ガザ地区での武力衝突に発展したイスラエルとパレスチナの対立で、大きな役割を果たしたと言われているのがSNSの存在だ。スマホアプリのインスタグラムやTikTokで、動画や写真が拡散。若者たちの心を動かし、大きなうねりが生まれていった。(エルサレム=高野遼) 今回、パレスチナ側で抗議運動の原動力となったのは若者世代だった。衝突の出発点となったイスラエル占領下の東エルサレムで取材すると、彼らを突き動かした一つの動画に行き着いた。 「あなたは私の家を盗んでいる」と若いパレスチナ人女性が訴える。 対するユダヤ人男性は悪びれずに言い返す。「もし私が盗まなくても、誰か別の人がやるだけだ」 5月2日にインスタグラムに投稿されたこの動画の再生回数は300万回を超え、6千件以上のコメントが寄せられている。 東エルサレムのシェイクジャラ地区、パレスチナ人が強制立ち退きを迫られている現場での出来事だった。動画は若