2020年東京五輪に向けて若い選手の活躍が期待される一方で、女子選手が抱える「無月経」への対応が必要だ。無知や誤解が、選手生命を途絶えさせる恐れもある。 「生理は中学の時に数回あったものの、高校では全く来ていませんでした」 東京都文京区にある順大付属の順天堂医院「女性アスリート外来」を今春、大学陸上部に所属する中長距離の女子学生(18)が訪れた。2度の疲労骨折を経験し、心配した大学の女性コーチに促されて訪れた。 診察した産婦人科の北出真理医師によると、学生は体重増加を恐れて炭水化物の摂取量を減らし、栄養の偏った食事になっていた。栄養指導をして症状は改善したという。 女性アスリート外来は昨年10月、同医院と千葉県浦安市にある付属病院内に女子選手専門の窓口として開設した。この1年で約150人が受診し、その約8割が無月経か生理不順の症状を抱えていた。 無月経は「3カ月以上」生理がない状態をいい、