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マルクス経済学の検索結果1 - 40 件 / 101件

  • 銀行の基幹系システムはなぜ複雑なのか?|つっちーさん

    おはよう人類。 インフラストラクチャーという言葉は、元々ラテン語に語源があり、inferus(下部の)という言葉とstructura(構造体)という二つの言葉を合成した言葉で、言葉の意味としても、社会構造の中で上部構造である政治基盤に対応する経済基盤としての使い方(主にマルクス経済学で用いられる)と、道路や橋だけででなく教育機関など公共性の高い社会基盤の意味で用いられる。特に、後者の意味が強いのだが、インフラストラクチャーの供給源というのは国や公共的な組織だけにとどまらず、電力会社や鉄道会社、金融機関のように私有なのだが、その性質上インフラストラクチャーとして扱われるものも多い。 こういった企業を(広い意味で)インフラ業と呼ぶことも多いのだが、その公共性の高さから私有にもかかわらず、その運営には様々な規制が加えられていることが多い。設立に免許や認可が必要で、運営に関しても一般の企業とは異な

      銀行の基幹系システムはなぜ複雑なのか?|つっちーさん
    • 呉座勇一「戦争の日本中世史」新潮選書2014.1. - 旧tototo

      同じ著者の「応仁の乱」が面白かったので読んでみたところ、だいぶ若書きというか暴走気味で「学術的な歴史本」としては微妙なのだけども、それゆえに興味深いところがあるなあと思ったので、主にそちらについて。 「応仁の乱」のほうは漠然とした総論で大づかみに語られる日本史上の一大エポックを細かい事件経過で綴るというもので、こちらは著者のやるべきスタイルが確立した、とても良い本だった。 一方、それ以前に書かれてるこちらの本は、たぶん若手が張り切りすぎて空回りしてるんだろうなあ、もしくは時間も準備もないまま慌てて書いてしまって取り繕いようがない、という感じの力み具合があって、個別の記述は面白いところも多々あるんだけれども、全体をまとめようとして導入した視点というか史観が「戦後のマルクス主義階級闘争史観の批判」で、著者自身も「本書は非常に偏っている」とか「一種の思考実験」とかエクスキューズを述べてるんだけど

        呉座勇一「戦争の日本中世史」新潮選書2014.1. - 旧tototo
      • 2021年5月10日にAmazonカスタマーサービスによって削除された斉藤幸平著 『人新世の「資本論」』への2020年9月29日投稿のレビュー|Less Than Useful

        2021年5月10日にAmazonカスタマーサービスによって削除された斉藤幸平著 『人新世の「資本論」』への2020年9月29日投稿のレビュー (注) いきなり削除されていたのでAmazonカスタマーサービスに問い合わせて削除の取り消しを希望したところ、30分ほどでガイドラインに抵触云々のテンプレートの返答が帰ってきて削除の取り消しも拒否されたので、ここに再掲しておく。斉藤幸平氏が批判するAmazonのようなワンクリックで何でも手に入る資本主義の極北みたいなシステムが、資本主義システムを批判する本への☆一つのトップレビューを、知識のコモンズを支えるネットというプラットフォームから削除してしまうっていう状況はなかなかアイロニカルでよい。もっと酷い罵倒したレビューは消されてないのに。しかしよく考えてみれば資本主義システムの欲望ドライブ+マルクス思想って、それってまんま近隣の某大国やん?ってこと

          2021年5月10日にAmazonカスタマーサービスによって削除された斉藤幸平著 『人新世の「資本論」』への2020年9月29日投稿のレビュー|Less Than Useful
        • これにはマルクスの資本論が役に立つ。 マルクス曰く、資本家は労働者を再..

          これにはマルクスの資本論が役に立つ。 マルクス曰く、資本家は労働者を再生産する最低限の賃金は払わないといけないと言っている。 そうしないと労働者がいなくなるからだ。 現代だと時給1000円くらいが最低賃金なんだけど、これは本当にギリギリ労働者を再生産できる給料だと言っていいだろう。 資本主義の仕組みとして、このギリギリの賃金に設定してくるのが資本家なのだ。 だからマルクス的には社会主義へ・・・という話になるが、それはうまくいかない。 だから政府が最低賃金をあげたり、労働組合を結成してあげる必要がある。 この元増田は資本家側(株主ではないけど経営者なので)だから、時給1500円じゃ無理だよ、と言ってくるのは当然なんだ。 資本家は労働者はギリギリの生活でよい、生きてさえいればそれでいいって考えてるから、こんな発言が出る。 こんなのに騙されちゃいけない。強制的に、または労働組合を結成してもっと賃

            これにはマルクスの資本論が役に立つ。 マルクス曰く、資本家は労働者を再..
          • 習近平有能説とマルクス回帰、それとプーチン連携の真相 : やまもといちろう 公式ブログ

            峯村健司さんが、結構ピンズドな議論をしていて、昨今一層顕著に見える清貧的な習近平さんの思想の根幹がロシアの作家・チェルヌイシェフスキーの著作にあるのではないかという話で、言われてみればそうだな、と。 【プーチンと習近平】世界でもっとも危険なふたり 習近平が“籠絡”されたプーチンからのプレゼント|NEWSポストセブン https://www.news-postseven.com/archives/20220706_1768841.html チェルヌイシェフスキーは極東とも縁が深く、まあ要するにやらかして政治犯として長年シベリア送りになっておったわけですが、何を言ったかといえばマルクス社会主義国家建設にあたって、資本家の清貧的活動であったり、『農村共同体論』という、ある種の計画経済・マルクス経済学の政策実践のひな型のような著作を持ち、またユートピア社会主義を体現したような人物でもあります。 な

              習近平有能説とマルクス回帰、それとプーチン連携の真相 : やまもといちろう 公式ブログ
            • なぜ〈カルチャー〉が勝利するのか――イアン・M・バンクス論 著:ジョセフ・ヒース(『反逆の神話』著者)|Hayakawa Books & Magazines(β)

