山梨県には「垈」という見慣れない漢字を使う地名が多いことをご存知でしょうか?そもそも「垈」をどう読んだらいいのでしょう。正解は「ぬた」。 甲斐市の大垈、韮崎市の相垈、市川三郷町には、そのものずばりの垈とか下垈、富士川町には砂垈という地名もあります。こうしてみてみると、別になんとも珍しい地名とは感じられません。しかしそれはとんでもない間違いなのです。 日本で「垈」の地名がついているのは、山梨県だけ。しかもなぜか山梨県にだけ、5箇所も6箇所も「垈」のつく地名があるのです。「垈」をめぐる、ただごとではない状況がお分かりいただけるでしょうか。 「垈」は、地名以外に使われている例がみられない、謎に満ち溢れた漢字です。かつて国内標準であった日本工業規格JISには、漢字の規格もあります。僕たちがパソコンで入力すると出てくる漢字もJIS規格に沿っています。1978年から整備が始まったJISの第1第2水準漢