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短歌研究社の検索結果1 - 19 件 / 19件

  • 面白かった本2023 - phaの日記

    今年もなんとか年末までたどり着きましたね。毎年書いている今年面白かった本を紹介する記事です。 今年は本屋(蟹ブックス)で働き始めたということもあって、今までよりも幅広い本を手に取った一年だったように思います。あと、去年はなぜか短歌くらいしか読めなくなっていたけど、今年はエッセイとかをまた楽しく読めるようになってきました。うれしい。エッセイを書く気力もわりと戻ってきたので、2024年はまたエッセイ本を出したいなと思っています。まあ、できる範囲でやっていきたいですね。無理せず、死なないように。 マンガ 鶴崎いづみ『私のアルバイト放浪記』(観察と編集) 大山海『令和元年のえずくろしい』(リイド社) 大白小蟹『うみべのストーブ』(リイド社) 坂上暁仁『神田ごくら町職人ばなし』(リイド社) 岩波れんじ『コーポ・ア・コーポ』(ジーオーティー) 新井英樹『SPUNK - スパンク!』(KADOKAWA)

      面白かった本2023 - phaの日記
    • 短歌の5文字を入力→残りの「7・5・7・7」自動生成 5000首学んだ「恋するAI歌人」現る

      NTTレゾナントは8月8日、短歌の最初の5文字を入力すると、残りの26文字をAIが自動生成するサービス「恋するAI歌人」を公開した。短歌の専門誌「短歌研究」を発行する短歌研究社のWebサイト上で、同日から9月9日まで利用できる。 NTTレゾナントが開発したAI対話エンジン「gooのAI」を活用し、歌人の与謝野晶子や岡本かの子などの恋愛に関する歌集から約5000首を学習させた。 その際、単語を赤や青などの色にひも付けてAIに学習させ、色のイメージを効果的に使った短歌を作れるように工夫。例えば、緑のグループに「苔」や「草」など色調の似た単語を分類し、文脈によってAIが同じ色のグループの単語を使い分けるという。 記者が試しに「夏休み」と入力したところ、20秒ほど考えた末、「夏休み 庭に椿は ただひとつ ひとの海ぞと あはれなりけれ」という句を詠んでくれた。 これまでもNTTレゾナントは、Q&Aサ

        短歌の5文字を入力→残りの「7・5・7・7」自動生成 5000首学んだ「恋するAI歌人」現る
      • 【短歌ブーム】校舎から飛び降りた高校生を描いた短歌集が「すごく刺さってくる」「めちゃくちゃエモい」と話題に

        工藤吉生歌集『世界で一番すばらしい俺』(短歌研究社)への反響を著者が集めました。たくさんあるのでいくつかに分けてまとめていきます。 紙の本(Amazon)→ https://t.co/tJsr2Aykh8 Kindle→ https://t.co/IyAvoOPCAe

          【短歌ブーム】校舎から飛び降りた高校生を描いた短歌集が「すごく刺さってくる」「めちゃくちゃエモい」と話題に
        • 恋するAI歌人|短歌研究社

          期間限定!『恋するAI歌人』と短歌を作ろう! 初句(おおむね五字)を入力すると、人工知能歌人が、 五・七・五・七・七の短歌を作ります。 柳原白蓮や岡本かの子らといった、近代女性歌人の短歌、合計5000首以上を学習・分析し、 自ら歌を作る人工知能歌人、筆名「恋するAI歌人」。 歌の勉強を始めて1年半。人工知能の作る歌は、人間を感動させられるのか? ※AIの「修行」秘話と作品を紹介する座談会は、月刊誌「短歌研究8月号」(発売中)と、ウェブ「現代ビジネス」に掲載されています。 歌人AIは、恋愛相談AI「オシエル」などで培ったNTTレゾナント株式会社の文章生成・対話AI技術を基に、 短歌をAIで生成できるかに挑戦するNTTレゾナント株式会社のプロジェクトです。 特徴としては、ユーザの入力した初句を基に、2句、3句、4句、 結句の各句を生成するとともに、句の順列や、句の組合せを学習します。 弊社の持

