識別用の金属バンドを羽に装着したペンギンは長期的には繁殖力や生存率が低くなることをフランスとノルウェーの研究チームが10年間の追跡調査で明らかにした。地球温暖化の海洋生態系への影響を調べる際、ペンギンの個体数の変化を指標とすることがあるが、研究チームはバンドを使った調査の再考を求めている。13日付英科学誌ネイチャーに掲載された。 【これはカワイイ】整列して雪の中を散歩するジェンツーペンギン 研究チームは、南極に近い仏領ポゼッション島で大型のオウサマペンギンの成鳥100羽を無作為に選び、追跡装置(0.8グラム)を足に埋め込んだ。うち50羽の羽に金属バンドを着け、98年から10年間追跡した。その結果、バンドをつけたペンギンは、バンドなしと比べ、生存率は10年間で16%低く、ヒナの平均出生数は39%少なかった。バンドをつけたペンギンは繁殖のために島に到着する時期も遅かった。【大場あい】 【