扇面古写経(模本) 小堀鞆音、寺崎広業模 明治29年(1896)頃、原本=国宝 大阪・四天王寺ほか所蔵 平安時代・12世紀 この展示は、明治期における文化財保護行政と美術の振興に功績のあった九鬼隆一に焦点を当て、その事跡を館史資料で跡付けることを目的としています。九鬼は同時に帝国博物館総長を勤めていて、その時代の博物館の情景の復元にもアプローチしてみます。九鬼の事跡として特に、明治30年に宮内省より帝国博物館に移管された臨時全国宝物調査が、館内においてどのように実施されたのかについて、残された館史資料と後年博物館に寄贈された列品とを照合させながら復元してみたいと思います。