              『反逆の神話』『啓蒙思想2.0』のジョセフ・ヒースによる、サイエンス・フィクション論にして現代社会論。「自由」の最果て、「カルチャー」と「アイデンティティ」の逆説。 なぜ〈カルチャー〉が勝利するのか──イアン・M・バンクス論ジョセフ・ヒース/青野浩訳 もう何年も前になる。いろいろ物知りの友人から、1冊の本を手渡され「あなたはこれを読むべきね」と言われた。イアン・M・バンクス著『Use of Weapons(武器の使用)』と題された本だった。 僕は表紙のキャッチコピーをチラ見して、「〈カルチャー〉(the Culture)って何なの?」と尋ねた。 「そうね。説明するのは難しい」と彼女は答えた。彼女は腰を据えて長い会話をしたがっているように見えた。 「タイには、〈犬〉(the Dog)と呼ばれる存在がいるのよ。タイではどこに行っても〈犬〉を目にするの。道端をウロウロしていたり、市場を忍び歩いて

                なぜ〈カルチャー〉が勝利するのか――イアン・M・バンクス論 著:ジョセフ・ヒース(『反逆の神話』著者)|Hayakawa Books & Magazines(β)
              • 志位和夫『Q&A 共産主義と自由──『資本論』を導きに』(1/5) - 紙屋研究所

                日本共産党の志位和夫がローザ・ルクセンブルク財団本部で理論交流を行い、「共産主義と自由」について、自著(『Q&A 共産主義と自由――「資本論」を導きに』、『「自由な時間」と未来社会論――マルクスの探究の足跡をたどる』)を献本し「懇談の素材を提供」した上で、「ぜひ忌憚のないご意見をいただければと思います」と述べている。*1 Q&A 共産主義と自由──『資本論』を導きに 作者:志位和夫 新日本出版社 Amazon 「忌憚のない」とは「遠慮のない」という意味である。 そもそも日本共産党は本書を使って「『共産主義と自由』を学び、語りあう大運動」を呼びかけているのだ。「学ぶ」とは学んだ対象が絶対でありそれを盲信すべきと考えるのではなく、徹底した批判的な目で読み込み、それを「学んだ」党員であれ市民であれ、厳しい批判も含めて自由に語り合うことも含まれているだろう。当たり前だ。 ならば、依然としてコミュニ

                  志位和夫『Q&A 共産主義と自由──『資本論』を導きに』(1/5) - 紙屋研究所
                • 和歌山県ホームページ Wakayama Prefecture Web Site

                  知事からのメッセージを紹介します。 令和3年7月21日のメッセージ 新型コロナウィルス感染症対策(その68) -内外情勢調査会での講演- 令和3年6月29日、私が支部長ということになっている内外情勢調査会で講演をしました。この調査会は、時事通信社が読者サービスという趣旨で各県毎で行っているものです。 以下は、この講演をもとに、若干の語句の修正をして読みやすいように加工したものです。いささか長いのですがコロナについての包括的資料としては有用かもしれないと思いましたので、県庁HPの知事メッセージに載せさせていただきます。長いので、面白そうな部分の飛ばし読みをしていただいてもいいのではないかと思います。 皆さんこんにちは。本日は、資料を用意しておりますので、それを基にしてご説明申し上げたいと思います。 まず、「コロナで見えてきたもの」ということですが、大きく二つに分けてお話をすることにしました。

                  • ノーベル賞確実と言われた日本の経済学者が予言した「豊かな社会」の真実

                    リクルート入社後、事業企画に携わる。独立後、経営・組織コンサルタントとして、各種業界のトップ企業からベンチャー企業、外資、財団法人など様々な団体のCEO補佐、事業構造改革、経営理念の策定などの業務に従事。現在は、経営リスク診断をベースに、組織設計、事業継続計画、コンプライアンス、サーベイ開発、エグゼクティブコーチング、人材育成などを提供するプリンシプル・コンサルティング・グループの代表を務める。京都大学卒。国際大学GLOCOM客員研究員。麹町アカデミア学頭。 著書に『「一体感」が会社を潰す』『それでも不祥事は起こる』『転職後、最初の1年にやるべきこと』『社長!それは「法律」問題です』『インディペンデント・コントラクター』『愛社精神ってなに?』などがある。 名著で読み解く新常態 新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、大きく変わりつつある「常識」。歴史的名著や確立した理論をもとに現状を解釈

                      ノーベル賞確実と言われた日本の経済学者が予言した「豊かな社会」の真実
                    • 「学歴」と言えるのは博士号から…「日本の大卒は海外の中卒と同レベル」という不都合な真実 日本のマスコミが低レベルなのも「低学歴」だから

                      マスコミの世界は文系出身者だらけ テレビや新聞など、いわゆるマスコミの業界は、大学の文系学部出身者が多く、科学を苦手とする人が目立って多い業界です。理系出身者が入ってくると、文系出身者たちの無知さ加減が露呈してしまうのを恐れてか、科学記者といった狭い分野に押し込められてしまうと聞きます。 文系の、特に左派政党を支持する人たちは、そのイデオロギーのために思い込みの強い人が多いものです。「資本家と労働者の利害は常に対立する」というマルクス経済学のイデオロギーから抜け出せず、「株価が上がると資本家が儲かり労働者が損をする」と信じ込んでいたりするわけですが、こんな見方をしていれば、現実の経済については絶対に理解などできません。 しかし、実はこうした人たちがマスコミを牛耳っているのが実際で、ニュースや時事解説はこうした人たちによって発信されています。 経済を理解できない人が情報を発信している 理系に

