だいたい2週にいっぺんくらいは町田市の中央図書館の扉をくぐる。 扉をはいった右側に段ボールが2つほど並べられていて、「ご自由にどうぞ」と書かれている。 いつかも書いたが、これらの段ボールには「リサイクル図書」と称して、図書館の蔵書から除籍された図書が入っているのである。当然、すこしばかり古い本が多いのだが、ときに興味をひく本があったりして、行くたびに覗いてみている。 ▽ 今回の乱読の対象は、そうして拾ってきた書籍である。 ■ この8月末、泉精器が民事再生手続開始の申立を行って、帝国データバンクの大型倒産情報に一覧されたことは、ちょっとばかりショックだった(それと相前後して株式会社BHAが事業停止になったのも驚きの一つだったけど…)。 この倒産した泉精器が本書の主役である。相手方はフィリップス。言わずと知れたオランダの多国籍企業である。 ■ 本書は、一部を小説的な流れで綴る一方、裁判所での説