ルネサス エレクトロニクスの業績が急落している(図1)。売上高は2014年第2四半期以降、ジリ貧状態にある。営業利益は同年度以降黒字化しているものの、16年度に入って急降下し始めた。 その苦境に喘ぐルネサスを食い物にしている産業がある。日本のモノづくりを支えているといわれる自動車産業である。 日本の自動車メーカーは、ルネサスが生産する車載半導体(マイコン)を不当に安価に入手してきた。この既得権益を手放したくないために、ルネサスで気に入らない行動をとった会長やCEO(最高経営責任者)をクビにしてきた。日本の自動車産業は、ルネサスを私物化しているとしかいいようがない。ルネサスのマイコンがどうしても必要なら、正々堂々とルネサスを買収すればいい。それもせずに同社のトップ人事に介入するのは、いい加減にしてもらいたい。 ルネサス新社長就任 ルネサスは4月15日、呉文精(くれ・ぶんせい)氏を6月にCEO