                        「学歴」と言えるのは博士号から…「日本の大卒は海外の中卒と同レベル」という不都合な真実 日本のマスコミが低レベルなのも「低学歴」だから
                      • 資本主義の問題点をわかりやすく言えば、そもそも労働力はピンハネ(搾取)されてるってこと? ~マルクスが何故アダム・スミスの労働価値説を批判したかといえば、労働力はそのまま賃金が支払われるわけではなく差額こそが資本家の儲けになるかららしい【マルクス『資本論』】 - 日々是〆〆吟味

                        資本主義の問題点 〜そもそも労働力はピンハネ(搾取)されてるって? マルクスと労働力 商品から労働力の差額が儲けとなる 物の価格と労働力 気になったら読んで欲しい本 【マルクス『経済学批判』『資本論』】 【アダム・スミス『国富論』】 資本主義の問題点 〜そもそも労働力はピンハネ(搾取)されてるって? 資本主義の成立条件を色々と見てみましたが、前回少しだけマルクスの名前を出してしまいましたし、マルクスがどんな風にして資本主義の問題点をあげていったのか、ちょっとだけ見てみましょうか。マルクスなんて膨大でとてもじゃありませんが手に負えないのでまともに説明出来ませんが、まぁ、関係のあるところをちょこっとだけ試してみましょう。 マルクスと労働力 マルクスが資本主義の問題と考えた点は、おそらく労働力にあるのだろうな、と一応思います。というのもマルクスによれば資本主義とは労働力によって売買することが可能

                          資本主義の問題点をわかりやすく言えば、そもそも労働力はピンハネ(搾取)されてるってこと? ~マルクスが何故アダム・スミスの労働価値説を批判したかといえば、労働力はそのまま賃金が支払われるわけではなく差額こそが資本家の儲けになるかららしい【マルクス『資本論』】 - 日々是〆〆吟味
                        • 入門数理マルクス経済学 - 株式会社ナカニシヤ出版

                          マルクス経済学とは何だったのか。今後、何でありうるのか。現代経済学と比較対照しながら、マルクス経済学の現代的意義――所得分配の何が問題であり、どのような改善策があるのかという理論的問い――を平易に解説する。 ●著者紹介 山﨑好裕(やまざき よしひろ) 福岡大学教授(経済学部・大学院経済学研究科)。東京大学大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科修了。『経済学の知恵』『おもしろ経済学史』『経済学オープンセサミ』(いずれもナカニシヤ出版)、他。 序章 マルクス経済学とは何であったのか 1 21世紀の資本論 2 『資本論』と経済学批判 3 搾取をどう考えるか 第1部 マルクス経済学のミクロ理論 第1章 搾取と利潤 1-1 小麦だけの経済 1-2 マルクスの基本定理 1-3 たくさんの品物のある経済 1-4 たくさんの品物のある経済でのマルクスの基本定理 第2章 搾取と階級 2-1 資産のある

                            入門数理マルクス経済学 - 株式会社ナカニシヤ出版
                          • マルクス主義と中華文明の共通性@潘岳 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

                            8月10日のエントリ「香港に栄光あれ(願榮光歸香港)」に、SATOさんという方がコメントをつけられていて、そこで、 http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2020/08/post-ab6a8a.html#comment-118266470 さて、今現在の中国共産党の公式見解であるところの、マルクス主義なるものがいったいどういうものかということが、たいへんよくわかるコラムを発見したので紹介させてください。 今現在(2020/08/18)、中国政府の日本語広報誌である雑誌「人民中国」のweb版のトップページから入ると「潘岳・中国を語る」というコラムが掲載されています。著者の潘岳氏は、歴史学博士で中央社会主義学院第一副院長、共産党中央委員会候補とのこと。 という情報を提供されていますので、さっそく見に行ってみました。 http://www.peopl

                              マルクス主義と中華文明の共通性@潘岳 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
                            • ホーム

                              経済学(ポリティカル・エコノミー)の総合学会として,個別専門分野を超えて経済学の基礎理論から現代資本主義の諸問題までを広く研究・討論することを目的にしています。 マルクス経済学を,現代における経済学(ポリティカル・エコノミー)のもろもろの流れの基幹的な部分として位置づけ,その資本主義批判および経済学批判の精神を受け継ぎます。 経済学における理論と方法の多様性を尊重し,研究の自由で創造的な発展をめざします。 社会のなかで活動する学会として,民主主義,人権,環境,平和を重んじ,社会正義と社会進歩に貢献します。 Japan Society of Political Economyとして,共通の関心を有する世界の学会および研究者との学術交流を進めます。 2022年12月19日 「政府による日本学術会議への新たな介入と支配に対する抗議声明」を公開しました。 同英語版も公開しました。 2022年3月2

                              • 日本の近代化の特徴としての、ヨーロッパに対する地球の中の周縁の意味とは 〜世界システム論の中に位置づけられた日本【ウォーラーステイン『近代世界システム』】 - 日々是〆〆吟味

                                周縁としての日本と近代化、そして… 〜世界システムの中に位置づけられた日本 近代化と世界経済圏 中心と周縁の世界システム 中心地ヨーロッパから遠い日本の地理的条件 ウォーラーステインと梅棹忠夫 気になったら読んで欲しい本 【ウォーラーステイン『近代世界システム』】 【ブローデル『地中海』/マルクス『経済学批判』】 周縁としての日本と近代化、そして… 〜世界システムの中に位置づけられた日本 梅棹忠夫は大陸が歴史的に疲弊し、辺境であったヨーロッパと日本が近代において成長した、というような考えを示しました。この辺境という点において日本の近代化も考えの中に含んだとても偉い人がいます。ウォーラーステインという、なんともカッコいい名前の方なのですが、書いてることも戦車のように重量級で私には難しすぎます。とりあえずここで書いていることと関係しそうなところだけかいつまんで書いてみようかと思います。詳しくは

                                  日本の近代化の特徴としての、ヨーロッパに対する地球の中の周縁の意味とは 〜世界システム論の中に位置づけられた日本【ウォーラーステイン『近代世界システム』】 - 日々是〆〆吟味
                                • 学問の自由の危機――日本版キャンセルカルチャーを許してはならない | Female Liberation Jp

