2012年(平成24年)4月に完全実施された「中学校武道必修化」は、2006年に自民党・第一次安倍政権下で約60年ぶりに改正された教育基本法に「伝統と文化の尊重」という一文が盛り込まれたことを受けて、2008年の新・学習指導要領改訂により実施されることが決まりました。 2012年4月に産経新聞が実施したeアンケートでは、必修化に賛成という意見が61%を占め、国民には概ね好意的に受け止められていたように思います。 ですが、このアンケートはトレードオフの視点が欠落しています。武道必修化にかかる全体的な費用が明示されていないのです。それでは現在、以下のようなアンケートの設問を投げかけたら、国民は一体どのように回答するでしょうか? 「中学校武道必修化には、新国立競技場建設費旧案2520億円並みの費用がかかる可能性がありますが、あなたは必修化に賛成ですか?」……国の借金が1000兆円を超えると言われ