。ということで、いわいさんの力を借りてトライしてみたのが、Type3とType10のアニメ化である。ちなみに役割分担は、私が個々の五角形の座標計算を主に担当し、あとはいわいさんの方で形にしてもらった。 これがType3で
1 動く壁紙プロジェクト (1) 歴史調査 (2) 数学的分類 (3) アニメ化 (4) メカ化(レゴ・割ピン紙モデル・etc.) (5) 応用探索 2 幾何学模様大図鑑プロジェクト 3 相似タイリングについて調査 4 n回対称非周期タイリングについて調査
10/19(土)-20(日)に開催されるマスパーティ内の企画として、数学ゲーム大会を主催することとなりました、三好でございます。 ゲーム大会の説明の前に、そもそもマスパーティとは何でしょう? 一言でいえば30時間ぶっ通しの数学イベントです。詳細、この辺りをご覧頂ければ幸いです。
最近、GIZMODOの「このくるくる回る白いドット、実は真っ直ぐ往復してるだけなんだぜ」という記事をTwitter他で紹介した。"Crazy Circle Illusion! "という、ふた通りの解釈ができるアニメーションの紹介記事である。 すると、友人の宮本尚さんから「これは、それぞれのドットの動くタイミングを変えるとどうなるんですか?」という質問があった。少し考えて「白いドットでできた図形が変形して行くのではないかと思います」と答えたのだが、そのときはどんなふうに変形するのかまでは想像が及ばなかった。今日は実際にアニメーションを作ってみたので、それをご紹介したい。 ひとつの白いドットの移動速度に注目すると、もともとの動画は速くなったり遅くなったりしている。大きな円の中心付近では速く、円周付近では遅い。まず考えたのは、この白いドットの移動速度を等速にしたらどうなるかということである。やっ
裁ち合わせの問題 Both Sides Now シリーズの続編。 パズル懇話会(Academy of Recreational Mathematics, Japan)での発表スライドを、またWeb用に改造して公開したので、そのご紹介である。詳細は次のSlideShare上のスライドをご参照いただきたい。 前回は主に正多角形のBoth Sides Nowについての研究だったが、今回は長方形と平行六辺形のBoth Sides Nowが研究対象である。正多角形と大きく違うのは、額縁の内と外とが相似にならないところ。結構自由度が高いので、この路線だけでも色々な問題を作れそうだ。 面積が同じ多角形同士ならいつでも裁ち合わせ可能なのだけれど、ときどき特別にピース数が少なくて済む時がある。その特別なケースを探ること(=設問を考えること)それ自体がパズルとして面白いのだけれど、なかなかこの面白さは、やって
周期的タイリングの模様例の整備をする中で、縮尺についての考えを改めた。まず例を示そう。 対称性によってp3に分類される模様。 よく似ているが、60度回転で自分自身に重なるか、120度回転しないと自分自身に重ならないかの違いがある。 いま注目するのは縮尺。「模様展示の標準化 その3」で述べたのとは、違う基準で選んである。これは、同じ格子が使われていたら、格子の縮尺を同じにするべきではないかと考え直したからである。 次の図を見ると話が早い。 つまり、赤い三角形のサイズが等しくなるように縮尺を選んだ訳である。たとえば、p3-08はタイルとタイルの間に隙間がある。「模様展示の標準化 その3」のユニット面積を合わせるというルールは適用できないけれど、格子の縮尺を合わせるという基準であれば、問題なく適用できる。 格子の種類は、いまp3とp6で見たのが六角格子(正三角格子)と呼ばれる格子。この他に、正方
たびたびこのブログで話題にしているペンローズタイルだが、今後のために作り方をまとめておくことにする。 ペンローズタイルは、物理学者ロジャー・ペンローズが考案した、非周期な平面充填形。次の図のようなタイリングパターンである。 2種類のひし形タイルが配置されている(ふちのところだけ、ひし形以外のタイルが現れているが、いまは無視しよう)。くり返しの単位、ユニットは存在しない。けれど、無秩序ではなく、あるルールに基づいて配置されている。どうやって作るのか。 まず、正五角形を用意しよう。対角線を引いて分割すると、2種類の二等辺三角形ができる。
タイルを2種類以上使った模様の場合、どんな基準で縮尺を標準化すべきか。アルキメデスの平面充填を例に考えてみる。今回は、結論から図示しよう。 どのようにして、この縮尺を選んだのか。注目しなければならないのは、くり返しの単位(ユニット)の面積である。まず、それぞれの模様の中から、そのくり返しの単位を見つけてみよう。 ユニットの選び方は、必ずしも上の図の形に限らないのだが、たとえば、薄い赤色の図形をコピーして張り合わせて行けば、平面を隙間なく敷き詰められることが分かるだろう。このユニットの面積を揃えれば、縮尺が決まることになる。 いきなり面積を揃えるのは大変なので、先に辺の長さを1としたときの各ユニットの面積を求めてみよう。 すなわち、この辺の長さが、求めようとしたところの縮尺であった。 じつは、これは「模様展示の標準化 その2」の(3)で、タイルの面積を揃えたことの自然な拡張になっている。正方
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