平成11年に倒産した大阪の広告代理店萬年社が所蔵していたポスター、ビデオテープ等は、「萬年社コレクション」で見ることができる。だが、所蔵していた図書類の目録は公開されていないので、全貌は不明である。ところで、「株式会社萬年社蔵書之印」が押された雑誌が大阪の市会に出たようで、恵美須町の文庫櫂で何冊か発見した。なぜか、創刊号ばかりで、萬年社が創刊号のみコレクションしていたのか、市会への出品者が創刊号だけ選んで出品したのかは不明であるが、タイトルは創刊号コレクションとしてみた。写真は、入手した『文化批判』1巻1号(文化批判社、昭和2年5月)「雑誌『文藝戦線』批判号」である。あまり著名な雑誌ではないようで、『日本近代文学大事典』5巻(新聞・雑誌)に立項されていない。平野謙『文学運動の流れのなかから』(筑摩書房、昭和44年8月)によれば、 (略)文学における福本イズムの悪しきエピゴーネンは、中野重治