“恋愛をこじらせる”とは、一時期よく使われていた言葉だ。一般的な価値観と自意識の間に折り合いがつかず恋愛につまずく女性を、今は亡きライターの雨宮まみさんが“こじらせ女子”と表現したのが始まり。そこから様々な意味が派生して、うまく恋愛ができずに、もつれた恋愛ばかりしていることを“恋愛をこじらせる”と言うようになった。 アニメと女子で、アニメを取ってしまった 泰典は、身長167センチ、筋トレで鍛えているという胸板は厚く、サイドを短く刈り込んだ髪型はスポーツマンの風貌。年齢よりもずっと若く見え、笑顔がみょうに人なつっこかった。清潔感もあり、女性から敬遠されるような見た目ではけっしてない。現在は埼玉の実家で、親の跡を継ぎ果物農園を経営している。 「今はそうでもないんですけど、昔は強烈なアニオタ(アニメオタク)だったんですよ」 恋愛をこじらせる原因のひとつは、ここにあったという。明るくがっしりとした