                                  森田成也 私は2021年の10月に『現代思想』編集部に対して以下の抗議文を送ったが、まったく何の返信もなく、なしのつぶてだった。しばらくして、改めて私の抗議文についてどうなっているか尋ねるメールを編集部に送ったが、それに対してもまったく何の返信もなかった。『現代思想』のような権威ある大手雑誌にあるまじき、まったく社会的常識を欠いた対応だったと言うべきだろう。この抗議文を出してからすでに3ヵ月以上経ったこともあり、また、問題となった千田有紀さんの論文もネット上で公開されたことを受けて、この場を借りて、私の抗議文を公開させていただく。 『現代思想』2021年11月号(特集=ルッキズムを考える)において、高島鈴氏の「都市の骨を拾え」という論稿が掲載されている。その論稿を読んだところ、冒頭でいきなり、『現代思想』2020年3月号掲載の千田有紀氏の論稿「『女』の境界線を引き直す」に対する一方的な攻撃

                                  • 「日本アカデミズムのなかのマルクス経済学」摂南大学・八木 紀一郎 | 論壇

                                    1.日本アカデミズムのなかのPolitical Economy 日本の大学におけるマルクス経済学はどうなったのかというのが編集部からの問いかけであるが、これに答えるのはなかなか難しい。というのは、現在では1950年代から60年代のように、「マル経」(マルクス経済学)と「近経」(近代経済学)という二つの経済学がはっきりと分かれて対峙していた時代とは大きく状況が変わっているからである。また、「マルクス経済学」ということでどのような特徴をもった経済学を考えるのか、あるいは「マルクス経済学」にこだわることにどれほどの意義があるかについての見解も、「マルクス経済学者」とみなされる経済学者自身をとってもまちまちだからである。 筆者自身の見方を説明する前に、通常マルクス経済学者の中心学会とみなされ、現在でも800人近い会員を擁している「経済理論学会」(註1)が現在自らをどのように規定しているかを見ておこ

                                    • 離党を決める背景となった自分の活動経験 - takenami1717の日記

                                      <付録>離党を決める背景となった自分の活動経験について ※この文章は、離党届と共に提出した、自分の主要な活動歴である。支部の仲間とは、こうしたことをいろいろ話す機会がほしかったが、かなわなかった。支部会議の場ではもちろん話す時間はないし、支部会議以外で仲間が集まることはない。しかし、離党するにあたり、自分を支えてきたものが何だったのか、自分を離党の決意に導いた自分の足跡を、不十分だがいくらかでも仲間に伝えたかった。 ************************** 社会問題に私が目覚めたのは大学に入ってからである。それから50数年が経過した。この間、自分の生き方を方向付けた事件がいくつかあった。こうした経験が、今の自分に離党を決めさせた動機となっているのだろうと思うので、それを紹介したい。自分の人生の3分の2以上をかけた共産党をなぜ離党せざるを得ないと考えるに至ったのか、内心の告白に近

                                        離党を決める背景となった自分の活動経験 - takenami1717の日記
                                      • 現象学の意味とはあまりに数学化されたヨーロッパの学問から体験的統一性を取り戻すことにあった ~フッサール『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』 - 日々是〆〆吟味

                                        現象学とヨーロッパの学問の数学化と失われる統一的人間観 現象学の問題意識 【フッサール『論理学研究』】 ヨーロッパの学問と数学化 【フッサール『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』】 人間が数字化されて物扱いになっていく 【マルクス『経済学批判』】 部品の集まりとしての人間観 【フッサール『デカルト的省察』】 前回のお話 懐疑主義のエポケー/思考停止を用いる現代的な哲学である現象学とは - 日々是〆〆吟味 現象学とヨーロッパの学問の数学化と失われる統一的人間観 ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学 (中公文庫) 作者:エドムント フッサール 発売日: 1995/06/01 メディア: 文庫 現象学の問題意識 フッサールが体験そのものを学問の基礎に据えようとして現象学というものを構築しようとしたのですが、なぜこのような風変わりとも思えるような哲学を必要としたのでしょうか。 それはヨーロッパ

                                          現象学の意味とはあまりに数学化されたヨーロッパの学問から体験的統一性を取り戻すことにあった ~フッサール『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』 - 日々是〆〆吟味
                                        • スウィージー (米 1910-2004) 本【著作(翻訳)ブックリスト一覧/リンク(Amazon)】 - 日々是〆〆吟味

                                          ポール・M.スウィージー (Sweezy, Paul Marlor) ポール・M.スウィージー (Sweezy, Paul Marlor) スウィージー著作リンク一覧 スウィージー著作一覧 Wikipedia スウィージー著作リンク一覧 社会主義 (岩波現代叢書 野々村一雄 訳. 岩波書店, 1951① ②) 資本主義発展の理論(中村金治 訳. 日本評論社, 1951 → 1952  / 新版 都留重人 訳. 新評論, 1967) 歴史としての現代 : 資本主義・社会主義に関する論攻 (岩波現代叢書 都留重人 監訳. 岩波書店, 1954) キユーバ : 一つの革命の解剖 (岩波新書 L.ヒューバーマン共著, 池上幹徳 訳. 岩波書店, 1960) 独占資本 : アメリカの経済・社会秩序にかんする試論(ポール・バラン共著, 小原敬士 訳. 岩波書店, 1967) 論争・マルクス経済学(P.

