12月のある日、小さな女の子を連れた若い夫婦がとあるデパートでショッピングを楽しんでいた。 店内に流れるBGMは軽快なクリスマスソング。夫婦は愛娘に贈るクリスマスプレゼントの下見に来ていた。もちろん、本当の目的は子供には内緒にして。 女児が訪ねた。 「ねえねえ。今年もサンタさん来てくれるかな?」 「そうね。あなたが良い子にしていたら、きっと来てくれるわ。」 母親が優しい笑みをたたえながら娘に答えた。 その時だ。 家族の会話に割り込むひとりの女が現れたのだ。 トナカイ女来襲 女はトナカイの着ぐるみを着こんでいた。可愛らしい格好ではあるが、クリスマスに合わせたデパートのマスコットではなさそうだ。 女が叫んだ。 「サンタは毎年何頭ものトナカイにソリを曳かせ、世界中を走らせます。それも一晩でですよ。これがどれだけトナカイにとって惨たらしいことかわかっているのですか!!」 突然のことに怯える子供をそ