長野市の県立長野図書館で1日、戦時下での検閲記録などの所蔵資料を展示した企画展「発禁1925―1944戦時体制下の図書館と知る自由」が始まった。戦後70年の節目に、表現の自由や知る自由を考える機会に―と企画。発禁を理由に警察に差し押さえられた所蔵資料を同館職員が記録した「発禁閲禁図書目録」など約50点が並ぶ。 目録には、天皇機関説を唱え不敬罪で告発された憲法学者美濃部達吉の「逐条憲法精義」が発禁となり、1935(昭和10)年4月10日に警察へ同書を渡したことなどが書かれている。差し押さえの通知を受けた本を同館職員が記録した「出版物差押通知接受簿」も展示している。 平賀研也館長(56)は「当時は(普段なら)得られる情報が当たり前のように削られていった」と指摘。訪れた都内の現代美術作家吉田和貴さん(42)は「今の社会を考える上でも貴重な資料」と話した。同館は両資料を近くデジタル化し、公開す