2019年2月17日21時17分、入場ゲートの奥に設置されたステージに参加全選手が並ぶ。私達はマッスル坂井のマイクに促されて立ち上がり、「3,2,1,マッスル、マッスル!」と叫んだ。その声は両国国技館にこだまして、次の瞬間「パン」と乾いた音がして銀色のテープがステージ上に舞い降りた。 観客達、レスラー、スタッフ達が多幸感に包まれる中、9年ぶりに行われたマッスル興行「マッスルマニア2019 in 両国~俺たちのセカンドキャリア~」は幕を閉じた。 正直、会場に入って興行が始まるまでは不安のほうが多かった。ほぼ10年前のマッスルを見て、私は本当に衝撃を受けた。「今までに見たことのないものを見た」と思ったし、今でもその印象は変わらない。しかし実際、思い出は美化されていく。 あれから私もマッスルメイツも年をとり、感性も変わっているし、DDTの興行内で行われたマッスル提供マッチもいまいち新しいファンに