          • 恋するAI歌人|短歌研究社

            短歌の初句 短歌の初句(5字程度)を入力してください。 Copyright(C) NTT Resonant 2019

            • 歌会はなぜ楽しい アイドルやホストも参入、コロナ禍の短歌ブーム(産経新聞) - Yahoo!ニュース

              女性アイドル4人らが出演した「アイドル歌会@詠い納め」。「無記名でも誰の短歌か分かる」と好評だった=令和3年12月28日、東京・池袋(短歌研究社提供) 【学芸万華鏡】 会員制交流サイト(SNS)で広がる若者の短歌ブームが、出版界にも押し寄せている。短歌の歌集は数百部の自費出版が一般的だ。しかし、最近は1万部の商業出版が珍しくない。新型コロナウイルス禍でヒットした歌集もある。アイドルやホストが短歌を詠む歌会を開き、その成果を書籍化する動きも。歌会はなぜ楽しいのか。盛り上がるブームの背景を探った。 【写真】短歌ブームに伴い、商業出版される歌集が増えている ■ツイッターで応援 わずか31文字に、共感や応援する気持ちを込める。 「その半分でも引き受けてあげたい」「世界中を敵にしても僕は君の味方」 〝文春砲〟を昨秋に浴びるなどした女性アイドルグループ「ZOC(ゾック)」メンバー、巫(かんなぎ)まろさ

                歌会はなぜ楽しい アイドルやホストも参入、コロナ禍の短歌ブーム(産経新聞) - Yahoo!ニュース
              • なぜいま、私たちは「短歌」に惹かれるのか。現代歌人の旗手・枡野浩一と伊藤紺が語らう | CINRA

                5・7・5・7・7の31文字で構成された文章が、Twitterでバズるのをよく目にする。書店に行けば、特設された歌集コーナーがある。じわじわと、短歌ブームがきているのではないか。そんなふうに感じている人は少なくないのでは。 そんな最中、今年9月に発売された歌人・枡野浩一の作品全集『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』(左右社)は早くも5刷が決定。大型書店のレジ付近に山積みになった同書を幅広い年代の人々が手に取っていく。 さらに、近い時期には歌人・伊藤紺の歌集『肌に流れる透明な気持ち』『満ちる腕』(ともに短歌研究社)が新装版で発売。自費出版した歌集が入手困難な状況になり、出版社から新装版が出るという異例の事態であった。 なぜいま、短歌が注目を集めているのだろうか。25周年を迎えた枡野浩一と注目の若手歌人・伊藤紺の対話から、短歌の魅力や人気の理由を紐解いてい

                  なぜいま、私たちは「短歌」に惹かれるのか。現代歌人の旗手・枡野浩一と伊藤紺が語らう | CINRA
                • 存在しないことにされている“アロマンティック/アセクシュアル”の作品を読み解く - QJWeb クイック・ジャパン ウェブ

                  他人に対して恋愛感情を抱いたり、性的な魅力を感じない人を指す「アロマンティック/アセクシュアル」。近年、こういった呼称とともに、様々なセクシュアリティを持つ登場人物が描かれた作品が増えてきている。 アナキスト/フェミニストの高島鈴が「愛」と呼ばれるものを解体し、万人に開かれた革命を目指すコンテンツ批評「世界転覆望遠鏡」。今回は、この「アロマンティック/アセクシュアル」を題材にした作品をいくつか読み解く。 ※この記事は『クイック・ジャパン』vol.159に掲載のコラムを転載したものです。 愛は革命を起こせない いつから「愛は世界を救う」などという嘘がまかり通るようになったのか、その答えは悲しいかな知らないのだが、ともかく私は愛は革命を起こさないと信じている。いや、正しくはそのようにして起きた変革を革命と呼びたくないと考えている。なにかとなにかの間に生まれる情によって生じた変革は、必ずやそのな

                    存在しないことにされている“アロマンティック/アセクシュアル”の作品を読み解く - QJWeb クイック・ジャパン ウェブ
                  • 【300首】有名な現代短歌をいっぱい紹介したい!!!|工藤吉生📘世界で一番すばらしい俺

