第2回、第9回のコラムでも取り上げたやっかいなそり舌音の攻略。もう食傷気味かもしれませんが、「通じる中国語」を目指すために必要なことなので、あともう1回だけ、仕上げ作業におつきあいください。 何度も記しているように、「正確な発音」を目指すのではありません。「通じる発音」を、容易に身につけるためのコツを探ります。どのようにして通じる発音を容易にマスターするかというと、現在の自分自身に発音可能な音の範囲内で、自分なりの発音ルールをつくってしまうことです。 前回までは「zhi」「chi」「shi」「ri」といったそり舌音そのものの発音方法を工夫してみました。今回進めたいのはそり舌音の発音法ではなく、「そり舌音によく似た音」をきちんと認識し、“発音の差別化”をすることです。 たとえば、「qiang」「chang」の発音の差別化です。日本語表記にするとどちらも「チャン」となるので、日本人は比較的苦手