                                            スウィージー (米 1910-2004) 本【著作(翻訳)ブックリスト一覧/リンク(Amazon)】 - 日々是〆〆吟味
                                          • 気づいていますか? 現在の格差が「世界恐慌なみ」だということに(宮台 真司,白井 聡,斎藤 幸平) @gendai_biz

                                            気づいていますか? 現在の格差が「世界恐慌なみ」だということに 【特別鼎談】宮台真司×白井聡×斎藤幸平 '70年代までの日本は、ホワイトカラーかブルーカラーか、都会の人か田舎の人かが一目見れば分かり、連帯しやすい状況でした。今は所得の低い人も金持ちも同じようにスマホやパソコンをいじる。誰が自分と似た境遇か分からないから、生活が苦しくても弱みを隠し、「人並み」を装います。地域と家族が劣化し、弱みを見せられる仲間を持たない若者も増えました。 だから不安が消えない。とりわけ以前より没落し、将来が見通せない人は、不安の埋め合わせに他人を叩き、政治家などの権威に一体化します。「右」に見えても、それは価値観ではなく心の病なのです。 医療もワクチンも「商品」でいいのか 斎藤 ウイルスとの戦いには一国だけの「勝利」などありませんから、そうした見方は本質を見誤っている。重要なのはコロナを機に、すべての人にと

                                              気づいていますか? 現在の格差が「世界恐慌なみ」だということに(宮台 真司,白井 聡,斎藤 幸平) @gendai_biz
                                            • 柿埜真吾『ミルトン・フリードマンの日本経済論』(PHP新書) - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

                                              ミルトン・フリードマンといえばマルクス経済学や反経済学の色彩の強い日本の論壇や経済学者の世界では忌み嫌われている経済学者の代表である。しかし米国では、フリードマンの考えに反対の人でもその主張の明晰さを評価する声は大きい。この日本の閉鎖的な言論空間の中で、フリードマンの積極的評価を提起したことをまず大きく評価したい。そしてなによりもフリードマンの提言「貨幣は重要である」に集約されるその主張が、日本の長期停滞の解法になることはさらに意義深いことである。 帯文の「金融緩和の下で減税せよ」はその意味で、いまの日本経済をフリードマン的観点からみるときに最適の提言となる。 柿埜氏は、岩田規久男前日銀副総裁・学習院大学名誉教授やリフレ派といわれる人たちの薫陶を十分にうけてきただけあり、本書は実に読みやすく明晰な文章で書かれている。経済学の基礎知識がなくても戦後のアメリカ、日本の経済が現代まですらりと展望

                                                柿埜真吾『ミルトン・フリードマンの日本経済論』(PHP新書) - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
                                              • ヒルファディング(墺 1877-1941) 本【著作(翻訳)ブックリスト一覧/リンク(Amazon)】 - 日々是〆〆吟味

                                                ルドルフ・ヒルファディング(Hilferding, Rudolf) ルドルフ・ヒルファディング(Hilferding, Rudolf) ヒルファディング著作リンク一覧 ヒルファディング著作一覧 Wikipedia ヒルファディング著作リンク一覧 金融資本論(林要 訳. 弘文堂書房 第1分冊 大正15 第2分冊 大正15 第3分冊 大正15 → 改造文庫 全訳 改造社, 1929 → 世界評論社 全訳 上 昭和24 下 1948 → 大月書店 1952 → 国民文庫 国民文庫社 第1冊 1955 第2冊 1955 → 大月書店 改訂版 1961 1971?→ 国民文庫 改訳 下 大月書店, 1964 → 改造文庫覆刻版 改造図書出版販売, 1977  / 岩波文庫 岡崎次郎 訳. 岩波書店 上 1955 中 1955 下 1956 上中下セット → 改版 上 1982① ② 下 1982①

                                                  ヒルファディング(墺 1877-1941) 本【著作(翻訳)ブックリスト一覧/リンク(Amazon)】 - 日々是〆〆吟味
                                                • 共産主義とは資本主義の果てに現れる社会であり、共産主義国とは原理的にちょっとおかしいらしい - 日々是〆〆吟味

                                                  資本主義と共産主義国家の変な関係 資本主義対共産主義? 恐慌を分析するマルクス経済学 【ヴァルガ『世界経済恐慌史』】 資本主義の次の時代の共産主義 【エンゲルス『家族・私有財産・国家の起源』】 共産主義国家はヘンテコ? 前回のお話 https://www.waka-rukana.com/entry/304/2021.02.16 資本主義と共産主義国家の変な関係 家族・私有財産及び国家の起源: リュウィス・エッチ・モルガンの研究に因みて 作者:フリードリッヒ・エンゲルス 発売日: 2019/06/13 メディア: Kindle版 マルクスの歴史観は歴史観として、その延長線上に共産主義社会が訪れるとマルクスは考えたようです。 資本主義対共産主義? このあたりが現代からするとよくわからなくなってしまいそうになるところで、共産主義っていうものは資本主義と対立するようなもんじゃないのか、と思ってしま

                                                    共産主義とは資本主義の果てに現れる社会であり、共産主義国とは原理的にちょっとおかしいらしい - 日々是〆〆吟味
                                                  • 私が影響を受けていた本だった!日下公人『「逆」読書法』

                                                    この記事は、日下公人さんの『「逆」読書法』から、役に立ちそうなところをつまみ食いしていきます。 副題は「読まなくていい本を、読まずにすます方法」。1997年の発行ですから、私が大学生になった時の本です。 懐かしいなぁと思いました。というのも、私この本、大学生の時に読んでいましたので。 で、改めて読んでいると、この日下さんの本から結構影響を受けてるなぁ、と思いました。 内容も全然古くなってない、今でも使える本なんで、面白いところをつまみ食いしてみます。 日下公人さんは柔らか頭な人 その前に著者の日下公人さんについて。 私が日下さんを知ったのは『平成日本のよふけ』というフジテレビの深夜番組を見ていた頃です。 この番組は、バブルが弾けて日本が元気なくなって、どうしようって時代に、世の中で功成り名を遂げたスゴイ人を読んできて、色んな話を聞いちゃおう!という、今のフジテレビに一番足らない明るさと楽観