                    現代短歌ってどんなのがあるの??? こんにちは。歌人の工藤吉生です。 とつぜんですが、現代の短歌って、どんなのがあるんでしょうか??? 短歌に興味をもちはじめたばかりの方のための、現代短歌まとめをつくりました。 この記事だけで70人以上の歌人の300首以上の短歌が読めますので、たっぷり楽しんでいってくださいね! どの時代から「現代短歌」なのかというのはいろいろな考え方がありますが、ここでは2019年現在で60歳以下の方(1959年以降の生まれ)の作品を現代短歌とさせていただきました。だいたい俵万智さんや穂村弘さん加藤治郎さんから現代短歌が始まるかたちです。これはまったく一般的ではない分類ですが、ここではそういうことにします。 比較的有名と思われる作品を、わたくし工藤の独断で選びました。独断ですが、そんなに大きくはハズレていないと思いますよ。 順番は作者名のあいうえお順としています。 それで

                      【300首】有名な現代短歌をいっぱい紹介したい!!!|工藤吉生📘世界で一番すばらしい俺
                    • 自己啓発としての短歌 - リリカルはなくそオーガスタ

                      あなたはわたしを読んでいるが、果たして、わたしの言語を理解しているという確信があるだろうか? J.L.ボルヘス「バベルの図書館」より はじめに 本論は、短歌における「私性」について考える文章である。しかし、残念ながら(?)本論はいわゆる「短歌評論」ではない。 「私性の文学」などと呼ばれる短歌は(よくも悪くも)事実として、作品を通じた自己表現を主眼としている。営みとしての短歌の主だった目的は、たとえば、巧みな表現を行うための技術の向上という点――そのような自己表現を担いうる〈私〉の実現を目指す、ある種の「自己づくり」にあると言ってよい。 「自己づくり」において重要なことは、その都度ごとに自己を演じることではなく、そうして演じられることが〈私〉の言葉としていわば「板につく」までの過程にほかならない。一般向けの書籍における紹介としては、小野田(2021)が引用している、平野啓一郎の「分人」という

                        自己啓発としての短歌 - リリカルはなくそオーガスタ
                      • tanka.fun - 2022年下半期の記録

                        #1 ペンギンは動物園の面接を終えて明日は水族館に / 鴨南蛮 2022年8月6日筋肉短歌会「水族館」 https://twitter.com/kamo_to_negi 動物園と水族館、それぞれの志望動機を用意するペンギンを想像したら、健気で愛らしいなと思いました。これが人間だったら、その人の将来がかかっている場面ですからそんな風には思えないでしょう。主体をペンギンにすれば、世の中の大体の物事を穏やかに見られる気がします。 /この歌を推薦した人 三浦くもり https://twitter.com/miurakumori #2 雨だよ、と告げてあなたに降りかかるわたしに雨の才能ありぬ / 大森静佳 歌集『ヘクタール』 2022年 文藝春秋 https://twitter.com/oomrshiz 「雨だよ」という他愛ない会話から主客が転回する美しさを見た気がしました。 /この歌を推薦した人 

                          tanka.fun - 2022年下半期の記録
                        • ホストたちの「万葉集」 歌舞伎町の虚実、短歌に込める:朝日新聞デジタル

                          新宿・歌舞伎町で働くホストたちが詠んだ歌集「ホスト万葉集」が7月上旬に出版された。彼らが初めて短歌を作ったのは2年ほど前。出勤前の歌会や職場で詠まれた約300首を収めた。コロナ禍で「夜の街」とひとくくりにされるなか、歌を通して一人ひとりの姿を見てほしい。歌集には、そんな願いも込められている。 現代の光源氏、出勤前に歌会 歌を詠んだのは、歌舞伎町商店街振興組合で常任理事を務める手塚マキさん(42)と、手塚さんが経営するホストクラブで働く75人。きっかけは2018年7月、歌人・小佐野彈さん(37)の第1歌集「メタリック」の出版記念会を、「歌舞伎町ブックセンター」で開いたことだった。 参加したホストたちが即興で短歌を作り、小佐野さんや、ともに登壇していた歌人の野口あや子さん(33)が助言して仕上げた。その後も出勤前に「ホスト歌会」を開催。選者に俵万智さん(57)も加わり、手弁当で添削や批評を続け

                            ホストたちの「万葉集」 歌舞伎町の虚実、短歌に込める:朝日新聞デジタル
                          • ゆっくり独自の大人になれた街・富士見ヶ丘|文・伊藤紺 - SUUMOタウン

