次の仕事を少し始めておいたほうが効率が上がる 「ツァイガルニク効果」(*1)をご存知でしょうか。 旧ソビエト連邦の心理学者ブルーマ・ツァイガルニク博士が発見した「記憶」の性質です。博士が行った実験は次のようなものです。 パズルを解く、粘土細工でイヌを作る、計算をする、厚紙で箱を作る──そんな様々な課題を、計1時間のあいだに次々と20種類やってもらいました。このうち無作為に選ばれた10種類の課題については最後までやり通してもらい、残りの10個は未完成のまま中断してもらいました。 そして、どんな課題を行ったのかを、その後に思い出してもらったのです。短時間内で20個ものタスクを次々とこなすと、すべての内容を想起するのは難しいでしょう。しかし、完了していない課題は、完了した課題よりも2倍も思い出しやすいことがわかりました。課題を遂行している最中は緊張感があるため、課題から離れても、心のどこかで気に