薔薇族元編集長「発禁4回は勲章」 84歳でブログ発信 ■「薔薇族」元編集長 伊藤文学(ぶんがく)さん 自分の中に流れる血を感じるときがある。救世軍にいた祖父は大正時代、公娼(こうしょう)廃止運動に身を捧げ、父は戦後、東京・世田谷で出版社「第二書房」を起こし、歌集や詩集を出版した。「2人ともマイノリティーの側に立った。僕もその影響を受けたと思います」 「男同士の愛の場所は薔薇(ばら)の木の下だった」というギリシャ神話を引用し、1971年、男性同性愛誌「薔薇族」を創刊。人には相談しにくい切実な悩みを載せた文通欄が人気を呼び、90年代は月に3万部をほぼ完売した。だが同様の雑誌が続々出たことやネットの普及や出版不況もあり、2000年代には約3千部に。04年9月発行の382号で廃刊となった。 「偏見や差別に悩む人はたくさんいる。紙で駄目でもブログで応援のメッセージを、と考えた」 著作も多い。