                            著: 伊藤紺苦しい時期に出会った、富士見ヶ丘の変な部屋 その家には玄関がなかった。と言うと必ず「窓から入んの?」と聞かれてしまうのだけど、ドアはあった。けど、玄関がない。正確に伝えるならばドアを開けて、靴を脱ぐスペースがなくて、ドアを開けたら即フローリングなのだ。 大きな窓だらけで開放的……というかほぼ外で、冬は極寒、夏は灼熱&アシナガバチの巣ができ、危ない。春〜秋は家の中で小さい虫を見かけない日はなかったし、外壁にはいつもヤモリがくっついていた。 なぜそんな部屋に住んでいたかと言うと、広くて日当たりがよくて、駅近だったから。京王電鉄井の頭線・富士見ヶ丘駅から徒歩1分。2分もあれば改札を通って、電車にも乗れる。南向きの角部屋。窓の外には生い茂る緑が見え、高校時代を過ごした大好きな浜田山駅の2駅隣というのもよかった。 富士見ヶ丘駅の第一印象は閑静な住宅街、という感じだった。駅前のチェーン店と

                              ゆっくり独自の大人になれた街・富士見ヶ丘|文・伊藤紺 - SUUMOタウン
                            • 「あなた」と「わたし」の境界線はどこ? 大岩雄典評 小田原のどか《↓(1923-1951)》と「近代を彫刻/超克する」展

                              「あなた」と「わたし」の境界線はどこ? 大岩雄典評 小田原のどか《↓(1923-1951)》と「近代を彫刻/超克する」展昨年ふたつの場所で展示された小田原のどかの作品を批評する。歌人・斉藤斎藤の作品を引きながら「わたし」について、またゲーム、小説、美術作品における「あなた」という代名詞が指すものの正体を分析。さらに「見る者/見せる者」両者の境界線を越境させる力について考察をめぐらす。 文=大岩雄典 小田原のどか「TOKAS-Emerging 2019『近代を彫刻/超克する』」展示風景(TOKAS本郷、2019) 写真=加藤健 画像提供=Tokyo Arts and Space 過ちは繰り返しませ いくばくか長い話が始まる。 「わたし」と「あなた」の話をするつもりだ。 歌人・斉藤斎藤の第二歌集『人の道、死ぬと町』(2016)は、〈当事者〉という主題に貫かれた1冊だ。歌人、歌集というのだから、

                                「あなた」と「わたし」の境界線はどこ? 大岩雄典評 小田原のどか《↓(1923-1951)》と「近代を彫刻/超克する」展
                              • 奪うな – 砂子屋書房 月のコラム

                                第65回短歌研究新人賞は、受賞作候補作含めて読み応えのある作品が多かったように思う。なかでも受賞作であるショージサキ「Lighthouse」30首は、非対称の力ないし関係性の発現をつぶさに捉えつつ、歌同士が有機的に関連づけられて読まれ得る仕掛けの施された傑作である。 年上の女のひとが車道側歩いてくれて今だけ女児だ 顔も手も胸も知ってる友人が知らない男と生殖してる 種を蒔くほうに生まれてみたかっただろうか種を育てる身体 花を踏む 咎める人の足元はコンクリートで幸せですね (ショージサキ「Lighthouse」「短歌研究」2022年7月号) 引用1首目、「年上の女のひと」によって守られる側となった自身を「女児」と呼び表した、というだけの歌ではないことに注意したい。一緒にいる相手より車道側を歩く、という行為に含まれる〈守る/守られる〉の関係は、今回はたまたま年齢の違いによって〈守られる〉役割を歌