                                                      私が影響を受けていた本だった!日下公人『「逆」読書法』
                                                    • オストロヴイチャノフ(露 1892-1969) 本【著作(翻訳)ブックリスト一覧/リンク(Amazon)】 - 日々是〆〆吟味

                                                      オストロヴイチャノフ(Ostrovitianov, Konstantin) オストロヴイチャノフ(Ostrovitianov, Konstantin) オストロヴィチャノフ著作リンク一覧 オストロヴィチャノフ著作一覧 オストロヴィチャノフ著作リンク一覧 プロレタリア経済学 (「マルクス主義の旗の下に」文庫 ラピダス 共著, 入江武一 訳. 白揚社, 昭和5) マルクス主義地代論入門( 平館利雄 訳. 叢文閣, 昭和6) 「資本論」解説 : マルクス主義経済学の教科書 上(ラピドウス共著, 橋本弘毅 訳. 白揚社, 昭和8) 社会構成論(アー・ゲー・プリゴジン共著, 永住道雄 訳. 叢文閣, 昭和10) マルクス主義経済学教程 (ラピドス共著 橋本弘毅 訳 白揚社, 1933-1938 第1 増補 生産・価値・貨幣 : 資本の生産過程 第2 資本・労賃・利潤 第3 信用・地代・恐慌 第4 独

                                                        オストロヴイチャノフ(露 1892-1969) 本【著作(翻訳)ブックリスト一覧/リンク(Amazon)】 - 日々是〆〆吟味
                                                      • ブランコ・ミラノヴィッチ「マルクスとケインズの違いに関する短いエッセイ」 (2022年6月29日)

                                                        A short essay on the differences between Marx and Keynes Posted by Branko Milanovic on Wednesday, June 29, 2022 こちらのエッセイは、ジョーン・ロビンソンによる1942年出版の『マルクス経済学に関する論考(Essay on Marxian Economics)』のフランス語訳版を、彼女が長年に渡って書いてきたマルクス、マーシャル、そしてケインズに関するテキストとともに読んだことに触発されたものである。また同時に、カロリーナ・アルヴェスがThe Journal of Economic Perspectivesに寄稿したジョーン・ロビンソンの生涯と先程の書籍に関する書評にも影響を受けている。 本文を始める前に、まずは知識の限界を設定させていただきたい。私はマルクスに精通してきており、つ

                                                          ブランコ・ミラノヴィッチ「マルクスとケインズの違いに関する短いエッセイ」 (2022年6月29日)
                                                        • 日本は資本主義であり社会主義? - 人事からみた採用とキャリアアップの実情

                                                          最も成功した社会主義国家 まだ中高生だった頃、ソ連のゴルバチョフが来日し「日本は最も成功した社会主義国家」と述べていました 「えっ、日本は資本主義でしょ?何言ってんだろ?」と浅い知識ながら疑問に思います 長らく社会で活動して、他の資本主義国家と比較してみると「日本は社会主義的」と感じることがあります 調べてみると、資本主義は「生産のための組織が、資本によって作られている経済体制」とあります 資本制企業が物財やサービスの生産、流通の主体になっている経済体制のことを「資本主義」と呼ぶようです 資本が生産活動の主体になっている経済体制で、産業革命によって確立された経済体制で、生産手段を資本として私有する資本家がいて、自己の労働力以外に売るものを持たない労働者から労働力という商品と時間を購入し、それを上回る価値を持つ商品を生産し、利益を得るという経済システムのことを指します 1人でできることには限

                                                            日本は資本主義であり社会主義? - 人事からみた採用とキャリアアップの実情
                                                          • 円高政策は解決ではない|松尾 匡

                                                            ※ データ選定の誤りにより、下記文章中「円価値が半分に落ちても…」の部分および「付録」に、後記があります。また、細かい計算結果の紹介の部分を削除して訂正しています。そのほか、文中で後記を角括弧[ ]で挟み込んでいます。ご注意ください。間違ったことを書いてしまったこと、深くお詫びもうしあげます。——2023年8月12日 まず近況報告手術しました4月10日の日曜日、入浴中に身体のちょっとした異変に気づき、翌日いきつけの病院に行ったら、大きい病院に行けと言われました。それで紹介された大きい病院にその翌日行ったら、おそらく手術が必要になるということで、入院と手術の予約手続きをされました。 MRIがその病院では予定いっぱいなので、別のところで日曜日に撮り、それをもとに翌月曜日の診察で腫瘍摘出の手術が決定。単身赴任中なのですが、できれば家族を呼べとのことなので、九州の自宅から妻がきて立ち会いました。(

                                                              円高政策は解決ではない|松尾 匡
                                                            • 定額給付金、10万円の行方 - 暮らしと勉強、猫と一緒に~Bettyのブログ

                                                              定額給付金を申請し、無事に10万円が入金になったのは6月半ば過ぎ。 ありがたいことです。 大切に使わせていただこう。 近所の商店街でなるべく買い物をして経済効果に微力ながら貢献しよう。 そう思っていたはずだった。 外出自粛期間中、ジムにも行けず、運動不足解消のためせっせと近所を散歩して商店街で買い物をしました。 しかし日頃のジムでの運動に比べるとそんな散歩はまったく効果なく見事に太ってしまい、いや、太った話しではなく、散歩するならジムに行こうという気持ちになって、近所の商店街へは足が遠のいてしまいました。 なので近所の商店街への経済協力は全くなくなってしまいました(;'∀') では、あの10万円の使い道はというと。 「おかあさん、僕のあの10万円、どうしたんでせうね?」 人間の証明 発売日: 2013/11/26 メディア: Prime Video 「10万円」「10万円」と心で唱えると、

                                                                定額給付金、10万円の行方 - 暮らしと勉強、猫と一緒に~Bettyのブログ
                                                              • 佐々木隆治 Ryuji Sasaki on Twitter: "とある仕事のためにある20年ほどまえのマルクス経済学の貨幣本を読み直しているのだが、久留間説の曲解ぶりが尋常ではない。この読解力では資本論理解は無理だろう。皮肉なことに批判対象である岩井説に結果として接近している。"

