デジタルラジオに逆風 06年本放送、白紙に 2006年11月10日 高音質と動画配信といった多様なサービスを掲げてきたデジタルラジオの、06年中の本放送開始という計画が頓挫した。2011年のテレビのデジタル完全移行で「空き地」となるVHF帯の電波を使う構想だったが、空き地の利用希望者が殺到、ラジオだけを「優遇」することが不可能になったためだ。ラジオ局が将来の生き残り策として期待していた次世代メディアの先行きは見えなくなった。 KDDIが発表したデジタルラジオ対応携帯電話試作機 ほころびが表面化したのは9月半ば。デジタルラジオ本放送へ向けての事業会社設立発起人会が解散を決めた。本放送開始のめどが立たず、計100億円の出資を名乗り出た約60社をこれ以上待たせられないための苦渋の決断だった。 デジタルラジオ構想が本格化したのは01年。ラジオはテレビと違い、デジタルに移行する義務はなく、AM、FM