スイスでは、9年間の義務教育を終えると、3分の2が職業訓練校に進学する。農業から情報技術(IT)まで約250種類あり、卒業後に得られる資格により2年から4年のコースに分かれている。 この中で、機械式時計の組み立てや修理の技術を学べる時計学校は、留学生がいるほど人気と実績がある。19世紀前半、時計製造業者の働きかけで設立されたのが始まりで、現在は国内に6校ある。 最大規模を誇る「ジュネーブ時計学校」を訪ねた。3~4年間のコースで228人が学んでいる。校舎内は明るく清潔で、教室は時計会社の工房と見間違えるほどだ。 新入生はまず、時計の組み立てに使う工具の製作から始める。授業は時計一色ではなく、公用語のフランス語のほか数学もある。生徒の4分の1は時計メーカーの見習社員で、1週間のうち2日間を学校で学び、残り3日間は勤務先で実践経験を積む。 知識と技術をさらに身に着けたい生徒には、通常コース終了後