                                                                とある仕事のためにある20年ほどまえのマルクス経済学の貨幣本を読み直しているのだが、久留間説の曲解ぶりが尋常ではない。この読解力では資本論理解は無理だろう。皮肉なことに批判対象である岩井説に結果として接近している。

                                                                  佐々木隆治 Ryuji Sasaki on Twitter: "とある仕事のためにある20年ほどまえのマルクス経済学の貨幣本を読み直しているのだが、久留間説の曲解ぶりが尋常ではない。この読解力では資本論理解は無理だろう。皮肉なことに批判対象である岩井説に結果として接近している。"
                                                                • 消費税アップが「景気悪化」を加速させる納得理由

                                                                  「毎年宝くじを買えば、いつかは一等が当たるだろう」「サイコロを6回ふって、まだ1が出ない。そろそろ1が出てもいいはずだ」 こんな風に考えたことはないでしょうか。一見、納得できる考え方です。しかしよく考えてみると、これにはなんの合理性もないことに、気がつくはずです。 確率論でいえば、1000万分の1の確率で1等が当たる宝くじを、毎年何度買ったって、当選確率は1000万分の1のままです。同じように、サイコロを何度ふろうと、1が出る確率は6分の1のままです。 それなのに、「今年こそは当たりが出るはず」と期待して、都合のよい風に考えてしまうのが、人間なのです。日常生活を送っていると、ある種の期待感から、迷信みたいな不合理なことでも、「うっかり」信じてしまいます。 人間は思ったほど「合理的」に動けない 宝くじやサイコロの例は、心理学の世界では「意思決定における不合理さ」と呼ばれています。 確率論では

                                                                    消費税アップが「景気悪化」を加速させる納得理由
                                                                  • ホール『都市と文明』I:文化芸術の創造理論なんだが、出た瞬間に古びたのはかわいそうながら、それ以前に認識があまりに変では? - 山形浩生の「経済のトリセツ」

                                                                    Executive Summary ピーター・ホール『都市と文明 I』は、都市がイノベーションの場だからえらいのだ、という結論ありきの本。第一巻では、高踏文化に見られる創造性がテーマとなっている。しかし冒頭にある創造性の理論のレビューがあまりにショボく、その後の各種都市の記述に必要な枠組みが提示されない。 そして結論も、文化芸術の発達のためにはある程度の人口集積が必要で、それから社会経済環境が急変していて、異質な人びとがたくさん入ってきたけれど疎外されていて独自文化を発展させるようなときに、大きな創造性が生まれるんだ、というもの。500ページ読んで得られる知見としては不満と言わざるを得ない。 ルイス・マンフォードの大著『歴史の都市 明日の都市』にかわる総合的都市論となるべく、都市計画の大家とされるピーター・ホールが満を持して発表した大著『都市と文明』の三分冊その1ではある。 都市と文明 I

                                                                      ホール『都市と文明』I:文化芸術の創造理論なんだが、出た瞬間に古びたのはかわいそうながら、それ以前に認識があまりに変では? - 山形浩生の「経済のトリセツ」
                                                                    • コロナ危機の経済学 :命をまもる資本主義を提唱していた宇沢弘文「社会的共通資本の経済学」の凄さ=佐々木実 | 週刊エコノミスト Online

                                                                      論的のミルトン・フリードマン(右)とは幾度も議論をを闘わせた フランスの経済学者ジャック・アタリ氏は『日本経済新聞』(4月9日付)のインタビューで、「新型コロナは世界経済をどう変えますか」と問われ答えている。 「危機が示したのは、命を守る分野の経済価値の高さだ。健康、食品、衛生、デジタル、物流、クリーンエネルギー、教育、文化、研究などが該当する。これらを合計すると、各国の国内総生産(GDP)の5〜6割を占めるが、危機を機に割合を高めるべきだ」 「経済の非常事態は長く続く。これらの分野を犠牲にした企業の救済策を作るべきではない。そして、企業はこれらと関係のある事業を探していかなければいけない」 アタリ氏の見解に同意しつつも、コロナ災禍が起きるずっと以前、危機に対応できる制度の設計を唱えつづけていた経済学者を思い起こさずにいられなかった。宇沢弘文(1928〜2014年)である。 35歳でシカゴ

                                                                        コロナ危機の経済学 :命をまもる資本主義を提唱していた宇沢弘文「社会的共通資本の経済学」の凄さ=佐々木実 | 週刊エコノミスト Online
                                                                      • 「マルクスの大霊言」では近代資本主義経済批判にはなっても、現代社会の危機への処方箋にはなり得ない (10月29日再読後に追記 SDGsへの補足と資本「論」)

                                                                        「眠っているマルクスを久々に呼び起こそう。彼ならきっと人新世からの呼びかけにも応えてくれるはずだ (p138)」。この一文を読んで評者は、この本は要するに「マルクスの大霊言」なのだと思ってしまったのだが、あまりに手放しで絶賛するレビューばかりなのに驚いたので敢えて☆一つ。読む価値がないという意味ではないのだが,マルクスに立脚した近代資本主義批判が広く浸透せず、また実効性も持ちえていない現状の理由が本書の論の進め方に顕れてしまっているように思えるのだ。 1. まず著者は本書冒頭で「SDGsは大衆のアヘンである!」と、マルクスにならって声高に宣言したかったようだが、いきなり大きな見当違いをしている。最近、巷で皮相的な「SDGsビジネス本」や「SDGsビジネスモデル」が氾濫し、いわゆるグリーン・ウォッシュならぬ「SDGsウオッシュ」の様相を呈していて、アリバイ作りというかこうした便乗ビジネスには

