「NHKスペシャル 調査報告 女性たちの貧困~"新たな連鎖"の衝撃~」が話題になりましたね。今年1月に放送されたクローズアップ現代「あしたが見えない」にも、大きな反響があったようです。このように最近、若い女性が極貧状態で暮らしている、そういう女性たちが暮らすシェアハウスの環境が劣悪だ、シングルマザーが風俗でなんとか生計を立てている、といったセンセーショナルなルポがまた増えてきたように思います。これを、どう見るか。 女性の貧困が問題とされ始めたのは、2011年 「女性の貧困」が一種のブームになったのは、11年です。国立社会保障・人口問題研究所の阿部 彩氏によるレポートで、「一人暮らしの女性の3人に1人が貧困」という数字が出ました。シングルマザーの3人に2人、高齢女性の2人に1人が貧困層。夫の収入に頼れない女性や、夫に先立たれた女性が貧困に陥りやすいという、女性問題論や社会階層論を少しかじった