                                • 中城ふみ子と中井英夫|そしてあなたたちはいなくなった 第7回|瀬戸夏子|かしわもち 柏書房のwebマガジン|note

                                  一九四九年に結成された女人(にょにん)短歌会は、季刊誌『女人短歌』を創刊し、多くの女性歌人に活躍の場をあたえてきた。本連載では、この短歌会の女性歌人、そしてあえて距離をとりながら同時代を生きた人々、ひとりひとりの素顔と歩みを、歌人の瀬戸夏子が描き出す。 第7回は、鮮烈な歌壇デビューを飾るもその僅か四ヶ月後に逝った歌人・中城ふみ子と、その中城を見出し、最期まで伴走した編集者・中井英夫。後年公開された往復書簡や証言が明らかにした、尋常ならざる二人の紐帯、そして、中井が著した反・推理小説『虚無への供物』を手掛かりに立ち上がる「歪なシスターフッド」とは── * * * 一九九二年、中城ふみ子生誕七十周年の座談会で、馬場あき子は「中城ふみ子から女歌が出発したといえる」と発言し、尾崎左永子が「確実にそう言っていいと思う。やはり(昭和)二十九年はエポックメーキングの年ね」と答えている。生誕七十周年とはい

                                    中城ふみ子と中井英夫|そしてあなたたちはいなくなった 第7回|瀬戸夏子|かしわもち 柏書房のwebマガジン|note
                                  • 「1日1冊読む」を999日続けてみた|しんぱち。

                                    1日1冊本を読むと決めて以来、休まずに本を読み続けている。 本当に読み続けている。休んだ日はない。 雨の日も、風の日も、元気な日も、ちょっとダルい日も、仕事が激務の日も、母を早朝から病院に連れて行く日も、旅行に行っても、ワクチンの副反応で高熱が出た日も、感染して(コロナになりました…)高熱が出た日も、1日1冊、読み始じめて、最後まで読み切る生活を続けた。 最初はキツかった。 もともと読書週間がほぼ皆無だったので、めちゃくちゃしんどかった。 正直、なんでこんなこと始めたのか?バカじゃないの!?って思ってた。 「今日はさすがに読めない」って日もたくさんあった。 でも「なんとしても読む」精神でひたすら続けた。 そんな日々を送ってきた。 はじめのうちは「コーヒーを淹れたら本を読む」というような前置きを作ったり、いろいろとやり方を工夫していた。 500日も続けたらそんなものもいらなくなった。 「今日

                                      「1日1冊読む」を999日続けてみた|しんぱち。
                                    • 短歌にとっての〈語り手〉 - Tom's Fragments

                                      井上法子「「夜明け」について 第二回笹井宏之賞大賞受賞作を読んで」(現代詩手帖2020年5月号)面白かった。今度自分で書こうと思っていることの一部を先出しすることにもなりますが、あまり書き進められていないし、考察ついでに少し書いてみます。今度公開予定の文章に一部転用するかもしれません。 いま何を聞かれても口ごもるだろう いつ 何を どうして どこまで /鈴木ちはね「スイミング・スクール」 について井上は 「口ごもる」動作の主体の〈私〉と、パフォーマティヴにもごもごとしたリズムで下の句を述べる語り手の〈わたし〉が錯綜していて、「誰と」はさして問題ではないらしい。 と読んでいる。 (誤解のないように注記。「「誰と」はさして問題ではない」のはダメだという論ではないので、全体の論旨については原文を読んでいただきたい。) 井上は動作主体の〈私〉と語りの主体の〈わたし〉を区別している。 以下、〈私〉と

                                        短歌にとっての〈語り手〉 - Tom's Fragments
                                      • 月のコラム » Archives » リアリティの重心

                                        短歌という詩型は、発展よりも存続を上位に置くべき価値観が支配的である。本コラムを書き始めるにあたって、僕はまず、そのことを確認しておきたい。 この価値観の上下構造は、歌人個々の資質がどうであろうと、関係がない。短歌を選ぶことは、避けようがなく短歌の存続を選ぶことを意味する。短歌の発展を望む歌人が、しばしば苦しむのはこのためだ。 発展を望むことは、表現の自由を担保するだろうか。そうかもしれない。しかし発展の舵をとる人間の手に、権力が集中する危険がある。短歌はその存続を優先させるかぎり、ある特定の歌人に強大な権力を委ねることはない。ないと願う。 言い方を変えれば、絶対的な権力者を持つことなく、発展とは別の原理で短歌は変わり続け、現在まで生き延びてきたのだ。 こんな噂話がある。 花水木の道があれより長くても短くても愛を告げられなかった   吉川宏志 一九九五年に発表された歌集『青蟬』の代表歌のひ

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