無観客という異例の事態のなか行われる「宝塚記念」。Number Webでは「こんなときこそ読んで欲しい」と思う『Sports Graphic Number』の過去の記事、「1分56秒──理想のサラブレッド、サイレンススズカ」(689号、2007年10月25日)を前後編に分けて特別に公開します。サイレンススズカの急逝から9年後、主戦の武豊騎手をはじめ、生産者や担当厩務員などに悲運の名馬についてあらためて聞きました(前編「宝塚記念馬サイレンススズカの記憶。武豊が見たサラブレッドの『理想』。」は記事最終ページ下の「関連記事」からご覧になれます。) 武豊は、この時期のサイレンススズカをまったく別の視点から見ていた。 1997年2月1日、サイレンススズカがギリギリでクラシックに間に合うかどうかのタイミングで新馬戦に出てきたとき、彼は藤澤和雄厩合のプレミアートというサンデーサイレンス産駒の騎乗を先に引