                                                                        • 2023.1.6 「合理」と「本性」 - カメキチの目

                                                                          (『人間の解剖はサルの解剖のための鍵である』という本の感想で、 「次回からふかく感じいった三つのこと…」と書いて休んでいました。 再開したので続きを書きます。 ①「合理」と「本性」②「デフォルト設定」③「インフォスフィア」の三つ。 きょうは①) ーーーーーーーーーー 「合理」 「合理的」とか「合理性」とかよくいう。 それは経済と相性がいいと、本には述べられていた。 経済学での「人間」は、「合理的」に考え行動するものとされている。 つまり、人間は「合理的」存在ということが前提に経済学は成りたっている。 (人間だけが「合理的」というだけでなく、資本主義の市場には見えないところで「合理」という 「神の見えざる手」が働き、需要と供給の関係により「合理的」に商品の値段は決まるとされる) ところで、 経済学は、昔は「近代経済学」と「マルクス経済学」しか聞かなかったが、 現代は「行動経済学」というものが

                                                                            2023.1.6 「合理」と「本性」 - カメキチの目
                                                                          • テクノロジーの進歩により人間が働かなくてもよくなる社会はなぜ来ないのか?をFIREの流行とともに考察する記事 - ゆるふわSEの日常♪

                                                                            おはこんばんちは!!! ゆるふわSEの「ゆるちょここ」です♪ 今回は、誰もが一度は考えたことがあるよぉな漠然とした疑問という名の抽象的な思考をカキカキしながら自身で整理しつつ、考えていくってことをやっていきたいと思いまーす(´・∀・`)v テーマは、 「テクノロジー/文明の進歩により人間が働かなくてもよくなる社会はなぜ来ないのか?」 DEATH(`・ω・´)シャキーンw ちょい前から外食の際にご飯を食べながらぼーっと店員さんや100km先の虚空を見つめてると思うことがある。 「この仕事って人間がやる必要ないよなー(´・ω・`)」と。 (謎の狂気感ありますが、特段当該業務をディスっているわけじゃなくてテクノロジーによる代替可能性が高いという意味でしゅ) 接客や調理にはきっと「業務マニュアル」があって、それに従って人間がお仕事をこなす。 「人間」が「業務マニュアル」通りに「お仕事をこなす」。

                                                                              テクノロジーの進歩により人間が働かなくてもよくなる社会はなぜ来ないのか?をFIREの流行とともに考察する記事 - ゆるふわSEの日常♪
                                                                            • 2021.5.28 働くことの復権 - カメキチの目

                                                                              最後③のきょうは、本来的な「働く」。すなわち、「生きる」。 ーーーーーーーーーー ③ 働くことの復権 【引用】 「〈働くことの復権〉 (秋山憲治の言葉)「いろいろな場面で、私たちは身体を動かして社会的に意味のある活動をしている その活動は、場合によっては支払われる労働になり、場合によっては支払われないものになります。 家事労働のようなシャドーワークが実は社会的にはたくさんの意味を持っている」 主体的な選択を可能にするためには、さまざまな社会的な仕組みを工夫し実現していくことが必要です それは経済学で説明できるというよりは、人びとが自分たちの住む世界を選択する問題ですから、 政治の問題です。… 〈社会的な絆〉 報酬のない働き方も認めるような方向に、私たちは社会のあり方を変えていく必要があります。… 〈過剰消費と過剰労働〉 過剰消費と過剰労働とは不可分の関係にあるのです。 私たちの毎日の生活の

                                                                                2021.5.28 働くことの復権 - カメキチの目
                                                                              • 【2021年12月版】世界史関連の新刊45冊 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

                                                                                今月は歴史専門書の数が多いです 2021年10月~12月の世界史関連新刊紹介です。 本記事はざっと流し読みをして気になる本をメモしていただくか、ブックマークして書店を訪れた際に見返すかして使っていただけるといいかと思います。 今回は45冊あります。最近は中国関連の書籍が非常に多いのですが、今回はドイツ、特にナチス関連とソ連、共産主義関連の書籍も多い印象です。 注目の新書・選書 中公新書が非常に充実しています。個人的な大注目はこの三冊です。 古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで 歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで ドイツ・ナショナリズム 「普遍」対「固有」の二千年史 1. 『古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで』 中公新書 柿沼 陽平 著 2021/11/18 税抜1,056円 リンク 始皇帝、項羽と劉邦、曹操ら英雄が活躍した古代の中国。二千

                                                                                  【2021年12月版】世界史関連の新刊45冊 - 歴ログ -世界史専門ブログ-
                                                                                • マルクスと宇沢弘文。資本主義と闘った知識人たち<ジャーナリスト・佐々木実 × 経済思想家・斎藤幸平> « ハーバー・ビジネス・オンライン

                                                                                  佐々木 『人新世の「資本論」』(集英社新書)がベストセラーになるなど、斎藤さんはいま注目の経済思想家です。カール・マルクスのエコロジー思想を論じた著作で権威あるドイッチャー記念賞を受賞し、6か国で翻訳されるなど世界を舞台に活躍されています。 斎藤さんが注目を浴びているのは、経済学の主流の新古典派経済学ではなく、マルクス経済学の立場から地球温暖化をはじめとする環境問題や労働の問題に切り込み、しかも的確な問題提起と現状分析をしているからではないかと思います。 斎藤 ありがとうございます。人類の経済活動、すなわち資本主義が地球を破壊する「人新世」の時代だからこそ、資本主義を批判的に分析する必要があると思って書きました。 佐々木 『人新世の「資本論」』を読んで、真っ先に頭に浮かんだのは宇沢弘文のことでした。 斎藤 日本人で最もノーベル経済学賞に近かったと言われる、あの宇沢さんですね。「宇沢を思い出

                                                                                    マルクスと宇沢弘文。資本主義と闘った知識人たち<ジャーナリスト・佐々木実 × 経済思想家・斎藤幸平> « ハーバー・ビジネス・オンライン