重い慢性腎不全の患者が受ける人工透析について、日本透析医学会(理事長・秋沢忠男昭和大教授)は、終末期の患者家族が希望した場合などについて、透析の中止や開始の見合わせも可能とする提言をまとめた。23日、札幌市で開かれた同学会総会で明らかにした。 国内で人工透析を受けている患者は約30万人いるが、70歳以上での開始が約半数と高齢化している。終末期の患者への透析のあり方が現場で議論になっていることから、同学会は作業チームを設け、導入や継続を見合わせる際の具体的な手順について検討してきた。 体調が悪化し医学的理由から安全に行うことができない場合だけでなく、判断能力がある患者が自ら透析を拒否した場合や、自分では判断能力がない終末期患者でも家族が拒否した場合は、見合わせや中止の対象とする。医療側から見合わせや中止を提案し、同意を得て行うこともあるとした。