日本の政府や企業、個人が海外に持つ資産(対外資産)は、国内企業による海外企業の買収などの直接投資が増えたことなどから、2015年末時点で前年より6兆3480億円増え、948兆7290億円と過去最高を更新した。財務省が24日、発表した。 一方で、海外に対する債務(対外負債)も前年から30兆4950億円膨らみ、609兆4660億円となった。昨年は日本の株や証券の価格が好調で、外国人が持つ日本関連の資産が増えたのが主な原因だ。 負債の増加が大きかったため、資産と債務を差し引いた「対外純資産」は、前年比6・6%減の339兆2630億円と、5年ぶりのマイナスだった。それでも世界的には高水準で、25年連続で「世界最大の債権国」となっている。(鬼原民幸)